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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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闇の死闘パート2

 大阪府警での仕事を終えて、鬼一きいちが帰りじたくをしていると

「大変です、鬼一きいちさん。寝屋川ねやがわやみ結界けっかいが現れました」

 と、対鬼部署たいおにぶしょの職員が、急いでって来た

寝屋川ねやがわか、大阪の中でも京都寄りだな」

われわれは、今から調査に向かいますが、鬼一きいちさんはどうします?」

ーー虎之助とらのすけには早く帰ると約束したが、結界の位置がどうも気になるーー

「私も同行する、案内してくれ」

ーー仕方しかたない、今日は遅くなるなーー

 鬼一は調査班ちょうさはんに加わり、寝屋川ねやがわに向かうことにした。



 やみの結界内では、鬼とロシア支部がはげしい戦いをり広げていた。

 最初におそって来た鬼たちの半数近くをたおしたところで、ついに鬼神の白鬼はっきが姿を現した。

貴様きさまが、国際電気保安協会こくさいでんきほうあんきょうかいで最強と言われているスヴェントヴィトか」

 白鬼はっきの全身からは、ただならぬ妖気ようきが立ち込めている。

 鬼神の出現しゅつげんあたりは、いっきに冷気につつみ込まれた。

 アンドロポプは、すでに多数の傷をっており、ラスプーチンにも疲労ひろうが出てきている。

 そんな中、ロマノフ議員だけは

「やっと出てきたか白鬼はっき。お前ら鬼どもに殺されたゼウスのかたきたせてもらうぞ」

 と、おだやかな表情で言った。

「たった3人で、乗り込んで来るとは良い度胸どきょうであるが、死んでもらう」

 白鬼はっきは両手をロマノフ議員に向けて『時空魔導波じくうまどうは』を放つ。

ーーこれがゼウスたちをガニメデに送ったわざか。だが、時空をあやつれるのは貴様だけでは無いぞーー

空間防御壁くうかんぼうぎょへき

 ロマノフ議員は空間ごと防御する障壁しょうへきってそなえる。

ドスーン!!

 轟音ごうおんを出しながら『時空魔導波』が『空間防御壁』にぶつかった。

 あまりにも衝撃しょうげきが大きいためか、影響えいきょうされて闇の結界が弱まってきた。

ーーこれが神と鬼神の戦いか。すさまじいものだなーー

 ロマノフと白鬼はっきの戦いを感じながら、アンドロポプは他の鬼と戦っている。


 その頃、結界の外に居る鬼一きいちと調査班にも爆音が届いていた。

「今、物凄ものすごい音がしましたね」

「巨大なエネルギー同士が、ぶつかったようだな。結界が弱まって来ている」

 鬼一きいちは少し考えてから

「私は式神しきがみ大鷲おおわしに乗って、なにが起こっているのか偵察ていさつして来るから、君はDSPの転生者を呼んでおいてくれないか」

 と、調査班の一人に頼んだ。

「わかりました。どの転生者を呼びますか?」

「全員だ」

 そう言うと、大鷲おおわしを呼び出し鬼一きいちは行ってしまった。



 虎之助が宿舎しゅくしゃに戻ると、岩法師いわほうし小太郎こたろうたちが出動しゅつどうの準備をしているところであった。

「虎之助、帰って来たか。今から出動だ、寝屋川ねやがわやみ結界けっかいが出現した」

 岩法師が手短てみじかに説明する。

「闇の結界でござるか」

ーー拙者せっしゃは、できれば鬼一きいちが帰って来るのを待ちたいんだけどーー

鬼一きいちさんたちは先に行っているようだ」

「えっ、鬼一きいちは、もう現場に行っているのでござるか?」

「そうだ。お前も準備しろ、全員で出動だ」

ーー鬼一きいちが先に行っているのであれば、待っていてもしょうが無いーー

了解りょうかいでござる」

 急いで虎之助は武器等の準備をすませると、迎えに来た桜田刑事の車に乗り込んだ。

「闇の結界を張れると言うことは、今回の敵は大物だな」

 岩法師は用心して言った。

「そんなもん、俺の剣技けんぎでブチ殺してやりますわ」

 自信家である小太郎は息巻いきまいている。

「俺も特訓とっくんしてした、新しい必殺技をためしてみよう」

 めずしく狂四郎きょうしろうも、やる気を出しているようだ。

拙者せっしゃは敵を全員、悩殺のうさつするでござる」

 虎之助は、なぜか敵を悩殺のうさつするつもりである

「いや、悩殺のうさつはダメだろ、退治たいじしないと」

 おもわず虎之助に注意する岩法師。

「敵も味方もまとめて、拙者せっしゃのダイナマイトボディで悩殺のうさつするでござる〜!」

 ムキになった虎之助は大声で言い張っている。

「お前の貧乳ひんにゅうでは、無理だな」

 しかし、狂四郎からもめた口調くちょうでダメ出しされた。

ブチッ!

 貧乳ひんにゅうのことを言われ、虎之助がキレた。

「とりあえず、お前から殺すでござる!」

 キレた虎之助が、狂四郎の首を、おもいっきりめる。

「ぐわっ、苦しい、死ぬ!」

「こらっ、やめろ虎之助。今から戦いに行くんだぞ」

 岩法師が止めに入るが

てきより先に、コイツを殺すでござる」

 さらに強く首をめる虎之助。

 という具合ぐあいで、いつもの事ではあるが、仲間内で殺し合いをしていると

「僕も練習した剣技けんぎためしてみるよ」

 と、左近さこんがボソっと言った。

 一瞬いっしゅんが開いて

「エーッ!なんで左近さこんが乗ってんだ!」

 全員がおどろいてさけんだ。まだ、小学生である左近は宿舎しゅくしゃ留守番るすばんをしているとハズである。

 虎之助も思わず、狂四郎の首から手を離しておどろいている。

「もう、そろそろ僕も実戦に出ようかと思って」

 しっかりと刀も持って来ており、本気で戦いに参加するつもりの様である。

「いつの間に乗ってたの?まだ、左近君には早すぎるわ」

 運転中の桜田刑事が、あせって注意する。

「そうだぞ左近、おとなしく留守番るすばんしておくんだ」

 岩法師にも止められてしまった。

「そうでっせ、左近さん」

「左近は、まだ子供でござる」

「桜田刑事、現場に着いたら、そのまま左近を送ってもらえませんか」

 先程さきほどまでめられていた首をさすりながら、狂四郎が桜田刑事に頼んでいる。

「そうするわ。左近君、みんなを現場に送ったら、そのまま宿舎しゅくしゃに帰るわよ」

 結局けっきょく、左近の初陣ういじんは、メンバー全員に反対されてしまった。

残念ざんねんだなぁ」

 さみしそうに左近は、窓の外をながめた。

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