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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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ポセイドン

「ここが国際電器保安協会こくさいでんきほうあんきょうかいのたまり場だな」

 アポロンは一人で、アメリカ村に来ていた。

「あそこの公園こうえんに、知った顔のやつがるな」

 そこには、いつものように、ライアンとマーゴット、アンドロポプの3人がタコ焼きを食べながら談笑だんしょうしていた。

「おい、お前ら」

 アポロンが3人に声をけると

だれだお前。うっとおしいから、あっちへ行け」

 いきなりアンドロポプに、邪険じゃけんにされてしまった。

「アンドロポプ、この男はギリシャ本部のアポロンだぞ。かなりの強者つわものだ、喧嘩けんかを売るのはよせ」

 ライアンはアポロンの事を知っているので、アンドロポプに忠告ちゅうこくする。

「本部のやつだか何だか知らんが、俺に気安きやすく話しかけるんじゃねえ」

 ライアンの忠告ちゅうこくなど、おかまいなしに、アンドロポプはアポロンに対して高圧的こうあつてきである。

「いや、お前らに聞きたい事があってな。DSP[デビルスペシャルポリス]に高校生ぐらいのムッチャ強い女の子がるんだが、知らないか?」

ーーそれは、あの虎之助とらのすけという小娘こむすめのことじゃないか。俺は、もうかかわりたく無いぞーー

「そないな女の子は、知りまへんな」

 アンドロポプは、しらをきった。

「なんで、急に関西弁かんさいべんになるんだよ、お前なんだかあやしいぞ」

 しかし、口調くちょうが不自然すぎて、アポロンにうたがわれてしまった。

「知りまへんって言うたら、知りまへんがな。ほな、ワテはこれで」

 アンドロポプは、スタスタと歩き出して、そのままって行った。

「なんだアイツ。お前は何か知ってるだろ?」

 今度は、ライアンに聞いて来た。

「知ってるけど、あのとはかかわりたく無いな」

 ライアンは正直に答える。

「そのタコ焼き、拙者せっしゃしいでござる」

「うわっ!」

 いつのにか、目の前にタヌキの式神しきがみれた虎之助が立っている。

「あっ、このむすめだ!」

 アポロンがさけんだ

「タコ焼き、よこすでござる」

 虎之助が、ライアンのタコ焼きをうばい取った。

「おい、お前のタコ焼き、取られてるぞ」

 その様子を見て、アポロンはライアンに注意ちゅういするが

「いいんだよ、タコ焼きぐらい。命にはえられないからな」

 と、別にかまわないという態度たいどである。

ーーなるほど、コイツら、この小娘こむすめの強さを知っていて、ビビってやがるな。まあ、俺も一人では勝てる気がしないから、応援おうえんんでるんだがーー 

「おぬしは、どこかで見た顔でござるな」

 虎之助とタヌキが、タコ焼きを食べながらアポロンの顔をじっと見ている。

「会って無いですよ。他人の空似そらにじゃないかな」

 まだ、応援おうえんが来ていないので、アポロンは、ごまかす事にした。

ーーうわっ、ムッチャ見てる。ヤバいかなぁーー

 虎之助は、まだ、アポロンの顔を見ている。

「ちょっとめてよ!」

 マーゴットの、いやがる声がした。

「ええやん、ちょっとだけ手握てぇにぎらしてぇや」

 いつの間にか小太郎も来ており、マーゴットにちょっかいをかけている。

「また、お前か。いい加減かげんにしろよ」

 毎度まいどながら、ライアンにおこられてしまった。

「あっ、姉さん。コイツは、この前やりそこねたアポロンや」

 小太郎が、アポロンにかって言った。

ーーヤバい、バレたーー

「なるほど。では、今すぐ殺すでござる」

 虎之助は刀に手をける。

ーーとりあえず、にげげようーー

 急いでアポロンは、走って逃げ出した。が、しかし

ドン!

 あわてて逃げたので、だれかにぶつかってしまった。

「そんなにあわてて、どこへ行くんだ、アポロン」

 の高い髭面ひげずらの男が言った。

「お前たちは……」

 ぶつかった相手は、ギリシャ本部から加勢かせいに来たポセイドンであった。

 ポセイドンは、2人の仲間をれている。

 細身で陰気いんきな男性ハーデースと、美しくやさしそうな女性ヘスティアーである。

「よかった、お前たちか」

 ホッと気がゆるんだ。

「ゼウスに言われて来てみたんだが、ゼウスは何処どこるんだ?」

 ハーデースが、不機嫌ふきげんそうに聞いて来る。

「ゼウス様は、君らと一緒いっしょじゃなかったのか。今、調しらべてみる」

 アポロンはスマホに入れてもらった、ゼウス行動監視こうどうかんしアプリで調しらべてみた

「ゼウス様は、現在げんざい家電量販店かでんりょうはんてん任天堂にんてんどうスイッチを買うために、ならんでおられる」

「アイツは、やる気があるのか」

 ハーデースは、あきれている。

「弟のクセに、私たちをび出しといて、なにしてんのよ」

 ヘスティアーも不満ふまんそうである。

 そこへ、式神のタヌキと一緒いっしょに、虎之助が追いかけて来た。

「とりあえず、あのれいのリンゼイ老師をったDSPの転生者てんせいしゃだ」

 アポロンが虎之助を指さす。

ちがうでアポロン。あのジジイをったんは、この俺や」

 小太郎こたろうも来ており、リンゼイ老師は自分がったと言い出した。

「えっ、お前なの?」

「そうや、俺が真空飛しんくうと膝蹴ひざげりでKOした」

 平然へいぜんと、うそをつく小太郎。

「どっちでも良いけど、こんな若造わかぞうられるとは、リンゼイ老師もたいしたこと無いな」

 ハーデースは、小太郎と虎之助を見比くらべている

「まあ良いわ、ワシが2人とも、ひねり殺してやる」

 巨体のポセイドンが、小太郎の正面しょうめんに立つ。

「デカいおっさんやなぁ、まあ、俺のてきではないけどな」

ズドーン!

 余裕よゆうの小太郎に、ポセイドンの重厚じゅうこうなパンチが炸裂さくれつした。

「うへ〜」

 小太郎は、ひとたまりもなく、はる彼方かなたばされてしまった。

「なんだ、弱いじゃないか」

 ポセイドンは顎髭あごひげでながら、がっかりしている。

「よくも小太郎を、やってくれたでござるな」

 刀をき、すさまじい殺気さっきを出す虎之助。

「このむすめは、なかなかやりそうだな」

「気を付けろポセイドン、そのはムッチャ強いぞ」

 アポロンが注意ちゅういする。

唐沢家忍術からさわけにんじゅつ髭男滅殺切ひげおとこめっさつぎり』」

 虎之助の秘技ひぎ炸裂さくれつする、が

髭男真剣白刃取ひげおとこしんけんしらはどり!」

 ポセイドンは、虎之助の攻撃こうげき真剣白羽取しんけんしらはどりでめる。

「やるでござるな髭男ひげおとこ

 強者同士つわものどうしの戦いが、始まろうとしていた。

 が、その時

冥界波めいかいは

 と、後方こうほうから、いきなりハーデースが虎之助に攻撃こうげきをしかけた。

 空間に冥界めいかいへの入り口が開き、虎之助をんでいく。

冥界めいかいは、もういやでござる〜」

 と、さけびながら、虎之助は冥界めいかいに引きずりまれて行く。

「なにをするハーデース!俺の獲物えものだぞ」

 ポセイドンは憤慨ふんがいしている。

「すまん。なぜか、あのむすめから得体えたいの知れない不気味ぶきみなオーラを感じて、咄嗟とっさ攻撃こうげきしてしまった」

「お前は、神経質しんけいしつすぎるんだよ!」

 ポセイドンが怒鳴どなった。

「兄にかって、お前って言うな!」

 ハーデースも怒鳴どなり返す。

「うるせえ!根暗ねくらモヤシっ子」

 ポセイドンが悪口を言って来た。

「このひげマッチョ!」

だまれ、ぼっちめし!」

 2人は、おたがいにののしり合っている。

「ちょっとめなさい、2人とも。ひねり殺すわよ」

 2人の姉であるヘスティアーに、おこられてしまった。

「そうだよ。せっかくてきたおしたんだから、仲良くやろうよ。いくら、あのむすめでも冥界めいかいに落とされたら、おしまいだろうから」

 虎之助の脅威きょういが去り、ホッとしながら、2人をなだめるアポロンであった。

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