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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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虎之助は眠りたいでござる

「グッピーちゃんのかたきだ!」

 阿久良王あくらおうは、両手からほのおを出してヘラクレスを攻撃こうげきする。

「ほう、少しはほねのあるやつがいるな」

 ヘラクレスはほのおをモノともせず、阿久良王あくらおうに向かって平然へいぜんと歩いて行くと

「ヘラクレスチョップ!」

ドスン!

 阿久良王あくらおう攻撃こうげきした。

「ゲフッ」

 強烈きょうれつなチョップを受けて、えきれずたお阿久良王あくらおう

「クソっ。温羅うらは、どこだ」

 阿久良王あくらおうは、一対一では勝てぬと分かり、相棒あいぼうである温羅うらさがした。

「俺はここだ」

 少しはなれた所に温羅うらたおれている。

 返事が出来るということは、意識いしきはあるようだ。

「よし、デビルクロスだ」

承知しょうちした」

 阿久良王あくらおう温羅うらは手をつな

「デビルクロス!」

 と、さけんだ。

 すると2人は合体し、デビルソルジャーへと変身へんしんする。

[デビルソルジャーとは、身長2メートル、体重たいじゅう160キロで、アメフトとアメリカンプロレスをきわめた大型超鬼戦士おおがたちょうおにせんしである]

「なんだ、こいつら。合体しやがった」

 これには、さすがのヘラクレスもおどいている。

「デビルソルジャータックル!」

 巨体きょたいのデビルソルジャーが、全体重ぜんたいじゅうをかけてタックルを仕掛しかけて来た。

「負けるか!ヘラクレスタックル」

 ヘラクレスもけじとタックルで応戦おうせんする。

ドカッ!!

 両者が、ぶつかり合ってすさまじい音がした。

 さすがにタックルでは、ヘラクレスの方がが悪く、転倒てんとうしてしまう。

「なかなかやるなぁ。だが、これで終わりだ」

 ヘラクレスは、すぐに立ち上がると、体中に力を入れて闘気とうきむ。

「あの闘気とうきはヤバイ」

 デビルソルジャーは、あわてて地面にせた。

 その時

「死ね!阿呆あほマッチョ!」

 いつの間にか、もどって来たグッピーちゃんが、背後はいごからヘラクレスの首をスリーパーホールドでげた。

「グッ、苦しい」

 ヘラクレスの顔が青ざめて来た。いきなり後ろから首をめられて、くるしそうな表情ひょうじょうをうかべる。

ーー今だ!ーー

ズバッ!

 この好機こうき見逃みのがさず、鬼一きいちは刀でヘラクレスの胴体どうたいを、真横まよこに切って落とした。

ボトリ

 ヘラクレスの下半身かはんしん地面じめんに落ちる。

ったか」

 鬼一きいちは、ヘラクレスの顔を見た。

 ぷたつにされてしまったヘラクレスは、息絶いきたえている。

「やっと死んだわね、阿呆あほマッチョめ」

 グッピーちゃんも、スリーパーホールドをいて安堵あんどの表情をうかべている。

 強敵きょうてきであったヘラクレスも、デビルソルジャーとグッピーちゃん・鬼一きいち連携れんけいプレーで、ついにたおすことが出来た。

「この人数で、やっと倒せたか。ヘラクレス、おそろしい男であった」

 戦いが終わり、デビルソルジャーは阿久良王あくらおう温羅うらへともどっていく。

ーー意外いがいだが、今回は、鬼達の活躍かつやくで勝てたなーー

 と、鬼一きいちがホッとしていると。一人の外人が、こちらに歩いて来るのが見えた。

 ヘラクレスとはタイプがちがい、スタイルの良いイケメンである。

 その男は、ぷたつにされたヘラクレスを見ると

「あれっ?ヘラクレスのやつ、負けちゃったのか」

 と言いながら、周囲を見渡みわたしている。

「なんだ、お前は。俺たちに文句もんくでもあるのか」

 阿久良王あくらおうは、その男に対し、ウザそうに威嚇いかくした。

「俺の名は、国際電器保安協会こくさいでんきほうあんきょうかいのアポロン。ヘラクレスをったのは、お前らか?」

 男は、堂々と名のった。かなりうでに自信を持っているようである。

「だとしたら、どうなんだ」

 すごみながら、阿久良王あくらおうが聞く。 

「ここにやつは、皆殺みなごろしだ!」

 突然とつぜん強烈きょうれつ殺気さっきが、周囲しゅういたされる。

ーーこっ、こいつは、とんでもなく強い。ヘラクレスなど問題もんだいにならんほどにーー

 はっせられた殺気さっきの強さで、阿久良王あくらおうはアポロンが、とてつもない強者つわものだという事が理解りかいできた。

 やっとの事でヘラクレスをたおしたところに、さらなる強敵きょうてきあらわれたため阿久良王あくらおう温羅うらは少しひるんでしまっている。

「今度はマッチョじゃなく、イケメンがあらわれたわね」

 グッピーちゃんが、不用意ふよういにアポロンに近づいていく。

あぶない!グッピーちゃん。そいつは危険きけんだ!」

 阿久良王あくらおうは、グッピーちゃんを制止せいしする。

 しかし、間に合わず、アポロンは強烈きょうれつ太陽たいようエネルギーを全方向ぜんほうこう発射はっしゃして、容赦ようしゃなく周囲しゅういくして行く。

「これは、まずい!」

 鬼一きいちは、急いで大鷲おおわし式神しきがみを出すと、気をうしなっている岩法師と狂四郎をせるて、急いで上空へ退避たいひして行く。

 しばらくすると、周辺しゅうへんは焼けただれ焦土しょうどしており、中心にアポロンが一人で立っている。

他愛たあいもない。鬼や転生者てんせいしゃは、この程度ていどか」

 全員、始末しまつしたと思い、立ちろうとするアポロンに

「待て」

 と、背後はいごから声がした。

 大鷲おおわしからり立った鬼一きいちである。

「ほう、その鳥にって、俺の太陽エネルギーからのがれていたのか」

 アポロンは、鬼一きいち大鷲おおわしを見て、面倒めんどうくさそうな顔をしている。

「お前のようなやつは、野放のばなしには出来できん。ここで始末しまつする」

 鬼一きいちは、刀をかまえる。

「ほう、威勢いせいが良いな。だが、俺には勝てぬぞ」

 アポロンは右手を鬼一きいちに向け、太陽エネルギーを放出ほうしゅつした。

京八流きょうはちりゅう神鏡かみかがみ』」

 鬼一きいちの左手に、50センチほどの丸いかがみあらわれ、アポロンの太陽エネルギーを吸収きゅうしゅうしていく。

無駄むだだ、この『神鏡かみかがみ』はすべてのエネルギーをる」

 鬼一きいちは、左手でかがみかまえながら右手に持った刀でアポロンにりかかる。

 アポロンも、ボクシングのようなフットワークを使かい、鬼一きいちかって行く。

「マグナムパンチ!」

ドカッ!

 アポロンの強烈きょうれつな右ストレートが刀をくだき、そのまま鬼一きいち顔面がんめんにヒットする。

「ぐふッ」

 モロに顔面がんめんにパンチを受けてしまい、鬼一きいちたおれ込む。

「やはり、この程度ていどだな。悪いが、とどめをさせてもらう」

 アポロンは右手を手刀しゅとうに変えて、鬼一きいちの首をり落とそうとした。

 が、その時

たんかい!」

 またもや、背後はいごから声をけられた。

「なんだ、しつこいやつらだな。今度はだれだ」

 くと、若い男が女の子をかついで立っている。

 若い男はなぜか、アポロンの足元あしもとに女の子をくと一歩下いっぽさがった。

「なんだ、このむすめは?貢物みつぎものか?」

 不思議ふしぎに思って、アポロンはたずねた。

「アホなことを言うな!ねえさんは最強の戦士せんしや!姉さんたのんまっせ、そいつをブチ殺して下さい」

 そう言われて、アポロンはあらためて女の子を見た。可愛かわいらしいだが、爆睡ばくすいしている。

「このてるけど?」

 小太郎もあらためて虎之助を見てみた。パジャマ姿すがたのままで、まだねむっている。

「あっ、ホンマや」

ーーしもた!姉さんが、まだてたとは。この俺とした事が、一生いっしょう不覚ふかくーー

 と、あせる小太郎であった。 

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