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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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火星戦記パート3

 前回、パクチーと仲の良い銅鬼どうきなぐたおしてしまった事で、アキレスはパクチーのいかりをかってしまった。

「社長のお嬢様じょうさまが、おいかりでござる。失礼しつれいの無いように早く謝罪しゃざいするでござる」

 虎之助とらのすけ謝罪しゃざいうながすが、アキレスは

「なんで、俺があやまらなきゃいけないんだよ!」

 と、逆ギレし出した。

「すいませんでござる。コイツは後で半殺はんごろしにしておきますので、ゆるしてしいでござる」

 アキレスがあやまらないので、虎之助が代わりにパクチーに謝罪しゃざいする。

「しょうがないですねぇ。このめんじて、今回だけはゆるしてあげるですぅ」

 なんとか、パクチーは機嫌きげんなおしてくれたようである。

「コッチに来るでござる」

 アキレスは、虎之助に耳を引っられながら、屋台やたいうられて行かれた。


「おぬし接客態度せっきゃくたいど全然ぜんぜんなってないので、今から半殺はんごろしにするでござる」

「向こうがなぐりかかって来たから、なぐっただけだろ。それに、お前に説教せっきょうされる筋合すじあいはねえ!いいから、かかって来いよ、小娘こむすめ

 屋台裏やたいうらでは、虎之助とアキレスの死闘しとうが、始まろうとしていた。

生意気言なまいきいうな!でござる」

バチン!

 虎之助はアキレスにビンタした。

「いてーっ!あれっ?待てよ、お前のビンタは何で痛いんだ?俺には攻撃こうげきかないハズなのに」

 アキレスは、虎之助のビンタが自分にダメージをあたえた事におどろいている。

「おぬし身体からだ直接攻撃ちょくせつこうげきしてもかないので、おぬしる空間に攻撃こうげきしたでござる」

「ええっ、そんな事が出来るの?」

「出来るでござる。火星に来てからみ出した『次元打震じげんだしん』のじゅつでござる。その空間に存在そんざいする物質ぶっしつは、防御力ぼうぎょりょく関係かんけいなくダメージを受けるでござる」

「思ったよりやるな小娘こむすめ。だが俺の攻撃こうげきをかわす事が出来るかな」

 アキレスは渾身こんしんの力をめて、虎之助の顔面がんめんにアキレスパンチを打ちんだ。

ポスっ

 虎之助はなんなく、アキレスパンチを手のひらめる。

「そんな攻撃こうげき拙者せっしゃには通用つうようしないでござる」

「なぜだ、どうしてお前は、こんな事が出来るんだ?」

 アキレスは、虎之助の強さに驚愕きょうがくした。

「言ったハズでござる。拙者せっしゃには、三千年続さんぜんねんつづ暗殺拳あんさつけんの血が流れていると」

「そんなの聞いて無いけど」

「言って無かったでござるか?」

「今、始めて聞いたな」

「これは、失礼しつれいしたでござる」

 虎之助は、頭を下げた。

「それで、お前に、暗殺拳あんさつけんの血が流れているって、本当なのか?」

「ハッタリでござる」

「やっぱり、そうか」

拙者せっしゃ成分せいぶんの半分は、ハッタリで出来ているでござる」

「言っている意味いみ全然ぜんぜんわかんねえけど、とりあえず死ねや!」

 ふたたびアキレスは、全力でパンチを打つ

「『次元打震じげんだしん』のじゅつ!」

 虎之助も同時どうじ攻撃こうげきする。

スカッ

 アキレスパンチはくうり、虎之助の『次元打震じげんだしん』がアキレスにクリティカルヒットした。

バキッ!ボキッ!バキッ!!

「はうっ」

 次元打震じげんだしん直撃ちょくげきを受けて、アキレスはたおれ込み、そのまま気を失ってしまった。

 アキレスをたおすと、虎之助は屋台の表に戻り

「アホのアキレスは半殺はんごろしにしたので、拙者せっしゃは、もう家に帰るでござる」

 と、パクチーにげて空港くうこうに向かって歩き出した。

「ちよっと、まって下さいぃ」

 するとパクチーが、アキレスを引きずっていかけて来た。

「何でござるか?」

 虎之助がパクチーにたずねると

「この男も、れて行ってしいですう」

いやでござる。コイツは元もと、拙者せっしゃてきでござる」

「でも、こんな男がいると、おタマが、またやみ軍団ぐんだんを作ってしまうですう」

「しようが無いでござるね。じゃ、れて行くでござる」

 仕方しかたなく虎之助は、アキレスを引きずって空港まで歩くことにした。


「待ってくれ、DSPのおじょうさん」

「今度は誰でござるか?拙者せっしゃは早く帰りたいのでござる」

「私です、銅鬼どうきです」

 なんとか回復かいふくした銅鬼どうきいかけて来ていた。

「おぬしでは、拙者せっしゃに勝てないでござるよ」

「いえ、もう仇討かたきうちはあきらめました。それより、私も地球にれて行って下さい」

「お金は、持ってるのでござるか?」

 銅鬼どうきこまった顔をして

「火星の通貨つうかならありますが、これで関空行かんくういきの便びんれるでしょうか?」

 火星の金貨きんかを、何枚か虎之助に見せた。

金貨きんかなら大丈夫だいじょうぶだと思うでござる」

「よかった。じゃ、一緒いっしょに行きましょう」

 と、3人で空港くうこうかおうとした時

「ダメよ銅鬼どうき

 いつの間にか、パクチーが銅鬼どうきの後ろに立っている。

「すいませんパクチーさん。私は、どうしても地球に帰りたいのです」 

銅鬼どうき。この数カ月、一緒いっしょて、私の気持きもちがまだ分からないのぉ?」

たしかに、パクチーさんは私の大切な友人です。しかし、また関空かんくうから火星に会いに来れますから」

「やっぱり、全然ぜんぜんわかってないわぁ」

「わかってますよ」

「わかってない!私は貴方あなたの事を愛しているのよぉ」

「えっ………」

 銅鬼どうき言葉ことばまった。

 パクチーは美少女ではあるが、どう見ても12〜3歳である。正直、銅鬼どうきはパクチーの事を恋愛対象れんあいたいしょうとしては見ていなかった。

「しかし、パクチーさん。貴方あなたは、まだ子供ではありませんか」

「こう見えても私は、もう千歳せんさいよ。銅鬼どうきよりずっと年上なのよぉ。ちなみに、おタマは百万歳ひゃくまんさいですぅ」

 どうやら、太陽系暗黒大魔王たいようけいあんこくだいまおう一族いちぞくは、人類じんるいとはとしのとり方がまったちがうらしい。

「エエっ!そうなんですか」

「それに、外見がいけんも変えれるのよぉ。ジャンジャジャーン!」

 そう言うと、パクチーは大人のセクシー美女へと変化へんかした。

普段ふだんは子供の姿すがた太陽神たいようしん油断ゆだんさせてるんだけど、この姿すがたが本当の私なのぉ」

「なんと美しい」

 パクチーの容姿ようしに、思わず銅鬼どうき見惚みとれてしまった。

「おタマも、今の姿すがた油断ゆだんさせているけど、本来ほんらい姿すがたは金色で巨大なドラゴンなのよぉ、はねもあって海王星かいおうせいまで飛んで行けるのぉ」

 パクチーの言葉ことば銅鬼どうきは、ふとわれに返った。

「でも、お父様とうさまが何と言うか」

 銅鬼どうきは、太陽系暗黒大魔王たいようけいあんこくだいまおうのことが気になった。

 しかも、パクチーの話によると、本来ほんらい姿すがたがまるでキングギドラのようにおそろしいではないか。

「ワスの事なら大丈夫だいじょうぶでヤンス」

 いつの間にか、背後はいご太陽系暗黒大魔王たいようけいあんこくだいまおうこと助清すけきよが来ていた。

助清すけきよさん」

 おどろいた銅鬼どうきは、り返って助清すけきよを見た。

誠実せいじつな君なら、ワスのむすめまかせても良いと思っていたでヤンス」

「ありがとうございます。しかし、私にその資格しかくるのでしょうか?」

「君は、暗黒大魔王あんこくだいまおう後継者こうけいしゃになるのでヤンス」

「私は、そんなだいそれた者ではありません」

「いや、ワスは初めて会った時から、君のひとみの中に暗黒神あんこくしんを見ていたのでヤンス」

「私の中に暗黒神あんこくしんが……」

 太陽系暗黒大魔王たいようけいあんこくだいまおうにそう言われ、銅鬼どうきはパクチーと一緒いっしょになり火星にのこることを決心けっしんしたのであった。


 そんな熱い3人を、おどろくほどめた目で見ていた虎之助は

「安い三文芝居さんもんしばいを見せられて、時間を無駄むだにしたでござる」

 と、まだ気をうしなったままのアキレスを引きずりながら、空港くうこうまで歩き出すのであった。

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