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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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ミニスカポリス戦士ポピポヨ 

 DSP[デビルスペシャルポリス]の宿舎しゅくしゃでは、鬼一きいち小太郎こたろう岩法師いわほうし阿倍仲麻呂あべのなかまろの件を説明していた。

 そのとなりでは、虎之助とらのすけ狂四郎きょうしろうばんごはんのトンカツ定食を食べている。

「では、左近さこんが助かるかもしれない、という事ですか?」

 岩法師はうれしそうに聞いている。

「そうだ。安倍さんもって京都まで行ってくれている。だが、芹沢せりざわさんとはいえ出来できない事もあるので、期待きたいぎてはいけない」

 鬼一きいち慎重しんちょうである。

「俺は姉さんになぐられて、気をうしなってたから良くわかりまへん」

 小太郎は前回の事でスネている。

「小太郎が拙者せっしゃを、毒殺どくさつしようとしたから当然とうぜんでござる」

 平然へいぜんとトンカツを食べている虎之助。

「お前らは、いつも殺し合いしてるな」

 あきれ顔で狂四郎が言った。

「お前のように、女にうつつをかしてる、ド阿呆あほに言われる筋合すじあいは無いわ!」

 小太郎がキレれて言い返す。

「なんだと!この田舎いなかざむらいが!」

「こらこら、2人とも喧嘩けんかはダメでござるよ」

 虎之助が2人をなだめる。

「うるせぇ!Aカップ貧乳ひんにゅうむすめだまってろ!」

ブチンッ!!

 狂四郎の台詞せりふにブチ切れた虎之助は、ミニスカポリス戦士せんしポピポヨに変身へんしんして

貴様きさまら全員、逮捕たいほして銃殺じゅうさつするでござる!」

 と、拳銃けんじゅうふりり回しておこり出した。

「こりゃマズい」

 鬼一きいちと岩法師が、あわててポピポヨを押さえつけるが、なかなかポピポヨのいかりはおさまらない。

「お前らも手伝てつだってくれ!」

 岩法師に言われ、小太郎と狂四郎も喧嘩けんかめて、ミニスカポリス戦士せんしポピポヨをめに入った。

「姉さんあばれるから、パンツが丸見えでっせ」

 あばれるポピポヨをめながら、小太郎が注意すると

「これは見せパンじゃないので、見たやつはブチ殺して、地獄じごくに落とするでござる!」

 ますますポピポヨがおこり出した。

「こら小太郎、よけいな事を言うな!さらに怒り出したじゃないか」

 小太郎は、岩法師におこられてしまった。

「すんまへん。でも見られていややったら、ミニスカートいてあばれたらダメですやん」

拙者せっしゃ家柄いえがらは、ミニスカートをいてあばれるのが、正式せいしき作法さほうでござる!」

「そんな家柄いえがらがあるか!」

 岩法師の怒鳴どなり声が聞こえる。

 DSPの宿舎しゅくしゃでは、てきないのに修羅場しゅらばとかすのであった。



「よく来てくれたの」

 ライアンとマーゴットーそれにアンドロポプまで集まったので、リンゼイ老師ろうし上機嫌じょうきげんである。

 アーナブとマニッシュも体調たいちょう万全ばんぜんであり、戦力は完璧かんぺきであった。

「今度こそ、あの小娘こむすめをぶっ殺してやる」

 一度、ひどい目にあったアンドロポプは、息巻いきまいている。

「いや、あのむすめは俺にらせてくれ。あやうく毒殺どくさつされかけたんだ」

 アーナブも、やる気である。

「じゃ、あの小娘こむすめは2人にゆずるよ。俺は他の転生者てんせいしゃる」

「いいのか、ライアン?」

「俺は別に良いよ」

ーー本当は、あの小娘こむすめには勝てる気がしないだけなんだけどな。たぶん、リンゼイ老師ろうしが倒してくれるだろうしーー

 本音ほんねは、リンゼイ老師ろうしだのみのライアンであった。



「あいつらDSPをおそうつもりだな」

 リンゼイ老師たちが集まっているホテルに、完全に気配けはいを消して見張みはっている者がた。

 処刑鬼隊しょけいおにたい別働隊べつどうたい穏形鬼おんぎょうきである。

「これは霊気れいきさんに報告ほうこくせなば」



面倒めんどうくさいやつらやな」

 穏形鬼おんぎょうきから報告ほうこくを受けた霊気れいきは、普段ふだんあまり使って無い頭脳ずのうをフル回転させて対策たいさくった。

「よっしゃ!とりあえず、今日は阪神はんしん競馬場けいばじょうで勝負や。勝って北新地きたしんちで飲みあかすで」

 と、今日も結局けっきょく、ギャンブルと酒の日々を過ごすのであった。



 京都警察病院きょうとけいさつびょういんでは、搬送はんそうされた左近の病室で安倍兄弟あべきょうだいが話し合っていた。

「兄さん、左近のけん芹沢せりざわさんにたのみたいのですが」

 安倍あべ康晴はるやすは、兄の安倍あべ賢靖けんせい相談そうだんした。

「確かに、左近から阿部仲麻呂あべのなかまろを、おはらいすることが出来できるのは芹沢せりざわさんだけだが、お前も芹沢せりざわさんの性格せいかくは知っているだろう」

ーー転生前てんせいまえ芹沢鴨せりざわかも傍若無人ぼうじゃくぶじんであり、あまりにも危険きけんな男であったため、部下である新選組しんせんぐみ隊士たいし暗殺あんさつされた。しかも、土方歳三ひじかたとしぞう沖田総司おきたそうしなどの手練てだれが4人がかりでつぶれている芹沢せりざわおそい、やっと殺すことが出来たといわれているほどの超危険人物ちょうきけんじんぶつであるーー

「まあ、ある程度ていどのことはうわさで聞いているが、それでも芹沢せりざわさんにしか出来ないので。今は、俺のじゅつ仮死状態かしじょうたいにしているところです」

「まあ、左近とは面識めんしきもある事だし、一応いちおうたのんではいるんだが。やってくれるかどうかは、芹沢せりざわさんの気分きぶん次第しだいだな」

 京都DSPの転生者てんせいしゃは、鬼神きしんひきいる鬼の精鋭せいえいわたり合える猛者もさがそろっており、渡辺綱わたなべのつなを始め芹沢鴨せりざわかも伊藤いとう一刀斎いっとうさい念阿弥ねんあみ慈恩じおんなど、ひとくせある者が多く顧問こもんである安倍あべ賢靖けんせいでも、そう気安きやすたのみ事は出来ないのである。



 岩法師いわほうしがステーキをおごるという事で、やっとミニスカポリス戦士せんしポピポヨの機嫌きげんなおり、4人で北区のステーキハウスに来ていた。

「やっぱり和牛わぎゅうは、美味うまいでんなぁ」

拙者せっしゃたちの時代は、牛肉なんか食べれなかったでござる」

 みんな上機嫌じょうきげんでステーキを食べている。

虎之助とらのすけ。お前の気のみじかさは何とかならんのか?」

 ポピポヨの機嫌きげん見計みはからって、岩法師がたずねて来た。

「なにを言ってるでござるか。拙者せっしゃは気が長くておだやかな性格せいかくでござるよ。ちまたでは、地蔵菩薩じぞうぼさつと呼ばれてるでござる」

「すんまへん。そのジゾウ何とかさんの事、知りまへんので、バイきんたとえてくれまへんか」

 小太郎こたろうは、地蔵菩薩じぞうぼさつの事を知らないようだ。

「ええっと。それじゃ、拙者せっしゃちまたではバイきんと呼ばれてるでござる」

「へえ、そりゃすごいでんなぁ、姉さんはバイきんでっか。そういえば、バイきんみたいな顔してますわ」

 なぜか、小太郎は感心かんしんしている。

 そんな2人を見て

ーー相変あいかわらず、コイツらは馬鹿ばかだなーー

 と思う、岩法師と狂四郎であった。

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