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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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デビルスペシャルポリスVS阿倍仲麻呂 中編

 左近さこん居所いどころを見つけたのは良いが、そこにはやみ結界けっかいられており、DSP[デビルスペシャルポリス]のメンバーは立ち往生おうじょうしていた。

「先に行った虎之助とらのすけ小太郎こたろうが心配です、われらも行きましょう」

 鬼一きいち提案ていあんにより、危険ではあるが一同いちどう結界けっかいの中に入って行くことにした。

 しばらく進むと

「うへーっ!」

 というさけび声とともに、小太郎がばされて来た。

大丈夫だいじょうぶか?小太郎」

 安倍あべる。

大丈夫だいじょうぶじゃ、ありまへん。あれは左近さんなんかじゃ無くて、阿部仲麻呂あべのなかまろでっせ」

「どういう事だ?」

「左近さんは、阿倍仲麻呂あべのなかまろられてるんや」

 小太郎は、うろたえている。

「前方に、なにかほのおようなものが見えます」

 鬼一きいちが、前方を指さした。

「あれはドラゴンのほのおや。姉さんがドラゴンの式神しきがみと戦ってるんや」

「左近をり、竜の式神しきがみを使うとは、なかなかの術者じゅつしゃだな」

 阿倍仲麻呂あべのなかまろは、相当そうとううでの術者であるようだ。

 近づいてみると、竜とメイド少女戦士しょうじょせんしマリリンが死闘しとうひろげていた。

「あれは応竜おうりゅうだ。阿倍仲麻呂あべのなかまろは、最強の竜である応竜おうりゅう式神しきがみが出せるのか!」

 応竜おうりゅうを見て安倍はおどろいた。

ーーこれほどの腕がある術者であったかーー

「とどめでござる!」

スパッ!!

 メイド少女戦士しょうじょせんしマリリンの手刀しゅとうが、応竜おうりゅうの首をり落とす。

 首をられた応竜おうりゅうは、ちじんで小さくなると、やぶれた御札おふだもどっていく。

すごいな、あいつ。応竜おうりゅうたおしやがった」

「彼女は、こわいもの知らずですからね」 

 安倍と鬼一きいちは、感心かんしんしている。

毒饅頭どくまんじゅうを食わせて、弱らせてから殺したでござる」

 メイド少女戦士しょうじょせんしマリリンが、こちらにやって来た。

。さすがに応竜おうりゅうを相手にした後なので、メイド服がやぶれたりかれたりしており、ボロボロである。

「姉さん、パンツが見えてまっせ」

 小太郎は応竜おうりゅうたおしたことより、パンツが気になるようだ。

「これは、見せパンだから、見えても大丈夫だいじょうぶでござる」

「見せパンでっか。さすが姉さんオシャレでんなぁ」

拙者せっしゃのオシャレさは、イタリアのファッションショーで、四階級よんかいきゅう制覇せいはしたほどでござる」

「へえ、言ってる意味がわからんし、興味きょうみも無いですが、そらすごいでんなぁ」

 小太郎は、馬鹿ばかにしながらも感心かんしんしている。


「まさか、DSPに応竜おうりゅうたおせるやつたとはな」

 左近の姿すがたをした阿倍仲麻呂あべのなかまろが、ゆっくりと歩いて来る。

「やっと会えたな、阿倍仲麻呂あべのなかまろ。兄のかたきたしてもらうぞ」

 安倍あべ破魔はまけんをかまえた。

「ちょっと、待ってください。あの男を殺したら、もしかして左近さんも死ぬんちゃいまっか?」

 小太郎が心配して、たずねた。

当然とうぜん、死ぬでしょうね」

 冷静れいせい鬼一きいちが答える。

「ダメですやん!」

仕方しかたがない。あの男を生かしておくと、多くの人が死ぬことになる」

「そんなぁ」

 小太郎は、ひざを落としてなげいている

「心配しなくても、大丈夫だいじょうぶでござるよ」

 メイド少女戦士しょうじょせんしマリリンは、小太郎のかたに手をいてなぐさめた。

「どう大丈夫だいじょうぶなんですか?」

拙者せっしゃが、左近がくるしまないように一瞬いっしゅんで首をり落とすござる」

「全然、大丈夫だいじょうぶじゃないですやん!!」

 さらに小太郎は落ち込んでいく。

「しかし、阿倍仲麻呂あべのなかまろだけ殺して、左近を助ける方法と言われるとむずかしいな」

 鬼一きいちも考えんでいるが、そうなやんでもいられない。その間に、一人で戦っている安倍はされて来ている。

「とりあえず拙者せっしゃが、この毒饅頭どくまんじゅうをアイツにわせるでござる」

 と言うと、素早すばやくメイド少女戦士しょうじょせんしマリリンは、阿倍仲麻呂あべのなかまろに向かって行った。

「うわぁ、どうしよう。あんな物食ものくわされたら、左近さんが死んでまう!」

 まだ小太郎は、うろたえている。



「この饅頭まんじゅううでござる」

「誰が食べるか、そんな物。お前の相手は、こいつだ」

 阿倍仲麻呂あべのなかまろは、巨大鎧きょだいよろい武者むしゃ式神しきがみを出すと、メイド少女戦士しょうじょせんしマリリンに向かわした。

唐沢家忍術からさわけにんじゅつかまいたち』!」

 メイド少女戦士しょうじょせんしマリリンが右手を上からたてろすと、巨大きょだいよろい武者むしゃたてれ、ドスン!と左右にたおれた。

 よろい武者むしゃたおれたのを見とどけると、メイド少女戦士しょうじょせんしマリリンは、阿倍仲麻呂あべのなかまろに向かって走り出す。

 だが、何者かにえりつかまれ、反対方向はんたいほうこうほうげられてしまった。

「痛たい、誰でござるか?」

 たおれたまま、メイド少女戦士しょうじょせんしマリリンが自分をげた相手を見てみると、たおしたはずの巨大きょだいよろい武者むしゃである。

あまいぞ小娘こむすめ。俺の巨大鎧きょだいよろい武者むしゃは、何度でも復活ふっかつする」

 阿倍仲麻呂あべのなかまろは勝ちほこっている。

大丈夫だいじょうぶでっか、姉さん。ブラジャーが見えてますけど?」

 小太郎が、ブラジャーの心配をしに走って来た。

「これは、見せブラだから大丈夫だいじょうぶでござる」

「さすが、姉さん、オシャレでんなぁ」

 小太郎は、ひどく感心かんしんしている。

たおしても復活ふっかつする式神しきがみは、初めてでござる」

 メイド少女戦士しょうじょせんしマリリンは、空を見上みあげて、師匠ししようおしえをうた。

「お師匠ししよう様」

 すると、空にスマートでハンサムな若い男があらわれて

「虎之助よ、この世に不死身ふじみ式神しきがみなどない。復活ふっかつしているように見せかけているのです」

 と、適切てきせつなアドバイスをおこなった。

「お師匠ししよう様、ありがとうでござる」

 メイド少女戦士しょうじょせんしマリリンは感激かんげきして、おれいを言う。

「あれっ。あいつの師匠ししようって資料しりょうによると、小太こぶとりで中年男ちゅうねんおとこ伊賀いがくりすけじゃなかったっけ?」

 不思議ふしぎに思った鬼一きいちが、小太郎に確認かくにんした。

「その、くりすけ裏切うらぎられたショックで、ねえさんの脳内のうないではイケメン師匠ししようわったんですわ」

 小太郎が、師匠ししょうが入れ替わった経緯けいいを説明する。

「そんな馬鹿ばかな!」

 鬼一きいちあきれている間に、メイド少女戦士しょうじょせんしマリリンは、何やら呪文じゅもんとなえだした。

忍法にんぽうピーグルアイ!」

 忍法ピーグルアイとは、術者じゅつしゃがピーグル犬と同じ視力しりょくになる忍法にんぽうである。

 ただし、ピーグル犬の視力しりょくが、人よりもすぐれているという事実じじつまったく無い。

 ピーグルアイで、周辺しゅうへん見渡みわたしていたメイド少女戦士しょうじょせんしマリリンは、何かを見つけたようで

「あやしい式神しきがみが居るでござる」

 と、言いながら走って行く。

 そこには、一匹いっぴきの猫の式神しきがみり、御札おふだを数枚持っている。

「この猫野郎ねこやろう!」

スコーン!

 猫の式神しきがみひたいに、メイド少女戦士しょうじょせんしマリリンがげた手裏剣しゅりけん命中めいちゅうする。

 途端とたん巨大鎧きょだいよろい武者むしゃと猫の式神しきがみは消えて御札おふだもどっていく。

巨大鎧きょだいよろい武者が倒されると、猫があらたに別の巨大鎧きょだいよろい武者むしゃ式神しきがみび出して、復活ふっかつしたと見せかけていたでござる」

 復活ふっかつ秘密ひみつを、虎之助があばいた。

「なんと!式神しきがみび出せる式神しきがみかくれていたとは。しかし、そんな式神しきがみを出せるとは、阿倍仲麻呂あべのなかまろという男、おそろしいやつ

 阿倍仲麻呂あべのなかまろ陰陽師おんみょうじとしての能力のうりょくの高さに、おどろきをかくせない鬼一きいち

 応竜おうりゅう巨大きょだいよろい武者むしゃたおしたのは良いが、阿倍仲麻呂あべのなかまろを殺してしまうと、左近も死んでしまう。

 安倍たちDSPのメンバーは、今までとは勝手かってちがう相手に戸惑とまどうのであった。

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