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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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暗黒対決

「クソっ、お前のせいで玄関げんかんを閉められたじゃないか」

 加藤が虎之助とらのすけに対して怒っている。

「じゃ、また今度、菓子折かしおりを持って出直でなおすでござる」

 と言って、虎之助は帰ろうとした。

「いや、帰ったらダメだろ、あきらめが早すぎるぞ」

 引き止める加藤。

ピンポーン!

 今度は、小太郎こたろうが玄関のベル押した。

 すると、ガチャ、っととびらが開く音がして士会鬼しかいきが出て来るなり

「やかましいわ。何度も押すな!」

バキッ!

 必殺ひっさつの右ストレートを、小太郎の顔面がんめんに打ち込んだ。

「るへ〜」

 いきおいよくっ飛んで行く小太郎。

「ナイスショット。良く飛んだでござるね」

「そうだな、300ヤードは行ったな」

 虎之助と加藤が、飛んで行く小太郎をながめていると

「ちょっと、2人とも。仲間がヤラれたのに、なに関心かんしんしてんスか」

 と、武蔵むさしいさめられてしまった。

「そうだったでござる。よくも小太郎を、このジジイ、ぶっ殺すでござる」

 虎之助は、刀をいて士会鬼しかいきりかかった。

ガキッ

 しかし、士会鬼しかいきは、右腕みぎうでで刀をガードする。

「こんな物でワシは切れんぞ」

 どうやら、士会鬼しかいきに刀は通用しないようだ。

「刀が駄目だめなら、拙者せっしゃのマグナム左フックで死ぬでござる」

 バキッ!

 虎之助の強烈きょうれつな左フックが、士会鬼の顔面がんめん直撃ちょくげきしたが

かぬなぁ」

 士会鬼は平然へいぜんとしている。

「あわわっ。このジジイ、ものでござる」

 虎之助はおびえて、後方へと下がって行く。

「僕がるッス!らえっ!二天一流にてんいちりゅう脳天唐竹割のうてんからたけわり』」

 今度は、武蔵が二刀流で、士会鬼しかいき頭部とうぶ攻撃こうげきした。

パリーン

 だが、士会鬼を傷付きずつけることは出来ず、武蔵の刀が2本ともれてしまった。

「そんなヤワな刀では、ワシは切れぬわ。おや、お前も見たことがある顔じゃな」

 士会鬼は、武蔵の顔を見つめた。

「この男は、彼女が7人も異常者いじょうしゃでござる」

 虎之助が、武蔵の女性関係を説明せつめいをする。

「そんなにるのか。それで、おじょうちゃんは、何番目の彼女なんじゃ?」

拙者せっしゃは、ビリで7番目のビリギャルでござる」

 虎之助は、適当てきとうに言った。

「君は何でもビリじゃな。って、本当はDSPの武蔵と、その仲間じゃろ」

 元京都DSPの武蔵は、士会鬼しかいきに顔を知られていた。

「武蔵の正体を知ったからには、生かしておけないでござる。死んでもらうでござる」

 虎之助はふたたび刀をかまえた。

「いや、別に、僕の正体は知られても良いんスけど」

 戸惑とまどっている武蔵をよそに、虎之助は士会鬼しかいきりかかる。

「何度もやっても同じじゃ、おろかか者め」

 士会鬼が両手を組んでいんむすぶと、ドス黒い妖気ようきあたりをつつんで行きDSPのメンバーを、やみ結界けっかいへ閉じ込めてしまった。

「たわいもない雑魚ざこどもじゃな」

 DSPのメンバーを全員、結界けっかいに閉じ込めた事を確認した士会鬼しかいきが、家に戻ろうとした時

ズバッ!

 後ろから何者かにりかかれ、右腕みぎうでを切り落とされた。

「うぐっ、誰じゃ」

 振り向くと虎之助であった。

貴様きさま結界けっかいめたはず。どうやって出てこれた」

やみ結界けっかいなど、簡単に出れるでござる」

「なるほど、お前も闇の住人というわけか」

ちがうでござる。拙者せっしゃはビリで不良だけど、光の戦士を目指めざしているビリギャルでござる」

「言ってる意味は全然わからんが、不意打ふいうちとはいえ、ワシのうでを切り落とすとは。貴様きさま、ただ者では無いな」

ーーこのワシの身体からだを傷つける者など、この数百年間は居なかった。この娘は、いったい何者じゃーー

「この刀が特殊とくしゅなのでござる」

 虎之助は刀を見せて

拙者せっしゃの刀は、神戸こうべ製鉄所せいてつしょがNASAと共同で開発した最新の超合金でつくられているので、この世にれない物は無いでござる」

 と説明した。

近頃ちかごろは、そんな物があるのか?」

 さすがの士会鬼も、そんな刀が有ることは知らなかったようで、おどろいている。

うそでござる」

 しかし、うそであった。

「とりあえず、お前は死ぬでござる」

 今度は、士会鬼の頭部をねらってりかかる虎之助。

「死ぬのは、お前じゃ」

 士会鬼は、すぐさま切られた右腕みぎうでを再生すると、虎之助に向けて暗黒闘気あんこくとうきはなつ。

ズバッ!

 しかし、暗黒闘気あんこくとうきは虎之助に効果こうかがなく、士会鬼は頭部とうぶを半分切り落とされた。

「ぐっ、何故なぜじゃ。なぜお前は暗黒闘気がかないんじゃ」

拙者せっしゃは光の戦士でござるが、暗黒パワーも使いこなせる暗黒魔人あんこくまじんでござる」

「そんな、光の戦士がるか!」

 と、突っ込みながらも、士会鬼の頭部は再生されて来ている。

「実は、居るのでござる。今からおぬしに、本物の暗黒パワーを見せてやるでござる」

 そう言うと、虎之助は呪文じゅもんとなえだした。

 すると何も無かった空間から、ヒッポイト星人があらわれた。

「ヒッポイト星人、このジジイを殺すでござる」

 虎之助がヒッポイト星人に指示しじを出す。

 しかし

「私たちヒッポイト星人は紳士しんしなので、人殺しのような野蛮やばんなことはしません」

 キッパリとことわられた。

 ヒッポイト星人は、意外にも紳士であった。

「では、半殺しでも良いでござる」

 虎之助は少し妥協だきょうした。

「それでも野蛮やばんですね。我々は高度な文明を持つ紳士なのです、アナタのような原始的な未開人みかいじんでは無いのですよ」

「じゃ、このジジイをブンなぐって欲しいでござる」

 虎之助は、大幅に妥協だきょうしてたのんだ。

「しつこいですね。私は、君らのような虫ケラとは身分みぶんちがうのです。そんなゲスで下品な行為こういをする訳ないでしょう、いくらバカな下等生物でもバカな事を言ったら駄目だめですよ」

 ヒッポイト星人は、完全に虎之助を見下みくだしている。

ムカッ!

 バカと言われて虎之助が怒りだし

「ムカつくから、先にお前を殺すでござる」

 と、ヒッポイト星人の首をめた。

「ぐわ、苦しい!言いぎた、ゆるしてくれ」

 虎之助に、殺されかけるヒッポイト星人。

命乞いのちごいは聞かないでござる。このまま死ね!」

 さらにキツくめ上げる虎之助。

「死ぬ〜」

 死にそうになっているヒッポイト星人。

 そんな様子ようすを見せられながら

ーーこれの何処どこが、本物の暗黒パワーなんじゃーー

 と、思う士会鬼しかいきであった。

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