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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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2人の魔人VS西王母

千代ちよ!お前も転生したのでござるか?」 

 虎之助とらのすけは、目の前に、自分にそっくりな女性が現れたため、妹の千代ちよだと思い込んでいる。

「この人は、お前にそっくりだが別人である。西王母せいおうぼという方だ」

 加藤が虎之助に説明する。

「そうです。白鬼はっきが数百年に渡り唐沢家に特殊とくしゅ血統けっとうじり合わせて誕生たんじょうした忍術の天才である唐沢虎之助からさわとらのすけに、妹の千代ちよの姿で転生させて暗黒の力をあたえたのがアナタなのです。白鬼はっきは私にやみ西王母せいおうぼを造りあげたのです」

 西王母が虎之助の転生について、衝撃的しょうげきてきな事実をかたった。

「なんだ、千代ちよじゃ無いのでござるか」

 しかし、妹では無いと分かると、急に興味きょうみが無くなったようで、虎之助はポリポリとお菓子かしを食べ始めた。

「ちょっと、自分の正体を聞いて何とも思わないの?」

 おどろいてたずねる西王母。

「そんな事は、どうでも良いでござる」

 虎之助は美味うましそうに、お菓子かしを食べ続けている。

「そのお菓子かし、私にも食べさせなさい」

 あんまり美味おいしそうに食べるので、西王母も少し食べたくなった。

「嫌でござる」

 きっぱりと断る虎之助。

「アンタは私の偽物にせものなんだかから、少しぐらい、くれても良いでしょ!」

 西王母がキレ出した。

「まあまあ、西王母様、落ちついて下さい。お菓子かしぐらい後で買って来ますから」

 あわてて加藤が、なだめに入る。

「じゃ、ルマンドとアルフォートは買ってよね」

「そのぐらいは買ってあげますけど。西王母せいおうぼ様は、どうしてココへ?われらの加勢かせいに来てくれたのですか?」

 加藤がたずねた。

「あっそーだ、忘れてた。2人のヤバい魔人が居たんだった」

 西王母は、大事なことを思い出した。

「2人の魔人って、鬼神の羅刹らせつ燕鬼えんきの事ですか」

「違うわよ、鬼神なんてどうでも良いのよ。コールド猫座右衛門ねこざえもんとフレイムぶたすけよ」

「えっ。でも、その2人は今、鬼神と戦ってくれてるんですが」

「そんなの関係ないわ。あの2人をほうっておくと、人類が滅亡めつぼうするのよ」

「ええっ!そんなにヤバいやつらだったのですか」

 おどろいている加藤をよそに、西王母はスタスタと歩いて行き

「ちょっとアンタ」

 と、コールド猫座右衛門ねこざえもんに声をかける。

「なんだニャ」

「今すぐに、お家に帰りなさい」

「今はいそがしいから駄目だめだニャ」

 コールド猫座右衛門は、くつろいでビールを飲んでいる。

「ちょっと、おじょうちゃん!コールド猫座右衛門を帰したら困るッスよ」

 近くにいた武蔵むさしが、西王母を止めに入った。

「いや、武蔵。この方は虎之助じゃなくて西王母せいおうぼというえら御方おかたなんだ」

 加藤は、今までの経緯けいいを武蔵に説明した。

 話を聞きえると武蔵は

事情じじょうは分かったッスが、コールド猫座右衛門ねこざえもんとフレイムぶたすけが居なくなると、こっちは、僕とおじょうちゃんと加藤さんだけになって、鬼神と3対2で戦う事になるッスよ」

 と、もっともな事を言った。

「じゃ、1人こっちが多くて良いじゃない。コールド猫座右衛門ねこざえもんには帰ってもらうわ」

 しかし、西王母は聞き入れない。

「良くないッスよ、絶対に勝てないッス」

がまま言うな。西王母チョップ!」

 西王母が、武蔵の脳天のうてんにチョップをり出した。

ガシッ

 しかし、コールド猫座右衛門ねこざえもんが西王母の手をつかんで止める。

「やめるニャ、武蔵はビールを買ってくれた友達だニャ」

「むっ、私のチョップを止めるとは、さすがに恐怖の大王ことコールド猫座右衛門ねこざえもんね」

「まあまあ、仲間同士なかまどうしでのあらそい事は良くないニャ。心配しなくても、ビールも飲んだ事だし、もう帰るニャ」

 コールド猫座右衛門ねこざえもんは、意外に大人の対応を見せて、素直に帰ろうとしている。

「待てい!俺との決着けっちゃくがついてないぞ」

 だが、今まで戦っていた燕鬼えんき納得なっとくしていない。

「じゃ、君も一緒いっしょに僕の家に連れて帰るニャ」

 コールド猫座右衛門ねこざえもん燕鬼えんきうでつかむと、空に飛び上がった。

「わっ、ちょっと待て。お前の家ってどこだ?」

 連れ去られそうになり、燕鬼えんきあせって聞いた。

「僕の家は太陽にあるニャ」

「太陽って、やめろバカ!焼け死ぬじゃないか」

「大丈夫だニャ、僕の家は比較的ひかくてきすずしい場所にあるから平均気温は7000度しかないニャ」

 コールド猫座右衛門ねこざえもん燕鬼えんきつかんだまま、太陽に向かって飛んで行く。

「7000度だと!イヤだ。助けてくれ〜」

 燕鬼えんきの叫び声がとおのいて行った。


「帰って行ったわね」

 西王母は、帰って行くコールド猫座右衛門ねこざえもん見届みとどけると、今度はフレイムぶたすけ

「アナタも早く家に帰りなさい」

 と、命令口調で言った。

「でも、まだ敵を倒してないですよ」

 フレイムぶたすけは、羅刹らせつと激しい戦いの真っ最中さいちゅうである。急に、会ったことも無いむすめに帰れと言われて、困った顔をしている

「どうしても戦いたいなら、この鬼を自分の家に連れて帰って、続きをしなさいよ」

「ダメです。僕の家には高価なフィギュアが、たくさん有るので、他人は入れないようにしてるんです」

 フレイムぶたすけは、けっして自分の家に他人を入れない主義しゅぎであった。

「お前は、オタクか!」

 キレかけている西王母。

「オタクじゃありません、フィギュアマニアです」

「それはオタクと、どう違うの?」

「全然、違いますよ。僕は美少女のフィギュアを、異常なぐらい愛するマニアなんです。ただのオタクと一緒にしないで下さい」

「よけい気持ち悪いわ!サッサと帰れ、この豚男ぶたおとこ

ボコッ!

 西王母のミドルキックが、フレイムぶたすけ腹部ふくぶにヒットした。

「痛いなぁ、暴力はめて下さいよ。分かりました、もう帰りますよ」

 フレイムぶたすけは、られたおなかさすりながら、しぶしぶ帰って行くのであった。

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