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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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虎之助VS山椒鬼

 武蔵むさしと小太郎が戦いの場にもどってみると、コールド猫座右衛門ねこざえもんが、あいかわらず燕鬼えんきから激しい攻撃こうげきを受けていた。

「フギャー」

 コールド猫座右衛門ねこざえもんさけび声が聞こえる。

大丈夫だいじょうぶッスか?言われた通り、ビールを買って来たッスよ」

 武蔵が、ふらふらのコールド猫座右衛門ねこざえもんにビールを渡すと

「おおっ、これこれニャ」

 うれしそうに、ビールを飲み始める。

「じゃ、武蔵。ここはまかしたで。俺は姉さんの加勢かせいをして来るわ」

 と言い、小太郎は虎之助とらのすけの方へけていった。

グビグビ

あせをかいた後のビールは最高だニャ」

 美味うまそうにビールを飲むコールド猫座右衛門ねこざえもん

「おい。ちょっとそいつ、おかしいぞ。俺の攻撃がまったいてないじゃないか」

 さすがに燕鬼えんき不審ふしんがっている。

「確かに、おかしいッスね。アンタいったい何者なんスか。ただの魔人じゃ無いッスね?」

 武蔵も疑問ぎもんに思ってたずねてみた。

「僕は普通の猫人ねこびとだニャ。グビグビ」

 コールド猫座右衛門ねこざえもんは、平然へいぜんとビールを飲み続けている。



「姉さん、戻って来たで」

 小太郎が、山椒鬼さんしょうきとの戦いの場にもどってみると、虎之助は道路に寝そべってお菓子かしを食べていた。

「姉さん。俺が、あのバカ鬼を倒して来ますわ」

頑張がんばれでござる」

 お菓子かしを食べ続けている虎之助に、一声かけると、小太郎は全速力で山椒鬼さんしょうきに向かって行く。

「おい、やむくもにんで行くと危ないぞ」

 心配して加藤が止めるが

「大丈夫や。俺には必殺の武器があるんや」

 呪文じゅもんとなえると、小太郎の手にかがやく剣が現れた。

「この、どんな物質でも切りくオリハルコン剣で、オノレをブッタってやるわ」

 小太郎は、全力で山椒鬼さんしょうきりつけた。

「なんだ、うっとおしい」

パシ

 ウザそうに山椒鬼さんしょうきは、軽く小太郎をはたく。

「るへ〜」

 小太郎は吹っ飛ばされて、ものすごいスピードで虎之助に向かって飛んで行った。

「うわっ!危ないでござる」

 間一髪かんいっぱつける虎之助。

ズブブブッ

 小太郎は、そのまま地面に激突げきとつし、地中深くまで突っ込んで行く。

「わわっ、大丈夫でござるか?」

 虎之助はおそおそる、地面に開いた穴に向かって声をかけてみた。

「大丈夫じゃ、ありまへん〜、俺はもう駄目だめです〜。なんか赤いマグマのような物が見えてきました〜。姉さん、かたきをとってくんなはれ〜」

 地中から、なんとか返事が返って来たが、どうやらマントルの近くまで突っ込んでいるようだ。

承知しょうちしたでござる、鬼神をブチ殺すでござる」

 虎之助は立ち上がると、山椒鬼さんしょうきに向かう。

「おっ、虎之助。やっと、やる気になったか」

 加藤は、山椒鬼さんしょうき対峙たいじしている。

「小太郎のかたきでござる。バカ鬼神をきざんで殺すでござる」

 虎之助は右手に刀を持ち、山椒鬼さんしょうきに飛びかかった。

「ふん、先ほどの小娘か。返りちにしてくてれるわ」

 山椒鬼さんしょうき迎撃体制げいげきたいせいをとる。

らえ、暗黒闘気あんこくとうき

 虎之助の左手から大量の暗黒闘気あんこくとうき放出ほうしゅつされて、山椒鬼さんしょうきつつんで行く。

「えっ、刀で攻撃するんじゃ無いんかい!それに暗黒闘気あんこくとうきって、お前は魔物か!」

 加藤が突っ込む。

間違まちがえた。神気でござった」

 と、虎之助が訂正ていせいするが

「どんな間違まちがかただ。あれは、どう見ても暗黒闘気だろ」

 キッパリと加藤に否定されてしまった。

拙者せっしゃの神気は、たまに黒くなるのでござる」

「そんな神気は、ねえよ」

「あるでござる!」

「無いね」

 虎之助と加藤が言い合いしていると

「お前ら、いい加減かげんにしろ!」

 暗黒闘気あんこくとうきで異常に黒く変色した山椒鬼さんしょうき怒鳴どなられた。

「うわっ。真っ黒でござる」

 山椒鬼さんしょうきの姿を見て、おどろく虎之助。

「お前が、やったんだろ!」

 怒りながら山椒鬼さんしょうきは、手刀しゅとうで虎之助を攻撃する。

「そんなおそい手刀では、拙者せっしゃを倒せないでござる」

 暗黒闘気あんこくとうき影響えいきょうで、山椒鬼さんしょうきの動きがにぶい。

 サッと山椒鬼さんしょうきの手刀をけると、虎之助はふたたび大量の暗黒闘気あんこくとうきはなつ。

「ぐわっ!」

 暗黒闘気あんこくとうきび過ぎた山椒鬼さんしょうき身体からだに、異変いへんが起こった。

 漆黒しっこくに変化した山椒鬼さんしょうきは、うずくまって動かなくなってしまった。

「おい、なんだか様子ようすがおかしいぞ」

 加藤は、用心ようじんしながら山椒鬼さんしょうきに近づいて行く。

拙者せっしゃのせいじゃ無いでござる」

 なぜか責任のがれをする虎之助。

「いや、どう考えても、お前のせいだろ」

 指でつついても、山椒鬼さんしょうきはピクリともしない。

拙者せっしゃは知らないでござる、おぬし顔面がんめん直視ちょくししたから恐怖きょうふで石になったのでござる」

ひとをメドゥーサみたいに言うな!」

 2人が責任せきにんを押し付けあっていると

パカッ!

 と山椒鬼さんしょうき背中せなかが割れて、中から羽が生えた黒い人型の生物が出て来た。

「何か出て来たな」

「出て来たでござるな」

「悪魔みたいに見えるな」

「悪魔でござるな」

バサッ

 その悪魔がコウモリのようはねを広げて、飛び立たうとした時。

パシッ

 突然とつぜん、現れた西王母せいおうぼが飛びかかってつかまえた。

「これは邪気じゃき暗黒闘気あんこくとうきを大量に吸収きゅうしゅうして悪魔化した者よ。放っておくと人間に乗り移って邪悪じゃあくな悪魔になるから、とても危険なのよ」

 と言いながら、西王母せいおうぼは持っていた小さなつぼ器用きように悪魔をめ込んだ。

「あっ、あなたは西王母せいおうぼ様」

 加藤は西王母と面識めんしきがあるが、虎之助は、急に自分とそっくりな者が現れたので、ひっくり返っておどろいている。

「あわわっ、千代ちよが現れたでござる!」

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