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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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燕鬼VSコールド猫座右衛門

 自分の身体からだに付いた油をめ終わると

「ちょっと、ウザさが過ぎるんで、やつをブッ殺すことにしたニャ」

 と、コールド猫座右衛門ねこざえもんは、ゆっくりと、とにかくウザい秋山あきやまそばまで歩いて行った。

「なんだ、やる気か?このネコ野郎やろうなのだ」

 油を流しながら、ファイティングポーズをとる、とにかくウザい秋山。

「死ぬのだニャ」

 コールド猫座右衛門ねこざえもんは両手から大量のほのおを出して、とにかくウザい秋山を燃やし始めた。

「暑いのだ」

 油に火がついて、いきおいよく燃える、とにかくウザい秋山。

「ついでに、あの鬼神も燃やすニャ」

 燃えたぎる、とにかくウザい秋山を、燕鬼えんきに向けて投げつけた。

「熱いなぁ、ムッチャするなよ猫人」

 飛んで来た、とにかくウザい秋山をキャッチすると、燕鬼えんき呪文じゅもんとなえて召喚術しょうかんじゅつ解除かいじょした。

 すると

「暑いのだー」

 と、言いながら、とにかくウザい秋山は魔人界へと消えた。

「今度は、俺が相手をしてやる」

 燕鬼えんきが近づいて来る。

ポキポキ

 首の骨をらしながら、コールド猫座右衛門ねこざえもん燕鬼えんきに向かって行く。

「僕に勝てる者は、この世に居ないんだニャ」

 両者共りょうしゃともに、負ける事などは微塵みじんにも考えていない。

「鬼神の力を思い知れ!」

 燕鬼えんき右腕みぎうでかみなりのような電流が走ると、そのままなぐりかかった。

バキッ!バリバリ!

 鬼神のパワーとすさまじい電流が合わさった、必殺の右ストレートがコールド猫座右衛門ねこざえもん顔面がんめんにクリーンヒットする。

「フギャ!」

 かろうじて立っているが、コールド猫座右衛門ねこざえもん瀕死ひんし状態じょうたいである。

大丈夫だいじょうぶっスか?」

 今度ばかりは、さすがに心配する武蔵むさし

「大丈夫じゃ無いニャ!もう駄目だめニャ」

 ふらふらのコールド猫座右衛門ねこざえもん

「ほう。まだ立っていられるとは、たいしたやつだ。だが、これはどうかな」

 今度は燕鬼えんき両腕りょううでに電流が走り、華麗かれいなフットワークでコールド猫座右衛門ねこざえもんを、めった打ちにし始めた。

バキッ!バリバリ!バキッ!ビリビリ!バキッ!バリバリ!

 はげしいパンチのラッシュである。

 コールド猫座右衛門ねこざえもんはサンドバッグ状態であった。 

「フギャ!」

「まだ、まだだ」

 バキッ!バリバリ!

 燕鬼えんき攻撃こうげきは、まだ続く。

「フギャ!」

 10分ほどすると、さすがに燕鬼えんきの手が止まり

「ちょっと、やり過ぎたか。コイツは、もうすでに息絶いきたえている」

 全力でのラッシュ攻撃で、燕鬼えんきにもつかれが出て来ている。

大丈夫だいじょうぶっスか」

 武蔵がる。

ーーさすがに、あの攻撃で生きている者はいないッスーー

大丈夫だいじょうぶじゃ無いニャ!もう駄目だめニャ」

 しかし、コールド猫座右衛門ねこざえもんは普通に生きていた。

「しっ、信じられん。なぜ、お前は死なないんだ!」

 武蔵よりも燕鬼えんきの方がおどろいている。

「もう、死ぬニャ」

 コールド猫座右衛門ねこざえもんは、ポケットからアイコスを取り出すと、美味うまそうに吸い始めた。

スパー

「いやぁ、ほんまに死ぬかと思ったニャ。兄ちゃん悪いが、ビール買って来て」

 と、武蔵に千円札せんえんさつを渡そうとした。

「いや、そんなの飲んでる場合じゃ無いッス。あんた大丈夫なんスか?」

「だから、大丈夫じゃ無いニャ」

 と言いながらも、コールド猫座右衛門ねこざえもんはアイコスを吸いながら、くつろいでいる。

「なんか大丈夫だいじょうぶそうに見えるッス」

「しつこいニャ、大丈夫じゃ無いって言ってるニャ!早くビールを買って来るニャ!」

 コールド猫座右衛門ねこざえもんが怒り出した。

「わかったッスよ、買って来るッス」

 しぶしぶ武蔵は、近くのコンビニへと向かう。

 その様子ようすを見ていた燕鬼えんきは、またもや頭をかかえてなやんでいる。

ーーなぜやつは死なないんだ。不死身なのかぁーー



 加藤が山椒鬼さんしょうき死闘しとうを続けているなか、ポピノヒーは、まだピッチング対決で負けたショックを引きずっていた。

「ハァ、まさか拙者せっしゃが負けるとは」

 自販機じはんきで買ったかんコーヒー飲みながら、ため息をついている。

「おい、虎之助とらのすけ。コーヒーなんか飲んでないで加勢かせいしてくれよ」

 やはり、一人で鬼神を相手にするのは、キツそうである。

「しょうがないでござるね」

 ポピノヒーはやる気なさそうに、コーヒーのかん山椒鬼さんしょうきに投げつけた。

ポコ

 頭部に命中したが、当然ダメージは無い。

「おい、もっと真面目まじめに戦えよ」

 加藤は、イラついている。

「はいはい、真面目まじめにするでござるよ」

 しぶしぶ手裏剣しゅりけんを投げるポピノヒー。

ポトッ

 しかし、山椒鬼さんしょうきまでとどかず地面に落下した。

「何やってんだよ」

 あきれる加藤。

「うるさいでござるな。もう、本気出すでござる」

 ポピノヒーは呪文じゅもんとなえ出した。

 すると、ポピノヒーの衣装いしょうが変化して行き、ジャンバーに短パン、スニーカーといった普段ふだん虎之助とらのすけの姿に戻った。

「おい。それって、いつものお前じゃないか」

「そうでござるが、何か?」

 返事をしながら虎之助は、バッグに入っていたお菓子かしを食べている。

「全然、本気出してねえじゃん!」

 加藤が怒り出した。

「あとで出すでござる」

 虎之助はルマンドを食べながら、ウザそうに答える。

ーームカつくけど、ちょっと美味うまそうだなーー

「ちょっと、そのルマンド俺にもくれよ」

いやでござる」

 という具合ぐあいに、鬼神と戦闘中せんとうちゅうでありながら、DSPの士気しきいちじるしく低下しているのでった。

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