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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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3人の鬼神

本山もとやまはんのかたきは、俺がとる!」

 立ち上がった小太郎は、呪文じゅもんとなえだした。

 すると、全裸ぜんらであった身体からだに和風のよろいがまとわれ、右手には日本刀が現れた。

「『完全武装かんぜんぶそうじゅつ攻撃こうげき力と防御ぼうぎょ力を最強レベルにする必至ひっしの術や、今の俺は無敵やで」

 小太郎は絶対的ぜったいてきな自信を持って、山椒鬼さんしょうきんで行った。

「なんだ、このアホそうな雑魚ざこは」

 山椒鬼さんしょうきは、小太郎を軽くはたく。

パチン

「るへ〜」

 いきおいよく、小太郎はっ飛んで行った。

「おのれ、よくも小太郎を」

 加藤が山椒鬼さんしょうきりかかる。

ガキッ

 しかし、刀の方がれてしまった。

「刀など、俺には通用しないぞ」

 山椒鬼さんしょうき手刀しゅとうが加藤をおそう。

ガシッ

 その手刀をケヴィンが受け止めた。

「お前は俺が殺す」

 怒りにちた目で、ケヴィンは山椒鬼をにらみつけた。


 ケヴィンと加藤が山椒鬼と戦っている間に、武蔵むさし燕鬼えんき死闘しとうり広げていた。

「この武蔵をめてもらってはこまるッスよ」

 武蔵の二刀流が燕鬼えんきの首をねらうが

ガキッ

 はがねのようにかたい燕鬼のうででガードされてしまった。

ーーさすがに鬼神を相手に、一人ではキツいッスね。おじょうちゃんは何やってんスカーー

 武蔵が、虎之助とらのすけが変身したポピノヒーの姿を探すと

「おばあちゃんの口は、どうしてそんなに大きいの?」

「それはね。お前を食べるためだぁ」

 ポピノヒーは金色夜叉こんじきやしゃが、思いのほか不評ふひょうであったので、もっとポピュラーな『赤ずきんちゃん』の一人芝居ひとりしばいを始めていた。


「おじょうちゃん!加勢かせいしてしいッス」

 大きな声で武蔵がたのんだ。

「ハッ!」

ーーまた誰も見てないでござるーー

 ポピノヒーは、やっと自分の芝居しばいを誰も見ていない事に気がついた。

「こうなったら、あの鬼神を半殺しにして、拙者せっしゃ芝居しばい強制的きょうせいてきに見せるでござる」

 と、気持ちを切り替えて山椒鬼さんしょうきに向かって走り出した。


「おじょうちゃん。そっちじゃなくて、こっちッス」

 武蔵は、燕鬼えんきでは無く山椒鬼さんしょうきに向かって行くポピノヒーを呼び止めるが

「あの鬼神に、芝居しばいを見せるでござる」

 かまわず、ポピノヒーは山椒鬼さんしょうきに向かって行く。

「そっちじゃなくて、こっちを援護えんごしてくれッス!」

 武蔵がさけぶ。

仕方しかたないでござるね」

 ポピノヒーは呪文じゅもんとなえて、新たな魔人を召喚しょうかんすると、武蔵の援護えんごに向かわせた。



加勢かせいに来たニャ。あの鬼を倒せば良いのかニャ」

 ポピノヒーに召喚しょうかんされた魔神が武蔵のもとにやって来た。

「来てくれて助かるけど、あんたは何の魔人なんスカ?」

「僕は元々、ほのおの魔人だったけど、フレイムぶたすけに代わってくれとたのまれて、氷の魔人になった『コールド猫座右衛門ねこざえもん』ですニャ」

「そういえば猫みたいな顔してるッスね。氷の魔人なら冷気で鬼神をやっつけてしいッス」

「わかったニャ」

 コールド猫座右衛門ねこざえもんは、両手をき出し冷気を出そうとしたが

「やっぱり冷気は出ないニャ」

 冷気は出なかった。

「出ないじゃん」

 武蔵は不満げである。

「でもほのおなら、いくらでもだせるニャ」

 コールド猫座右衛門ねこざえもんの両手から、恐ろしいほどの炎が放出されて燕鬼えんきつつみこんだ。

「暑い!こりゃたまらん」

 鬼神である燕鬼えんきも、さすがにダメージがあるようだ。

「お前ら、ゆるさんぞ!」

 怒った燕鬼の身体からだに無数の電流が走り、武蔵とコールド猫座右衛門ねこざえもんかみなりのような電撃でんげき攻撃こうげきして来た。

バリバリバリ

「フギャー」

 武蔵は、かろうじてけたが、コールド猫座右衛門ねこざえもんは電撃をまともに受けてしまった。

大丈夫だいじょうぶっすか?」

「ダメだニャ、もう死ぬニャ」

 かなりのダメージがるようだ。

「とどめだ!」

バリバリバリ

 またしても、燕鬼えんき電撃でんげきがコールド猫座右衛門ねこざえもん直撃ちょくげきした。

「フギャー」

「大丈夫っすか?」

「ダメだニャ、もう死ぬニャ」

 コールド猫座右衛門ねこざえもんは、ふらつきながら、やっと立っている状態じょうたいである。

「俺の電撃を2回も受けて、まだ立っているとはタフなヤツだ。だが、これで終わりだ」

バリバリバリ

「フギャー」

 コールド猫座右衛門ねこざえもんは、3度目の電撃を受けてしまった。

大丈夫だいじょうぶっすか?」

 心配する武蔵。

「もうダメだニャ、死んでしまうニャ」

 と言いながらも、なんとか立っているコールド猫座右衛門ねこざえもん

「なんだコイツは。俺の電撃でんげきを3度も受けて立っているとは、ほんとに人間か?いや、あの猫みたいな顔は人間じゃ無いな、たぶん猫人ねこじんだ」

ーーこうなったら最大出力で、跡形あとかたも無く消し去ってやるーー

 燕鬼はフルパワーで電撃をはなつ。

バリバリバリ

「フギャー」

 けようともせず、またもや直撃ちょくげきするコールド猫座右衛門ねこざえもん

「どうせ、大丈夫だいじょうぶッスよね?」

 いい加減かげんに、心配するのにきて来た武蔵。

「大丈夫なわけないニャ!」

 と言いつつ、コールド猫座右衛門ねこざえもんは、ポケットからアイコスを取り出して、平然へいぜんと吸い始めた。

何故なぜだぁー!なぜコイツは死なないんだぁー!」

 いくら攻撃こうげきしてもコールド猫座右衛門ねこざえもん平気へいきなので、頭をかかえ出す燕鬼えんき

スパー

 リラックスした表情でアイコスを吸いながら

「悪いが兄ちゃん、コーヒー買って来てニャ」

 と、コールド猫座右衛門ねこざえもんは、100円玉を武蔵に渡そうとしたが

「今は鬼神と戦闘中で、コーヒーなんか買いに行ってる場合じゃないッス」

 当然とうぜんことわられてしまった。

「じゃ、肉まん買って来てニャ」

いやっス」

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