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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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羅刹との戦い part3

 虎之助とらのすけ小太郎こたろう仲直なかなおりさせる事に失敗した加藤であったが

ーーこうなったら、とっておきの幻術げんじゅつを使ってやるーー

 と、めげずにさらに強力な幻術を使うことにした。

 呪文じゅもんとなえ『大恋愛の術』を2人に向かってはなつ。

 すると、今まで殺し合いをしていた虎之助と小太郎の動きが止まった。

ーーなんや急に姉さんがセクシー美女に見えて来たでーー

 小太郎は戸惑とまどっている。

ーー小太郎が、急に阪神タイガース時代の新庄しんじょうなみのイケメンに見えて来たでござるーー

 虎之助も戸惑とまどい出した。

「ワシのとっておきの幻術だ、今回は大丈夫だろう」

 加藤は安堵あんどして、武蔵むさしとボルデ本山もとやま奮闘ふんとうしている羅刹らせつとの戦いに戻ろうとした。

ーーいや、なにかが変でござる。あの間抜まぬけズラの小太郎がイケメンに見えるハズがない。これは幻術でござるなーー

 虎之助は、自分が幻術にかけられている事に気がついた。

 あたりを見回してみると、武蔵とボルデ本山もとやまが必死に羅刹らせつと戦っている。

 そこへ向かって、加藤が走って行くのがみえた。

 虎之助は素早すばやく加藤の後方へ走って行き

ポカッ!

 と、後頭部こうとうぶなぐりつけた。

「痛っ」

 頭を押さえる加藤。

「お前か!さっきから、拙者せっしゃたちにみょうな術をかけていたのは」

 虎之助は怒っている。

「しょうがないだろ。お前ら羅刹との戦闘せんとうくわわらないで、仲間同士で勝手に殺し合いをしてるんだから」

 バレてしまっては仕方がない。加藤は、もっともな言いわけをした。

「言い訳は聞かないでござる。とりあえず、おぬしを殺すでござる」

 殺意を込めて虎之助が、加藤にりかかる。

「うわっ、こいつホンマに言い訳を聞かない!」

 逃げる加藤。

「逃さんでござる」

 加藤を追いかけようとした虎之助であるが

ガシッ

「姉さん!俺と結婚けっこんしてくれや」

 と、いきなり後ろから、小太郎にきつかれた。

「うわっ!なんだぁ、やめるでござる」

 どうやら小太郎は、完全に加藤の幻術げんじゅつに、かかってしまっているようだ。

 小太郎は虎之助を押し倒すと

「姉さんと子供を9人作って、野球チームを作るんや!」

 血走ちばしった目で小太郎は、虎之助におそいかかった。

「やめろ小太郎。おぬしは、加藤の幻術にかけられているでござる」

 虎之助は、加藤の幻術のことを説明するが

「幻術とか、そんなんどうでも良いやないですか。とりあえず、姉さん、服脱ふくぬいで下さい」

 小太郎は気にせず、おそって来る。

「うわっ、コイツ、思ってたよりド助平すけべでござる」

 必死に小太郎をりほどくと、虎之助は逃げだした。

「姉さんと子供を作るんや」

 ものすごい勢いで小太郎が追いかけて来る。

「作って、たまるか〜」

 逃げる虎之助。



 ふたたび自宅に戻って服を着た邪妖精じゃようせいケヴィンは、急いで現場に戻って来た。

ーー一時いちじは、どうなる事かと思ったが、なんとか戻って来れたぞーー

 目の前には、巨大化して恐ろしい姿になった羅刹らせつがいる。

 だが、ケヴィンは微塵みじんにもおそれず

覚悟かくごしろ羅刹。貴様きさまは、このケヴィンが始末しまつする」

 と、勇敢ゆうかんに羅刹に向かって行く。

ーー命に変えても羅刹を倒し、ボルデ本山の旦那だんなに恩返しをするぞーー

 ケヴィンの闘志とうしは、凄まじく高まっていた。

 しかし

ドガッ!

「どけっ!邪魔じゃまでござる」

 いきなり後ろから虎之助にぶつかられて、吹っ飛ばされた。

 吹っ飛ばされた勢いで、またしても服がげて、ケヴィンは全裸ぜんらになってしまった。

 

 ケヴィンを吹っ飛ばしてまで小太郎から逃げていた虎之助であるが、羅刹の目の前に来てしまった。 

「デカくて恐ろしい鬼でござるな」

 羅刹の巨大な悪魔のような姿にビビった虎之助であるが、後ろからは血走ちばしった小太郎が追いかけて来る。

「小太郎に襲われるよりマシでござる」

 虎之助は、小太郎の相手をするより、羅刹と戦うことに決めてんで行った。

ーーあの鬼を倒すには、最強の変身をするしか無いでござるーー

 走りながら虎之助は呪文じゅもんとなえる

 すると虎之助の服装ふくそうが変化して行き『くノ一戦士いちせんしポピノヒー』へと変身した。

 元々、忍者であった虎之助は、自分の力が最大限に発揮はっきできる『くノいち』へと変身したのである。

 さらにポピノヒーは、攻撃の呪文じゅもんえる。

「忍法『南蛮漬なんばんずけ』」

 忍法『南蛮漬なんばんずけ』とは、てきひたしてやわらかくしてから、骨ごと食べるという荒業あらわざである。

 大量のが羅刹の頭上からそそぐと、ポピノヒーがうでいついた。

「オエッ、まっずーい」

 ひと口、食べてみたが、やはり羅刹は不味まずかった。

「おぬしは、不味まずすぎるでござる!日頃ひごろから食生活しょくせいかつには気をつけて、美味おいしく食べられるようにしておくでござる!」

 ポピノヒーは羅刹に苦情くじょううったえた。

「なんだと、この小娘が!わけのわからん事を言うな。お前こそ、丸焼まるやきにしてってやる」

 羅刹はポピノヒーに向けて、口から灼熱しゃくねつの炎をき出した。

「丸焼きにされてわれるのは、おぬしの方でござる」

 ポピノヒーも火遁かとんの術で業火ごうかを出し、羅刹を焼こうとする。

 おたがいの炎がぶつかり合い、あたりは熱気に包まれた。

 世にも恐ろしい、負けたほうがわれるという、羅刹らせつとポピノヒーの、丸焼きい合い対決が始まろうとしていた。

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