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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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白鬼の怒り

 ポセイドンは、三叉みつまたやり白鬼はっきの腹部をつらぬいた。

「死ね、クロノス」

 だが、したハズのやり手応てごたえが無い。

「ふっ、相変あいかわらずおろかな男だ」

 ニヤリと笑う白鬼。

「ポセイドン。やつは自分の身体からだの時空をゆがめているのよ、気を付けなさい」

 ヘスティアがポセイドンに注意する。

「ならば、時空ごとくだいてやる」

 こぶしに神力を込めて、ポセイドンは白鬼になぐりかかった。

ドゴッ!

 しかし、逆に白鬼になぐたおされてしまった。

「おのれ、俺が冥界めいかいに送ってやる」

 ハーデースが白鬼に向けて『冥界波めいかいは』をはなつ。

 すかさず、白鬼は倒れているポセイドンの首をつかむと、高速で向かって来る『冥界波』に投げつけた。

バチバチバチ

 はげしい音と共に冥界めいかいに落ちていくポセイドン。

「ヤバい、ポセイドンを冥界に送ってしまった」

ズブッ!

 あせるハーデースのひたいに、白鬼は漆黒しっこくの短刀を投げつけた。

バタッ

 ハーデースはたおむ。

「それは『死滅しめつの短剣』だ。神であろうと死はまぬがれん」

 低い声で白鬼がつぶやく。

 倒れているハーデースは、動かない。

「あれっ、2人とも秒速でられちゃった」

 こんなハズでは、といった顔をしているヘスティア。

「言ったハズだ、われ過去かこわれではないと」

 ゆっくりと、ヘスティアに近づいて来る白鬼。

調子ちょうしに乗るな、バカ鬼」

ズボッ!

 いつの間にか、背後はいごに居た玄武げんぶの刀が白鬼の腹部ふくぶを後ろからつらぬく。

 「油断ゆだんしたな白鬼。玄武げんぶは、調子にのった者を殺す事が大好きなのだ」

 加藤が、説明する。

「くっ」

玄武げんぶの前で調子に乗ったのがオノレの敗因はいいんよ。言った通り、今日がお前の命日だ」

 加藤は、ふところからきくの花を1輪取り出すと、パキッとった。

 と、同時に白鬼の首がボトリと落ちる。

「『菊斬首きくざんしゅ』のじゅつ。終わりだ白鬼」

 ブシュー

 勢いよく白鬼の胴体どうたいから血が吹き出す。

「てめえも調子にのるな」

 玄武げんぶそでから大量に飛ぶかめを出して、加藤をおそわせた。

「しまった、玄武げんぶの前で調子に乗ってしまった」

 あわてて逃げ出す加藤。

「お前ら、皆殺みなごろしだ」

 玄武げんぶは、亀を出し続けている。

「ちょっと待ってよ」

 亀をいやがって、ヘスティアも加藤に続いて逃げだした。


 加藤とヘスティアが屋敷やしきから出ると、庭に犬を連れた女性が立っていた。

「何をしているのですかアホの加藤。白鬼にトドメはしたのでしょうね?」

 女性は西王母せいおうぼであった。

「あれっ、西王母さん。アンタは貧血ひんけつで倒れてたのでは?」

 おどろく加藤とヘスティア。

「あのぐらいの出血は、どって事ないです。レッドブルを飲んだら、すぐになおりました」

 西王母は自慢じまんげに、レッドブルの空き缶を加藤に見せる。

「とりあえず、白鬼には重症じゅうしょうわせたのですが、式神の玄武げんぶが暴走したので退避たいひして来たのです」

 現状げんじょう報告ほうこくする加藤。

「自分の式神しきがみもコントロール出来ないとは、とんだヘボピッチャーですね」

「いや、ワシはピッチャーでは無いですよ」

「アナタみたいなポンコツ術者じゅつしゃが、玄武げんぶの様な高度な式神をあやつれるわけないでしょ」

「でも、相手が鬼神ですので、最強の式神を出さないと」

「言いわけは聞きません。私が白鬼にトドメをして来ます」

 と、西王母せいおうぼ屋敷やしきに入ろうとした時

「よくも、やってくれたな加藤」

 血まみれの白鬼が屋敷やしきから現れた。

 首は元通りに付いており、恐るべき回復力である。

「キャッ!ちょっと、ビックリするじゃない、いきなり血まみれで現れたら、柴咲しばざきコウが恐がるでしょう」

 西王母は、柴犬しばけん柴咲しばざきコウをかばいながら怒っている。

「お前は西王母。そうか、コイツらは、お前のしがねだったのか、みょうな組み合わせだと思っていたが」

 白鬼は、なぜヘスティア達が加藤と一緒いっしょにやって来たのかを理解した。

「そうよ、それが何か?」

 柴犬しばけんでながら返事をする西王母。

「お前ら皆殺みなごろしだ。生きては返さん!」

 白鬼はブチキレている。

「もとより、アホの加藤は生きて帰るつもりは無いわよ!」

 言い返す西王母。

「いや、ワシは一応いちおう、生きて帰るつもりなんですけど」

 西王母せいおうぼの言葉を訂正ていせいする加藤。

「何ぬるいこと言ってんのアホの加藤、アンタは死ぬ気でやりなさい!」

 何故なぜか加藤は西王母せいおうぼに怒られた。



 DPSの宿舎しゅくしゃでは、夜叉やしゃを倒した件を小太郎こたろう自慢じまんしていた。

「というで、俺の空手チョップが、鬼神の首の骨をブチったんや」

「なんか、初めに聞いた時と倒し方が変わってないか?」

 狂四郎きょうしろう疑問ぎもんに思ってたずねた。

間違まちがえた。俺のウエスタン・ラリアットでヘシったんやった」

 小太郎は、言い直した。

「それはプロレスわざだろ」

 む狂四郎。

「もう一人の鬼神も殺すでござる」

 その横で虎之助とらのすけが、きつねうどんを食べている。

 虎之助は白鬼も殺すつもりのようだ。

「おじょうちゃん。この前は、たまたま勝てたけど、鬼神の強さは半端はんぱじゃないスヨ」

 と、虎之助と一緒に、うどんを食べていた武蔵むさしは弱気であるが

一人殺ひとりやるのも、二人殺ふたりやるのも同じでござる」

 虎之助は、不敵ふてきみを浮かべた。

ーーこのお嬢ちゃん。台詞せりふが殺人犯みたいで、怖いッスーー

 日本一の剣豪けんごうである武蔵であるが、虎之助には少し引いてしまうのであった。

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