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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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夜叉との決着

 白鬼はっき屋敷やしき潜入せんにゅうした加藤は、警備けいびしていた2体の鬼武者おにむしゃを倒すと、白鬼はっき居場所いばしょを探していた。

やつめ、何処どこにいやがる」

 中に入ってみると、意外に広い屋敷やしきである。

 加藤が屋敷やしき内をうろついていると

カチッ

 機械音きかいおんが聞こえた

侵入者しんにゅうしゃ発見」

 と言いながら、チャッピー君タイプのアンドロイドが3体でおそいかかって来た。

ーーまた、警護けいごのロボットか。このタイプのアンドロイドは、京都で見たことがある。確か首を落としても死なない、厄介やっかいやつらだーー

仕方しかたない、雷電らいでんじゅつ

 加藤は虎之助とらのすけの『雷遁《らいとんn》の術』より高度で強力な『雷電らいでんじゅつ』を使った。

バリバリバリ!

 まるで本物のかみなりが落ちたような電撃でんげきで、3体のアンドロイドはけむりを出しながら火を吹いて倒れる。

ドサッ、ドサッ!

ーー敵の屋敷やしきで、大きな音を出してしまったな。しのびとしては失格だーー

 加藤が少し後悔こうかいしていると

 さっそく、誰かがやって来る気配けはいを感じた。

 すかさず加藤は屋根裏やねうらへと移動する。

「これは『雷電らいでんの術』であるな。侵入者しんにゅうしゃび加藤か」

 白鬼はっきの声である。

屋根裏やねうらなどにかくれていないで、出て来たらどうだ、加藤」

ーー白鬼にバレたか。仕方しかたない、どうせ殺す相手だーー

白鬼はっき、今日が貴様きさま命日めいにちになる」

 と、加藤は屋根裏やねうらから姿を現す。

相変あいかわらず、程知ほどしらずの男よ」

 白鬼は不敵ふてきみをかべた。



 夜叉やしゃと武蔵の死闘しとうは続いており、ボルデ本山もとやまが魔力で援護えんごしていたが、やはり圧倒的あっとうてき夜叉やしゃの力の前では劣勢れっせいいられていた。

「やはり首がないと不便ふべんや」

 夜叉は、そう言いながら新たな首をやし始めた。

「姉さん、あいつ首がえてきましたで」

 おどろいた小太郎が、メイド少女戦士マリリンに伝える。

「では、もう一枚、金のラッキーカードを取るでござる」

 マリリンは夜叉の首に向かって飛びかかった。

「そう何度も首をらせるか」

 夜叉もするどい手刀をマリリンに向けて振り下ろす。

ズバッ!

 おたがいの手刀が、ぶつかり合う。

「ニョへ〜」

 さすがに力負けして、マリリンは吹っ飛ばされてしまった。

「姉さん、大丈夫でっか!」

 小太郎がけ寄る。

「大丈夫じゃ無いでござる。あの鬼神、ものすご馬鹿力ばかぢからでござる」

 かなりダメージがあるようだ。

「それで、金のカードは取れたんでっか?」

「取れなかったので、次は銀のカードをねらうでござる」

「銀のカードって、何でんねん?」

「言い伝えでは、鬼神の心臓しんぞうにある銀のカードを、ウイスキー会社に送ると、缶コーヒーのロゴが入ったジャンバーがもらえるでござる」

「そりゃ是非ぜひとも欲しいでんな。はな、早く取って送りましょうや」

「そうでござるな」

 虎之助は立ち上がると、呪文じゅもんとなえた。

 すると、虎之助の手に漆黒しっこくの剣が現れた。

「この暗黒星雲あんこくせいうんつくられた暗黒魔剣あんこくまけんで、鬼神をブッ殺すでござる」

「いいけんでんなぁ。俺もやってみよ」

 小太郎も呪文じゅもんとなえた。

 すると、小太郎の手に白くかがやつるぎが現れた。

「この天界でつくられたせいなるつるぎで、鬼神をブチ殺しまっせ」

「では、行くでござる」

 2人は夜叉に向かって突撃とつげきする。

「死ねや、鬼神!」

「なんだ!光の騎士きしやみの戦士が同時におそって来よった」

 さすがの夜叉も、光と闇が同時に襲いかかって来るという初めての出来事できごと戸惑とまどい、とっさに両手で頭部と胸部をガードした。

ズバッズバッ!

 防御ぼうぎょする夜叉を、おかまいなしに小太郎と虎之助がブッタる。

ボトッ

 夜叉の両手がられて落ちた。

ーーいかん、早くうでを再生せねばーー

 急いで腕を修復しゅうふくする夜叉だが、武蔵は一瞬いっしゅんのスキを見逃さなかった。

二天一流にてんいちりゅう前方咆哮斬ぜんぽうほうこうぎり』」

ボゴッ!

 武蔵の必殺の剣が夜叉の胸部きょうぶに大穴を開けた。

「うグッ」

「暗黒剣法『暗黒一文字斬あんこくいちもんじぎり』」

ズバッ!

 虎之助の暗黒剣が、夜叉の頭部からたてに、真っ二つに斬り下ろす。

「天にされよ!」

スパッ!

 さらに、小太郎がせいなるつるぎで横からりつけた。

「うぐっ」

ドスン!

 ついに、夜叉は倒れた。

ーーこやつらをめていた。どうやら、ワシも死ぬ時が来たようや。後はたのんだで婿殿むこどのーー

 夜叉は鬼塚に向けて、鬼神のたましいを飛ばすと、絶命ぜつめいした。

「やったな、ついに鬼神を倒しおったな」

 ボルデ本山が、倒れそうになっている武蔵をささえながら言った。

「やったッスね」

 武蔵も鬼神を倒したのは初めてである。

「あったでござる、銀のカードでござる」

 夜叉の遺体いたいからカードを取り出して喜ぶ虎之助。

「良かったでんなぁ。あれ、姉さん。裏に、2枚で応募おうぼして下さいって書いてありまっせ。もう一枚、銀のカードがいりますわ」

 小太郎が銀のカードを手に取りながら説明する。

「ならば、もう一人、鬼神を殺すでござる」

 返り血をびて、血まみれになった虎之助はニヤリと笑った。


「あの2人は、さっきから何を言ってるんスカ?」

 不思議ふしぎそうに虎之助と小太郎を見る武蔵。

我輩わがはいたちから見た鬼神と、あの2人から見た鬼神は、別物べつものだったみたいであるな」

 と、ボルデ本山は意味深いみしんつぶやいた。

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