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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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夜叉VS妖怪尻ふき

 加藤たちが時空のひずみに入って行くと、えらく立派りっぱ日本庭園にほんていえんが見えた。

「こんな所に、白鬼はっきがあったのか」

 手入れが行き届いている美しい庭園の中に、和風の屋敷やしきがある。

「あれが白鬼の家だな」

 ハーデースやポセイドン・ヘスティアは気を入れ直す。

「よし、行くぞ」

 素早すばやく、加藤が屋敷やしきに向かって走り出した。

 すると、庭園から10人ほどの鬼武者おにむしゃが現れて、加藤を取りかこむ。

 加藤は跳躍ちょうやくして鬼武者たちを飛び越え、そのまま屋敷やしきに向かって走り続ける。

「俺たちも行くぞ」

 ポセイドンとハーデースは、鬼武者に向かって行った。



「くらえ!」

 妖怪尻ようかいしりふきは剣をかざして夜叉やしゃに突っ込んで行く。

ペシャ

 しかし、すぐに夜叉につぶされてしまった。

「姉さん、ヤバいですよ。あの変な妖怪ようかい瞬殺しゅんさつされましたで」

 普段ふだんは強気な小太郎が、弱気になっている。

「鬼神が正体を見せたのなら、拙者せっしゃも正体をあらわすどすえ」

「姉さん正体は、んな知ってまっせ」

 小太郎は、怪訝けげんそうな顔をしている。

「今から、誰も知らない拙者せっしゃに変身するどすえ」

 まめヤッコが呪文じゅもんとなえると、虎之助の衣装いしょうが変化して行き、メイド少女戦士マリリンへと変身した。

「このメイド姿で油断ゆだんさせて、毒入どくいりコーヒーを飲ますでござる」

 メイド少女戦士マリリンは、おぼんに毒入りアイスコーヒーを置いて、やる気まんまんである。

「いや、姉さん。その姿すがたは何度か見てるし、この状況じょうきょうで鬼神が油断ゆだんなんかしまへんで」

 小太郎はあきれながら注意した。

「えっ、そうなのでござるか」

「そうでっせ」

「じゃ、力ずくで飲ませるでござる」

 メイド戦士マリリンは、毒入どくいりコーヒーを持って夜叉に向かって行く。

貴様きさまは、このコーヒーを飲んで死ぬでござる!」

「そんな物、飲むか!バカ者」

 夜叉は口から破壊光線はかいこうせんを出して、マリリンを攻撃こうげきして来た。

 しかし、破壊光線はかいこうせんけながら、マリリンは夜叉に向かって走る。

「くそっ、すばしっこいやつめ」

 破壊光線はかいこうせんを止めて、夜叉は金棒でなぐりかかって来た。

「行くでござる」

 マリリンは高く飛び上がって、手刀しゅとうで夜叉の首をねらう。

「させるか、小娘!」

 夜叉の金棒がマリリンをとらえた。

ズバッ!

 マリリンは手刀しゅとうを振り切った。

「ばっ馬鹿バカな」

ボトッ!

 金棒かなぼうごと夜叉やしゃの首がられて落ちた。

「やった!さすが姉さん」

 喜ぶ小太郎。

「毒入りコーヒーを、飲ますでござる」

 切り落とした夜叉の頭部の口に、コーヒーを飲ませるマリリン。

「切り落とした首に毒入りコーヒーを飲ますとは、やる事が理解できんむすめだ」

 マリリンの行動に、ボルデ本山は困惑こんわくしている。

「おのれら、俺の首で遊ぶんじゃねえ!」

 なんと、首を落とされた夜叉やしゃ胴体どうたいに、顔が現れて話し出したではないか。

「おおっ、死んで無かったのか」

 おどろくボルデ本山。

「首をられたぐらいでは、鬼神は死なん」

「思った以上に鬼神は厄介やっかいッスね」

 少し体力が回復した武蔵は、立ち上がると刀をかなえて夜叉の方に歩いて行く。

「武蔵、大丈夫か?」

 ボルデ本山が心配している。


 武蔵むさしが夜叉と対峙たいじしている間に、マリリンが毒を飲ませた夜叉の首が、からびて頭蓋骨ずがいこつが見えて来た。

「やっぱり有ったでござる」

 マリリンは、頭蓋骨ずがいこつひたいの部分に光る物を見つけた。

「姉さん、それは何でんねん?」

「言い伝えでは、鬼神のひたいには金のラッキーカードがあって、お菓子かし会社に送ると『おもちゃの缶詰かんずめ』がもらえるでござる」

「へえー、そりゃ楽しみでんなぁ。早く送りましょうや」

 などと2人で話していると。

「コラッ!出たらめを教えるな。そんなの、くれるわけないだろ!」

 と、夜叉に怒られた。

「うわっ!怒られたでござる、逃げるでござる」

「そうでんな、逃げましょ」

 マリリンと小太郎は、コソコソと逃げ出した。

「君らは、さっきから何をやっとるんじゃ!」

 しかし、ボルデ本山もとやまに注意されてしまった。

「そうだ、拙者せっしゃは鬼神を倒すんだったでござる」

「俺もですわ。姉さんが『おもちゃの缶詰かんずめ』とか面白おもしろトークをするから、気を取られて、すっかり忘れてましたわ」

 2人は本来ほんらいの目的を思い出した。



「なんだ、こいつら機械きかいじゃないか」

 ハーデースとポセイドン、ヘスティアがたおした鬼武者おにむしゃは、すべてロボットであった。

用心深ようじんぶか白鬼はっきは、自分の部下にも居所いどころを教えず、ロボットに警護けいごさせてるようね」

 ヘスティアは倒した機械の鬼武者を調べている。

「気の小さい野郎やろうだ」

 ポセイドンは小馬鹿こばかにしたように言った。

「加藤は、先に屋敷やしきに入ったようだ。俺たちも行くぞ」

 ハーデースたちは、白鬼はっき屋敷やしきに向かった。

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