表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
113/149

夜叉VSまめヤッコ

「こっちからみょうな音波を感じます。もしかしたら時空のひずみかもしれません」

 西王母せいおうぼが、加藤やハーデースたちを案内していると

ドピュー

 と、西王母せいおうぼの両耳から血がき出した。

間違まちがいありません。あそこに時空のひずみがあります」

 西王母せいおうぼが指さす方向に、かすかに空間がゆがんでいるのが見える。

ドボドボドボ

 突然とつぜん西王母せいおうぼが大量の鼻血をき出した。

「あそこから鬼のにおいがします」

「わかりました。っていうか、西王母せいおうぼさん大丈夫だいじょうぶですか?ムッチャ血が出てますけど」

 ヘスティアが心配して聞いた。

「だっ大丈夫ですよ。ううっ、何故なぜ貧血ひんけつが」

バタッ

 血を大量に出しすぎて、西王母せいおうぼたおれ込んだ。

「どうやら私はココまでのようです。みなさんは早く時空のひずみに行って下さい」

「でも、西王母せいおうぼさん。アナタは死にかけているじゃありませんか」

「私の使命しめいは終わりました。私のことは気にせずに行って下さい」

 死にそうになりながらも、西王母はんなに行くようにうながす。

西王母せいおうぼ犠牲ぎせい無駄むだにしてはいかん、行くぞんな」

 ハーデースの声掛こえかけで、全員が時空のひずみに向かって歩きだした。

 すると

「ちょっと、その柴犬しばけんは置いて行きなさい」

 たおれている西王母せいおうぼが、犬を置いて行くように言って来た。

「なぜです?」

 なにか理由があるのかと思い、加藤がたずねた。

「その犬は可愛かわいいから、私がいます」

いますって、アナタは死にかけてますやん」

 加藤は西王母せいおうぼを心配するが

「死にかけてはいますが、どうしてもいたいので。早くその犬を渡しなさい」

「おいハーデース、その犬を渡してやれ。ケルベロスじゃないんだから良いだろ」

 ポセイドンが面倒めんどうくさそうに言った。

「まあ良いけど。この西王母ひと、大丈夫なのか?」

 ハーデースは、心配しながらも柴犬しばけんつないでいるリードを西王母せいおうぼに渡す。

 西王母せいおうぼ柴犬しばけんを受けとると

「これで、この犬は私の物です。さっそく名前をつけましょう、柴犬しばけんなので柴崎しばざきコウにしましょう」

 うれしそうに柴犬しばけんでる西王母せいおうぼ

 その様子ようすを見ながら

「あの人、本当に死にかけてるのかな」

 と、不信ふしんがっているハーデース。

「ほっとけ。俺たちは今から、白鬼はっきと殺し合いに行くんだぞ」

 ポセイドンは、それどころじゃ無いといった態度たいどで、先に進んで行く。

「なんかそんした気分だけど、仕方しかたない」

 ハーデースも時空のひずみに向かって行った。

 

 

 夜叉やしゃ手刀しゅとうが小太郎の首にれる瞬間しゅんかん、何者かに手首をつかまれた。

「誰や!」

 小太郎の処刑を邪魔じゃまされて、怒鳴どな夜叉やしゃ

拙者せっしゃどすえ」

 なんとか間に合った、まめヤッコであった。

「お前は、例の小娘こむすめ

 と言いながら手首から、まめヤッコの手をりほどこうとする夜叉やしゃであったが

「うおっ、なんてすごいパワーや」

 あまりにも強い力でにぎられているため、ほどけない。

グシャ!

 ついには、夜叉やしゃの手首がにぎりつぶされた。

「バカな、この俺が力負けするとは」

 おどろく夜叉。

「姉さん、来てくてたんや」

 小太郎は、まめヤッコの姿を見ると元気が出たようで、立ち上がってふたたび刀をかまえ直した。

「おじょうちゃん、気をつけるッス。この男の強さは異常いじょうッスよ」

 武蔵むさし忠告ちゅうこくするが、負けずに小太郎が

異常いじょうさなら姉さんも負けてまへんで」

 と、言いった。

拙者せっしゃ異常いじょうさは、FBIから24時間、監視かんしされているほど異常いじょうさどすえ」

「さすが姉さん。何言ってるのか意味が全然ぜんぜんわからへんし、相手するのもウザい異常者いじょうしゃでんなぁ」

 2人はゲラゲラと笑い出した。

「おのれらゆるさん」

 うでを再生して修復しゅうふくえた夜叉やしゃは、魔導波動砲まどうはどうほうかまえをとる。

「あのわざは、ヤバいッスよ」

 武蔵むさし警戒けいかいする。

大丈夫だいじょうぶどすえ」

 まめヤッコは、素早く夜叉の両手をつかんだ。

はなさんか、小娘!」

 わざふうじられた夜叉は、まめヤッコをりほどこうとする。

無駄むだどすえ。拙者せっしゃのパワーは年会費ねんかいひ100万円どすえ」

 まめヤッコは、パワーの自慢じまんをするが

「パワーの単位が間違まちがっとるし、値段ねだんも高すぎやないかい!」

 と、夜叉やしゃまれた。

「いいえ。動画が見放題みほうだいで、次回来店時じかいらいてんじには10%OFFとか、いろんな特典とくてんがあるので、おとくどすえ」

「うわっ、このむすめの言ってる意味いみが、全然ぜんぜんわからん」

 戸惑とまど夜叉やしゃ

「そろそろ死んでもらうどすえ」

 まめヤッコは夜叉やしゃの両手をつかみながら、呪文じゅもんとなえ出した。

 すると夜叉やしゃ身体からだが、いきおいよく燃えだした。

地獄じごく業火ごうかに焼かれて死ぬどすえ」

 強大なほのおつつまれて行く夜叉。

「おおっ、この、鬼神を圧倒あっとうしとる」

 ボルデ本山もとやま大喜おおよろこびしている。

「さすが姉さんは無敵むてきですわ」

 小太郎も安堵あんどして喜んでいる。

「いや、みんな甘いッスよ。鬼神はこの程度ていどでは倒せないッス」

 武蔵だけは警戒けいかいいていない。

「何言ってるんや武蔵。あれだけ燃えれば鬼神も死ぬやろ、って何じゃあれは!」

 小太郎がおどろくのも無理はなく、燃えさかるほのおの中から、3メートル近くある黒い巨人が現れた。

 巨人の頭部には2本の大きな角が生えており、口からするどきばがはみ出している。

やつは死んで無かったのか。しかし、あの姿はまさに悪魔あくまだ」

 ボルデ本山が恐怖きょうふしている。

「あれが鬼神の本来ほんらいの姿ッス」

 武蔵は一歩下がった。

「顔がこわいどすえ」

 まめヤッコもおびえて後退こうたいして行く。

「おのれら、全員、生かして返さん」

 夜叉やしゃは、怒りながら、ゆっくりと向かって来る。

 DSPのメンバーは、最大のピンチをむかえていた。

 が、その時。

「ちょっと待て!」

 という声とともすけが現れた。

「みなさん。この、妖怪尻ようかいしりふきが来たからには安心して下さい」

 妖怪尻ようかいしりふきはDSPのメンバーに、そう言うと、夜叉やしゃ突撃とつげきして行くのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ