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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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ケルベロスと柴犬

 加藤はヘスティアたちと、京都の愛宕山あたごやま捜索さうさくしていた。

 柴犬しばけんの姿をしたケルベロスに、白鬼はっき屋敷やしきがある時空のひずみを探させていたのだが

「これ、本当にケルベロスか?どう見ても、普通の柴犬しばけんにしか見えんが」

 と、加藤は疑問ぎもんをいだいた。

 確かに、本物の柴犬しばけんに見える。

「そうだな、最近は、ずっとこの姿だから、俺が見ても普通の柴犬しばけんにしか見えないな」

 ハーデースは呑気のんきに答える。

「もしかして、本物の柴犬しばけんに入れ替わってたりして」

 笑いながらヘスティアが言った。

「まさか、入れ替わったとしたら、本物のケルベロスはドコに行ったと言うんだ?あんな目立つ犬はいないぞ」

「それもそうね、頭が3つあって巨大だものね」

「どっちでも良いが、探す気があるのか、この犬?ただ散歩さんぽしてるだけに見えるが」

 ポセイドンはケルベロスの能力をうたがっている。

大丈夫だいじょうぶだ、これでも冥界めいかいの番犬ケルベロスだぞ」

 ハーデースは笑顔で答えた。



 そのころ、火星では。

 太陽系暗黒大魔王たいようけいあんこくだいまおうこと助清すけきよが、犬の散歩さんぽをしていると

「おタマ、その犬どうしたの?」

 娘のパクチーと銅鬼どうきけ寄って来た。

「以前に、冥界めいかいに遊びに行ったら強そうな犬が居たんで、持って帰って来たでヤンス」

 なんと、助清が連れている犬は、本物のケルベロスであった。

「ダメよ、おタマ、勝手に連れてきちゃ。ぬしさんがこまっているハズですゥ」

大丈夫だいじょうぶでヤンス。代わりに、血統書けっとうしょ付きの高級な柴犬しばけんを置いて来たッスから」

「なら、良いでスゥ」

 パクチーは、あっさりと納得なっとくした。

ーー良いわけ無いだろ!どう見てもケルベロスだし。どんな高級な犬をもらっても、ぬしからすれば自分の犬じゃないと絶対ぜったいにダメだからーー

 と、口には出さないが、内心ないしんそう思う銅鬼であった。



「死ねやオッサン!」

 小太郎の剣が夜叉やしゃおそう。

「また、お前か」

 パシッ!

 うっとおしそうに、夜叉やしゃが小太郎をはたいた。

「うへ〜」

 軽くはたかれただけで、ものすごいきおいで、遠くにっ飛ばされて行く小太郎。

「こりゃマズい」

 ボルデ本山もとやまが、急いで大鷲おおわしに変身すると小太郎を救助きゅうじょするため飛び立った。

「やはり、この男、ただ者では無いッスよ。どうする、おじょうちゃん?」

 武蔵むさし虎之助とらのすけうた。

「こうなったら、合体技がったいわざを使うでござる」

「それは絶対に駄目だめッス!」

 今までDSPのメンバーで合体技が上手うまくいったためしが無いので、強く拒否きょひする武蔵。

「じゃ、僕と合体するニャン」

 ニャン平太は虎之助の右手をつかむと

「合体ニャン!」

 と、さけんだ。

 すると、2人は光につつまれて合体して行く。

ーーどうせニャン平太と虎之助が合体したら、猫娘みたいなのが現れるッスーー

 と思いながら武蔵が見ていると

四神合体よんしんがったいロボ『ゴットニャン平太ぺいた参上さんじょう!」

 強い光の中から、3メートルほどのメカニャン平太が現れた。

「ええっ、なんでロボットなんっスか?それに、2人で合体したのに四神よんしん合体って!」

 武蔵は死ぬほどおどろいた。

「小太郎のかたきニャン、死ねオヤジ!」

 ゴットニャン平太の両目から怪光線かいこうせん発射はっしゃされる。

「そんなもの、この俺には通用しないわ」

 両腕りょううでをクロスさせて、光線を防御ぼうぎょする夜叉やしゃ

「それは、どうかニャア」

 ゴッドニャン平太は怪光線かいこうせんを出したまま、夜叉に向かって走り出して

「ゴッドブーメラン」

 と言いながら、背中に装着そうちゃくしていたブーメランで、思いっきり夜叉をなぐりつけた。

ボガッ!

「グフッ」

 この攻撃こうげきいたようである。

 しかし武蔵は

ーーブーメランって、なぐるんじゃなくて投げるんッスよーー

 と、思った。

「やってくれたな、お前ら皆殺みなごろしや!」

 怒った夜叉やしゃ魔導波動砲まどうはどうほうはなつ。

ドガーッ!

「ウニャアー」

 まともにらってしまったゴッドニャン平太は、遠くへ吹っ飛ばされて行く。

 みんな吹っ飛ばされたので、武蔵が一人で夜叉やしゃの相手をする事になってしまった。

「勝てる気はしないが、僕も一応いちおうは日本最強の剣豪けんごうッス。ちがえてもってやるッス」

 武蔵は死を覚悟かくごして、夜叉やしゃとの一騎打いっきうちにいどむのであった。

二天一流にてんいちりゅうを味わうッス、鬼野郎!」

 二刀流にとうりゅうで夜叉に向かって走り出す武蔵。

「ほう、いい度胸どきょうや。かかって来い若造」

 待ち受ける夜叉やしゃ



 夜叉やしゃに吹っ飛ばされた衝撃しょうげきで、四神合体よんしんがったいゴッドニャン平太は合体がけてニャン平太ぺいた虎之助とらのすけもどってしまっていた。

「痛たいでござる、あの鬼は絶対に殺すでござる」

 虎之助は打撲だぼくしたこしをさすりながら、ニャン平太を探した。

「あれっ、ニャン平太が見当たらないでござる」

「おじょうちゃん、僕はココだニャン」

 上の方からニャン平太の声がした。

「あっ、ニャン平太」

 見上げると、ニャン平太は空に登って行く。

「さよなら、おじょうちゃん。今までありがとうニャン」

 どうやら、ニャン平太は魔導波動砲まどうはどうほうのダメージが致命傷ちめいしょうとなり、天にされたようである。

「ニャン平太!」

 ニャン平太は、そのまま上空に登り見えなくなってしまった。

 虎之助はニャン平太を見送ると

「あのオッサンをブッ殺して、ねこかたきを取るでござる」

 と、親友の復讐ふくしゅうちかうのであるが、ニャン平太ぺいたの事を、ねこばわりしているのであった。

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