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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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川島VSラスプーチン

 加藤はヘスティアたちと京都に来ており、白鬼はっきの情報を集めていた。

西王母せいおうぼ始末しまつしろと言われたが、白鬼の目的は何なんだ?」

 加藤がヘスティアにたずねた。 

「アホの加藤が知らないのも無理はないですが。太古の昔、白鬼は世界の支配者でした。おそらくやみ西王母せいおうぼと共に、支配者に返りこうとしているのです」

 と、ヘスティアが加藤に説明する。

「あの白鬼が?」

 加藤は、信じられないという顔をした。

「彼の本当の名はクロノスです」

「クロノスって、あのギリシャ神話に出て来るやつか?」

「そうです。一度は私たちとゼウスでたおしたのですが、死んでいなかった様なのです」

ーーコイツらの言ってる事は、空想くうそうなのか現実なのか良くわからんが、とにかく白鬼をたおせば良いんだーー

「ここ京都には、ワシの知り合いの転生者が居るので、ちょっと行って情報をもらって来る。もしかしたら白鬼の居場所いばしょがわかるかもしれん」

 加藤は、京都DSPの知人の所に行って、情報を聞き出そうと思った。

「その転生者の所に、俺たちも一緒いっしょに連れて行ってもらおうか」

 愛想あいそなくハーデースが言った。

「ダメだ。君ら国際電器保安協会こくさいでんきほうあんきょうかいは転生者と敵対てきたいしてるだろ」

 と、加藤はことわった。

「敵対は、していたが、今は、そうも言っておられん。俺たちも会わせてくれよ」

 大男のポセイドンもたのんで来た。

「私からも、お願いします。アホの加藤」

 さらに、ヘスティアにもたのまれてしまった。

「しょうがないな、絶対にモメ事はこさないでくれよ」

 しぶしぶ承知しょうちする加藤。

「わかっている。クロノスさえ倒せれば、俺たちは大人おとなしくギリシャに帰るから」

 ポセイドンとハーデースは口をそろえて言った。



 そのころ、ロシアでは国家戦略室こっかせんりゃくしつの室長室まで川島が来ていた。

「久しぶりだな、ラスプーチン」

「お前は鬼塚おにずかの部下じゃねえか、俺様になんの用だ」

 ラスプーチンは葉巻はまきをくわえながら、えらそうにディスクでくつろいでいる。

「鬼塚社長を裏切うらぎったお前を、始末しまつしに来た」

 川島は堂々と本当の目的を答えた。

「なんだと、この下っが!お前ごときに、なにが出来るというんだ」

 と言いながらも、ラスプーチンはディスクの下にある非常ボタンを押す。

 このボタンを押せば、たちまち武装ぶそうした警備けいびの者たちが、ラスプーチンを守りに来る事になっている。

「そんなボタン押しても誰も来ないぞ。お前の部下は全員、眠ってもらった」

 めた口調くちょうで川島は言った。

「おっ、お前。ふっ、不死身の俺様を、殺せると思っているのか」

 警備けいびの者が全員、倒されたと知ったラスプーチンはあせりだす。

「殺せるとは思ってないが、永遠にふうめる事はできる」

 川島は上着のポケットから小さいつぼを取り出すと、呪文じゅもんとなえ始めた。

「うわっ、それはめろや!そんな事したらアカンやろきみ、しかし」

 あわてて、少し関西弁かんさいべんが出てしまうラスプーチン。

「じゃあな、ラスプーチン」

「くそっ、ワイは封印ふういんなんかされへんで!」

 ラスプーチンはディスクにしがみつき抵抗ていこうするが、川島の術の力は強く、つぼに吸い込まれてしまった。

 


 虎之助とらのすけは小太郎、ニャン平太ぺいた武蔵むさしを引き連れて、いつもお菓子かしを買っている商店街に来ていた。

「今日は、みんなで行動するでござる」

 虎之助が先頭せんとうを歩いている。

「おじょうちゃん、僕は猫缶ねこかんを買ってしいニャン」

 ニャン平太は、猫缶ねこかんが食べたいみたいだ。

「僕は、お菓子にあんまり興味きょうみないかも〜」

  武蔵は特に、お菓子かしは欲しくないようだ。

「なんや、ほんだら、お前なにしに来たんや?」

 不思議ふしぎがる小太郎。

「おじょうちゃんに無理やり連れて来られたッス」

「じゃ、僕と一緒いっしょ猫缶ねこかんを買って食べようニャン」

 武蔵はニャン平太ぺいたさそわれたが

「いや、それは遠慮えんりょしとくッス」

 と、ことわった。

「武蔵は付き合いが悪いんだニャン」

 ニャン平太は残念ざんねんそうに言った。

「あれっ、姉さん。そこがっても何もないでっせ」

 虎之助が路地ろじに向かって行くのを、不審ふしんがった小太郎が聞いた。

「こっちで合ってるでござる」

 なにか目的があるようで、かまわず虎之助は、路地ろじに向かって歩いて行く。

 他の3人も仕方しかたなく着いていくと、路地ろじの奥から強烈きょうれつな冷気が流れ込んで来た。

「なんか姉さん、ここ寒いでっせ」

 小太郎が寒さをうったえていると、前方に男が現れた。上品な中年紳士ちゅうねんしんしである。

「ここに居れば来ると思っていたよ」

 男は虎之助が来ることが、わかっていたようだ。

ーーこの男は鬼じゃん。しかも、今までの鬼より桁違けたちがいに強い。このメンバーでは、とてもじゃないが勝ち目は無い。戦えば確実に全員、られるッスーー

「おじょうちゃん、この男はヤバいッスよ」

 武蔵は男の正体がわかった様で、虎之助の手を引っ張る。

 男は夜叉やしゃであった。鬼塚がロシアからもどって来ないので、みずから虎之助の捕獲ほかくに乗りだして来たのである。

「この男は鬼神だニャン!」

 ニャン平太ぺいた夜叉やしゃの正体に気が付いたようだ。

「コイツが鬼神か。飛んで火にいる夏の虫とは、この事や。俺たちの前に、のこのことあらわれよって、俺がサッとって来ますわ」

 小太郎は、いかにも、やられ雑魚ざこキャラが言いそうな台詞せりふきながら、不用意ふようい夜叉やしゃに近づいて行くのであった。

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