表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
108/149

西王母と加藤

 川島はモスクワ中心部にある、政府のビルに向かっていた。

 国家戦略室こっかせんりゃくしつの室長であるラスプーチンを、始末しまつするためである。

「このビルか」

 見上げてみると、かすかにラスプーチンの気配けはいを感じた。

「では行くか」

 川島は、ビルの玄関げんかんから堂々と入って行った。



「それで、カス人間さんに、おねがいがあるのです」

 加藤に向かって西王母せいおうぼが言った。

「お願いは良いのですが、ワシのことを、カス人間って呼ぶのはめてもらいたい」

「なぜですか、アナタはカス人間でしょう?」

ちがいますよ」

 ここは、きっぱりと否定ひていする加藤。

「では、何人間ですか?」

「ワシは普通の人間だ」

「では、ゲスおとこのアナタに、お願いがあるのですが」

「ワシは、ゲスおとこではありません」

「では、クソ虫人間むしにんげんのアナタに、お願いがあるのですが」

「ワシはクソ虫人間むしにんげんではありません。っていうか、全然、話が進みませんので、ワシのことは加藤と呼んで下さい」

「わかりました。では、アホの加藤に、お願いがあるのですが」

ーーアホの加藤って。まあ仕方しかたがない、このままでは話が進まん、とりあえず先に話を聞くかーー

 しぶしぶ加藤は、西王母の話しを聞くことにした。

「どんな、お願いですか」

「アホの加藤に、すべての黒幕くろまくである白鬼はっき抹殺まっさつして欲しいのです」

 西王母は真面目まじめな顔をして言った。

ーー言ってることは良くわかるが、白鬼は鬼神の中でも最強の鬼だ、今のワシで勝てるかどうかーー

 加藤がだまってなやんでいると。

「聞いているのですか、アホの加藤?」

 西王母が不機嫌ふきげんそうにたずねる。

「ちゃんと聞いてますよ。ただ、白鬼は強すぎます、ワシの手にえるかどうか」

「わかっています。私も、アホの加藤ごときが一人で白鬼を始末しまつできるとは、思っていません」

ーーなんかムカつく言い方だなーー

「では、誰かと一緒にるのですか」

 ムカつきながらも我慢がまんして、話しを続ける加藤。

「パーカー、あの人たちを連れて来なさい」

 西王母がパーカーに指示をだす。

 しばらくすると、パーカーが数人の男女を連れて来た。

「この者たちが、アホの加藤を援護えんごをします」

 なんとパーカー連れて来たのは、ヘスティアとポセイドン、ハーデースであった。

ーーコイツらは資料で見たことがある。確か国際電器保安協会こくさいでんきほうあんきょうかいギリシャ本部の幹部かんぶだーー

「よろしく、アホの加藤。私たちは白鬼と敵対てきたいしている者です、一緒いっしょに白鬼をたおしましょう」

 ヘスティアが右手を出して、加藤に握手あくしゅを求めて来た。

「はあ、よろしく」

ーーコイツらまで、アホの加藤ってーー

 事態じたい把握はあくできずに、とりあえず握手あくしゅわす加藤であった。



 大阪DSPの宿舎しゅくしゃでは、安倍康晴あべやすはる岩法師いわほうしたちがなやんでいた。

 新しく顧問こもん就任しゅうにんしたばかりの加藤が、居なくなったからである。

「それで加藤さんは、空に登って行ってしまったんですか?」

 安倍が岩法師に確認している。

「虎之助の話しでは、そういう事らしいです」

 岩法師が答える。

「加藤はんがもどって来るまで、ボルデ本山もとやまはんに顧問代理こもんだいりたのみましょうや」

 と、ボルデ本山になついている小太郎が、提案ていあんする。

拙者せっしゃは、ニャン平太ぺいた顧問こもんになるのが良いと思うでござる」

 ニャン平太ぺいたの事が大好きな虎之助とらのすけも、提案ていあんする。

「その2人は駄目だめッスよ、身元みもとがハッキリしてないッス」

 意外にも武蔵むさしが、まともな意見を言った。

「ニャン平太ぺいたの身元は、しっかりしてるでござる!」

 反論はんろんする虎之助。

本山もとやまさんが魔法で出したゲームのキャラじゃん」

「なに言ってる武蔵。おぬしこそ、史実しじつとキャラがちがうでござる、きっと、ニセ武蔵むさしでござる」

「俺は本物の武蔵ッスよ、おじょうちゃんこそ正体不明ジャン。変な暗黒術あんこくじゅつを使うし」

ムカっ!

「武蔵、お前を殺すでござる」

 キレた虎之助が刀をいた。

「やる気なら、受けて立つッス」

 武蔵も刀をく。

 殺気だつ2人の間に緊張きんちょうが走る。

ーーまた喧嘩けんかか、しょうがないなーー

「おい、虎之助。喧嘩けんかめろ、夕食にお寿司すしを取ってやるから」

 喧嘩けんかに気づいた岩法師が止めに入った。

「お寿司すしでござるか」

 虎之助は、しばらく考え込んでから

「よく考えてみると、ニャン平太ぺいた知能ちのうでは顧問こもんつとまらないでござる。それに、アイツは猫か人間か分からない得体えたいの知れないものだし」

 と、あっさりと自分の意見をくつがえした。

 それを聞いていた狂四郎きょうしろう

「お前は、ニャン平太ぺいたと仲良しだったじゃねえか」

 あきれながら、つぶやく。

「私に心当こころあたりがある人が居るのですが、加藤さんが帰って来るまで代理を、お願いしようと思います」

 さすがに安倍一族である、安倍康晴あべやすはるは顔が広い。

「そうですね、お願いします」

 岩法師も特にことわる理由も無く、わりのあんも無いので、顧問代理こもんだいりの件は安倍にまかせる事となった。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ