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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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異世界へ転送でござる

 せまって来るチェルノボーグから逃げながら

「待て、逃げるな。戦うんだ!」

 ラスプーチンがボルデ本山もとやま鬼塚おにずか怒鳴どなった。

「そう言う、お前も逃げてるじゃないか」

 ボルデ本山が言い返す。

「お前らが逃げるからだろ。俺ひとりじゃ無理だ、みんなで戦おう」

 2人を引き止めようと、ラスプーチンは説得せっとくするが

「俺ら3人でも無理やで」

 鬼塚は初めから、やる気が無い。

「クソっ、せめて舞妓まいこさんがれば」

 と、ラスプーチンはくやしがった。


 その時

メキメキ

 と音がして、ボルデ本山が持っているつぼに、ひびが入った。

「バカな、封印ふういんつぼ亀裂きれつが」

パリーン!

 大きな音と共につぼが割れて、大量のけむりが吹き出した。

「こんな事は、ありない。封印のつぼが勝手に割れるなんて」

 ボルデ本山は不思議ふしぎがっている。

「やっと出られたどすえ」

 けむりの中から、まめヤッコが現れた。

「なんと、封印のつぼを中から割ったのか!今まで、どんなに強い魔神でも自力で出ることなど出来なかったのに」

 おどろくボルデ本山。

拙者せっしゃのパワーは1000万ジンバブエ・ドルどすえ」

 まめヤッコは、力ずくでつぼ破壊はかいしたようだ。

「パワーの単位は、ありないほど間違まちがっとるが、とにかくすごいパワーだ」

 まめヤッコのパワーに驚愕きょうがくするボルデ本山。

つぼから出られたのか、良かった。さっそくチェルノボーグを倒しに行こう」

 と、よろこぶラスプーチンだが

「とりあえず拙者せっしゃ封印ふういんした、あんたはんから殺すどすえ」

 まめヤッコは、ボルデ本山の首をめ上げた。

「くっ苦しい、助けてくれ。君じゃなくてチェルノボーグをねらったんだ」

 苦しむボルデ本山。

「命ごいは聞かないどすえ」

 さらに強く首をめる、まめヤッコ。

舞妓まいこさん、そいつの相手をしている場合じゃ無いぞ。チェルノボーグがこっちに向かって来てるんだ」

 ラスプーチンが状況じょうきょうを、まめヤッコに説明する。

大丈夫だいじょうぶどすえ、3秒もあれば、この程度ていどの魔人は殺せるどすえ」

 まめヤッコはボルデ本山を、殺す気まんまんである。

 しかし、まめヤッコのうでを何者かがつかむと

「そいつを殺すのは、止めるんだ舞妓まいこさん」

 と、止めに入った。

邪魔じゃまするのは誰どすえ」

 まめヤッコが振り向くと、なんと病院に行ったハズのポリヤコフである。

「ポリヤコフ、お前もう大丈夫だいじょうぶなんか?」

 鬼塚はおどろいている。

「病院で輸血ゆけつしてもらったら完全に復活した。もう、大丈夫だ」

 確かにポリヤコフは、顔色も良く元気そうである。

「心配かけて、すまなかった。今からやみガードの真の力を見せてやる」

 そう言って、ポリヤコフは両手から膨大ぼうだいなエネルギーを出しあたりをつつみ込んでいく。

「みんな、今から俺たちに有利ゆうりな異世界に転送する。そこでチェルノボーグをたおすんだ」

 ポリヤコフの言葉ことばと共に、まわりの景色が変化していく。



「よし、みんな転送が終わったぞ」

 ポリヤコフに言われて周りを見まわしてみると、全員が中世ヨーロッパの様な場合に転送されていた。

「ここはドコだ?」

 ラスプーチンがたずねた。

「ここは、剣と魔法が支配するファンタジー世界だ。みんなの外見がいけんもそれらしく変わっているはずだ」

 そう言われて、みんなは自分の姿を見てみた。

 鬼塚はヨーロッパ調のよろいを着た騎士きしのようで、ラスプーチンは長いひげやしておのを持ったドアーフのようだ。

「なんだ吾輩わがはいは変わっとらんぞ」

 ボルデ本山は、そのままの魔法使いである。

拙者せっしゃも変わって無いでござる」

 虎之助とらのすけやりを持った女性のエルフではあるのだが、なぜか銀髪ぎんぱつで黒い衣装いしょうのダークエルフであった。

「むちゃくちゃ変わっとるがな!君さっきまで舞妓まいこやったやん」

 鬼塚がむ。

「あれっ、ダークエルフって確か人間の敵じゃなかっけ」

 ラスプーチンが指摘してきした。

「そうでござった。拙者せっしゃは、あちらがわだったでござる」

 と言って、ダークエルフはチェルノボーグの方に歩いて行く。

「あの、あっちに付く気みたいだけど良いのか?」

 ボルデ本山が聞いた。

「いいわけ無いだろ」

 ポリヤコフが心配そうに答えた。



 この世界でのチェルノボーグは、全身が真っ黒で2本の大きな角がえており、悪魔のような姿をしていた。

「どうやら、拙者せっしゃは、おぬしの仲間であったようでござる」

 ダークエルフは、チェルノボーグに説明している。

「急にそんな事を言われてもこまるなぁ」

 いかつい容姿ようしのチェルノボーグも、さすがに戸惑とまどっているようだ。

「ごちゃごちゃ言ってないで、拙者せっしゃはダークエルフなんだから、さっさと仲間にするでござる!」

 ダークエルフが怒り出した。

「いや、ダメだろ。君は、さっきまで敵だったし」

 チェルノボーグに拒否きょひされてしまった。

「仲間にしないとみ殺すでござる」

ガブッ!

 怒ったダークエルフは、チェルノボーグの足にみついた。

「痛てっ!わかったよ、仲間にすりゃ良いんだろ」

 というわけで、ダークエルフはチェルノボーグの仲間になった。

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