なんでそんなに美しいんですか?
今日は私、出張中です。
何処にかって言うと……牢屋です。
なんでも、ここにヴィヴァーチェ様が収容されているそうです。
……。
だってさあ!気になるじゃん!
世に言う聖女様から、ここまで私を変えた張本人!
これはもう、神様が私に囁いたのがいけないの!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
さぁ着きました。
この壁の向こうに…ヴィヴァーチェ様が!
ごくり。
「なんでわたくしが悪いのよ!身の程を弁えないあの女狐が悪いのよ!しかも、あのボンクラ王子のためにわたくしが嫉妬ですって!?とんでもないわ!わたくしは王子妃の座に未練があっただけで…この国、愛人とかないから、あのアホ絶対に女狐を妃にするし……ってか、あいつ、自意識過剰すぎ!このわたくしがあんな屑、好きな訳ないじゃない!!」
ばきゅーん!
私の心臓は撃ち抜かれた。
ああ、あの、美しいつり目の紫の瞳、艶やかな黒髪、豊満なボディ!
しかも、それに似合わぬ容赦ないお言葉!
イイッ!
私はイチコロだった。
「お姉様!私を妹にして下さい!!」
そう言って私は飛び出した。
嗚呼、…恋は人を馬鹿にする……。
「は!? 貴女、だれ…ってクラリス!? 貴女…」
「お姉様!!私を妹に…」
「二度も言わなくて結構! いや、一度だって気色悪いですわ!
と言うか貴女、生きてましたの!?」
「はい! 若干記憶がありませんが、お姉様のお美しいお姿は、この目に焼き
付けたので、問題ありません!」
「ありますわ!貴女、頭でも打っておかしくなりましたの!?前と人格が違い
過ぎますわ!!」
「良いんですよ、そんな細かい事は! それよりお姉様、結婚して下さい!」
「全く細かくないですわ!何を言ってるんですの、貴女!」