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ようこそ妄想の時間へ~Welcome to the time of delusion~  作者: Lalapai
第1章HOW TOの時間(続)
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久し振りの人と会った時、さっきまで一緒にいた人置いてけぼりの時間

こんばんはー。お久しぶりですね(TT)

ほんとうは来週の予定だったのだけれども今日にあげると間違ったツイートをしたばかりに今日になりました…


では、お楽しみにください。


とある豪華な一室にとても大きなスクリーンが今日も聳え立ち、それに向かっていかにも高級そうな革製の一人用ソファーにそれぞれ座った二人の男女がボソボソ呟きながらコントローラーを握っていた。


「なぁ、言い訳じゃないけど一つ言わせてくれ」


浮かばない表情の男が言葉を溢す。


「ええ、構いませんよ」


対して女は何かを確信したのかどこか余裕な表情で答えた。


「すげぇ良いこと思いついて集中出来ねぇ。」


「ほぉぉお、、、それは気になりますわ。チェックメイト」


女は男の遠回しの待ったを躊躇なく流し、事を済ました。


「容赦ないな...俺の負けだ。」


こうして今回の「対戦!きのこ胞子の大冒険」は女が制したのだった。

幾度と試合を交えたのだろうか。お互いがこのゲームが好きだと知ったあの日から試合を始めて一年と半年辺り過ぎようとしている。


試合が終わりやがて大きなスクリーンはじぃのボタン一つで壁に収納される。


「試合後のミルクティーでございます。」


そして欠かさず執事として客であるマストとご主人様であるカルクに飲み物を注ぎソファーに付属したひじ掛けの隣にある台に置く。


「ありがとう、じぃ。」


「いえいえ」


―じぃってやっぱりちゃんとた執事さんなんだなー。最近変なキャラになっちゃってるから心配したよ…


 

最近のギャグ回によってキャラが崩壊しつつあるじぃを見てまだ執事要素が残っていたか、と、安心するマスト。


「それでマストさん?良いことを思いついたってどんなことですか??」


試合の終了際言い訳にも聞こえることを言っていたマストに対してカルクが質問する。


「ああ、そのことだけど、、、部活についてだ。」


「部活?ボランティア部の事??」


ボランティア部とは虎嶋カルクを部長とし、おもて向きでは学校の奉仕活動という名目で活動し、うらではテスト期間に起きた現象の謎をつきとめる為に設立された部活である。


ーその通りだ。


マストはカルクの頭の中に語りかけて返事する。これは妄想の世界に行くことが許された者だけが使う出来る能力だ。使い方は簡単だ。相手に伝えようとするだけでいい。


ーいきなりそっちでしゃべりかけないでよ。ちょっとドキッとしたー。


簡単に使えるとはいえ、喋りかけられると不思議な感覚に駆られゾクっとするのだ。


ーこれだよ、これ!


ーえ?これって??


ーそうこれ!このテレパシーみたいな能力を使えば人探しなんて楽勝じゃねぇか??


ーな、なるほど。つまりは向こうの世界に行く事ができる人にしか使えない能力で確かめれば巡り会えるって訳ね。


この能力は向こうの世界に行く事が許された人のみ発信、受信が出来る。具体的な距離はまだ調べていないがある程度近づく必要がある。


「て言うかマストくんいつまでこれで話してるの?」


思い出したかのように口で発する。


ーいやいや、これが大切なんだよ。


ーどうして??


そう聞かれるとやれやれと言わんばかりにマストは腰を深く掛けコーヒーを置き肘置きに腕を掛ける。


ー危うくテストが終わった開放感のせいで忘れかけてたぜ…スペシャリストがいる事を、、、


と、言うと聞き慣れまではしないが懐かしい声が脳内に囁かれる。


➖それは酷いなぁ。


➖10話ぶりの登場だな、、、


お久しぶりの登場、モモキとヴァルである。久しぶりの登場ゆえに忘れている方もいるかもしれないがモモキとヴァルは妄想の戦いでのマストとカルクのペアであり、武器であるのだ。


ーヴァルさん?!それにモモキさんまで…


ーそう!ここ2人も加われば円滑に話が進めるだろ??


ーなるほど〜、、、あまり現実こっちで干渉を避けてくれるおかげですっかり忘れていたわ。


➖ヴァルは一回も現実こっちで喋ってなかったの??私は毎晩定期的に喋ってるよ?


➖それはだなぁ、それはあ、あまり現実こっちに干渉しない方がいいと思ったからであって…


いつもキリッとしているヴァルだがモモキの質問に言葉がつまる。


ーヴァルはそういうのは疎いと思ってたけれど、、、やっぱり男なんだな…


➖その話はもういいだろ…


続けたくない会話を避けようと➖それよりも…とヴァルが続けた。


➖妄想(向こう)の世界について話してるんじゃなかったのか?


ーそうだったそうだった。


➖でも私たちに出来ることも限られてるよ??


モモキは向こうの世界にいたと言っても向こうの世界の専門家ではない。長年いたのは事実だがサグやキルトのようにどこかの勢力と混じっていたわけでもないのだから。


ーそれでも知識が0の私たちよりはだいぶ力になるはずね。


➖それでいいなら喜んで協力するんだけどヴァルはどうするの??


➖断る理由はないだろう。喜んで協力させてもらう。だが言っておくが俺もモモキと同じであまり役に立たないぞ?


ーありがとうな。


ーありがとうございます。


こうしてモモキとヴァルがボランティア部に力を貸してくれることになった。


➖あ、そうだ。サグやキルトだったら私たちよりももっと力になりそうだぞ。あの人達は元リベリストだから何か知ってるのかも。


➖それは一理あるな。


モモキの言った通り、サグとキルトは妄想の世界を統べる勢力の一つ、リーベ神を崇めるリベリストの元団員だったのだ。


ーなるほど。じゃあサグとキルトに話つけられないのか??


➖それがねぇー…


モモキは困った様子で言葉が詰まる。するとふとカルクが何かを察した。


ーモモキさん達って今どこにいるの??


ありそうで無かった疑問であった。実物を見られたのは妄想の世界ではあったのだが、今この意識内で会話している時はどこにいるのだろうか。言われてみれば不思議ではある。


➖それが問題なんだよねー


ーやっぱりね。


ード、ドユコト?


カルクの恐ろしい洞察力にマストは置いていかれてしまう。


ーだって今モモキさんやヴァルさん、それにほかの向こう側の人達が同じ世界にいるのだとしたらサグさんやキルトさんに話を付けるのは簡単でしょ??


マストは「なるほど〜」と、思わず手をポンとする。

お忘れかもしれないが今現実では2人の男女が椅子に座り黙っていて、時折リアクションをとるという異様な光景が広がっている。この光景を見てもはや存在を2人に忘れられているじぃもおどおどとコーヒーを注ぐタイミングを疑っていた。


ー先程からカルク様とマスト様は何をなさっているのでしょうか??


じぃの心配はさておいて、話は進む。


➖そういう事だ。俺たちは現在、妄想(向こう)の世界には居ない。というのが結論だ。


ーえ??じゃあどこに居るんだよ


➖それがだなぁ…俺たちにも正確には分からないんだ。


ーならお手上げ状態じゃねぇかよ。


マストはどうしようもない状況に深くため息をつく。


「はっ!?」


ーこ、これは、、、!?もしやコーヒーを注がないこのじぃに呆れられているのですか!?


呆れているようにも見えるマストの顔を見てじぃが慌てふためく。


ーあっ、じぃの事忘れてた…やべぇ。なんかじぃが慌ててるから早く話を切り上げるか。


マストはおどおどするじぃが目に入りじぃがいたことを思い出す。


ーそーですね。この話の続きはまた明日の学校でしましょう。


➖えー、久し振りの登場でそろそろ盛り上がってきそうだったのに〜


ー本当に申し訳ございません。


甘えむずかる頭の中にいるモモキに対しペコペコと頭を下げいつもの感覚で謝罪してしまった。


ーカルク様ァァァア??!!カルク様が頭を下げられてイルゥゥゥゥ?!これはもしやこの気の利かないじぃのために頭を下げられているのか?!


案の定カルクの行動に深読みをしてしまうじぃ。するとじぃが2人の前に膝をつき頭を地面に擦り付ける。


「申し訳ございません!!」


そのいきなりの行動に思わず2人は椅子から立ち上がってしまう。


「じぃが不甲斐ないばかりに…」


「どーしたんだよじぃ!?」


「どーしたのですか?!」


➖この人執事なのにいっつも情緒不安定よね。


➖恐らくこの男はカルクとマストが無言でリアクションを取り合っている事をなにかと勘違いしてしまっているのだろう。


じぃは頭を下げたまま続けた。


「長い付き合いゆえじぃは過信しておりましたっ。しかしながら今回は何をされているのか全く理解できませんでした、、、誠に申し訳ございませんでしたァァァァァァァァァァア!!!!!」


2人、もとい4人は ー当然だろ と、思わずつっこみたくなってはいたが流石に言える状況では無かった。

読んでくださりありがとうございます!感想やブクマ登録をよろしくお願いします(╹◡╹)


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