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ようこそ妄想の時間へ~Welcome to the time of delusion~  作者: Lalapai
第1章HOW TOの時間(続)
41/47

謎解きは答えるよりも考える方が難しい時間

1週間ぶり?の投稿です。なんだかんだでストックがまたできつつある?感じですがまだまだないと心配なので投稿ペース遅いかも…

まぁお楽しみにっと言う感じで(╹◡╹)




「ここは…??」


辺りは真っ暗で光ひとつない。なぜかマストはそこでうつ伏せている。それに気づき立ち上がろうとするが少し痛い。


「ぃ"ててて…」


特に腰辺りが痛む。なぜこんな所にいるのだろうか。少し考えてみたが思い当たる節が無い。そもそもここがどこなのか。


「やっと起きたか」


「その声はハラノか?!」


「そうだが…覚えてないのか??俺らは落ちたんだ」


ハラノが居ること。そしてやけに腰が痛むことからはっきりと思い出した。前の回で落とされたのだ。


「アレってオチじゃねぇの?!次の回からはいつも通りに復活してるっていうコメディー漫画の展開だろ普通!!」


「普通じゃねぇって事だろ。」


最悪の展開だ。通常のコメディーなら、例えばツッコミでぶっ飛ばされて傷だらけになったボケ側の人間が次の吹っ飛ばされた後のコマでは元通りになるはずなのだが現実は違った。よりによって仲がお世辞にも良いとは言えないハラノと2人っきりだ。


「この空間、光がないところからすると完全に閉じ込められてるな」


「でも、だんだん慣れてきたぞ」


目が闇に慣れてきて物がうっすらだが見えるようになった。


「それにしてもどこだここは、、流石に学校内ではあるな」


「でもこんな所しらねぇぞ?」


「さっき部室からまっすぐ落ちたとすれば…あの部室あたりか、、、それにしても結構な高さだったような」


さっきまでいた部室は2階に位置している。そして少し気を失うほど落ちたとなると相当な高さだった。え?実際なら死んじゃう?これはフィクションです。実際の現象と異なります。


「あの部室ってどこのだ?そもそもそんな部活あったか??」


「なんでも部だよ」


「なんでも部?!そんなのウチの部活と丸かぶりじゃないか!?」


「表向きではそう言う事になるな。」


マスト達が所属する出来立てホヤホヤの部活(仮)もとい同好会の活動内容は妄想の世界の研究ではあるが、学校に登録される表向きの活動内容はあらゆる学校の手伝い。しかしながらそれは名前からもなんでも部と同じ活動内容という事だ。これは超問題である。


「だからあまり考えたくはないが、なんでも部の仕業とも考えられる。」


同じような部活が存在すると、部活の存命と部費をかけて対立が起きるのは避けられない。まだ同好会とは言えいずれ勢力をつけなんでも部の価値が下がれば部が消されてしまう。


「そーは言っても流石に早すぎるだろ。」


「若い芽は早く潰さなきゃなのだ〜!」


マストがハラノの懸念を取っ払っていると高らかな声がいきなり聞こえてきた。


「他に誰かいるのか!?」


辺りを見渡してみるが真っ暗で人影はハラノ以外にはみえない。


「待て、これはスピーカー音だ。」


「あったり〜!!流石はI.Qの化け物だね〜」


「その声はなんでも部部長の坂村ヒメコだな?ここがどこか教えろ」


どこからも聞こえてくるこの声、なんでも部の部長坂村ヒメコのテンションが高く、時折機械音が鳴り響き耳を攻撃する。どこかしらに2人の声を拾うマイクがあるはずなのだがハラノの質問は無視された。それに腹が立ち声を荒げてもう一度言おうとした時だった。


「おいっ!教えあがっ…」


「では、これより試作品リアル脱出ゲーム(テストプレイなしだから不祥事があるかもしれない)スタート!!」


唐突に告げられたタイトルコール。その後まもなく一斉に部屋全体に白い明かりが灯る。


「うわっ?!」


「ぐっ!」


いきなりのまばゆい光に目を眩ませる。視界が真っ白にになる。だんだんと色を取り戻していく感覚を感じるものの白い部屋が広がっている。


「なんだこのラボみたいな真っ白な部屋は…」


まさに最新の実験施設のような真っ白な空間だ。部屋の壁には黒で描かれた文字や何かを表す絵が散りばめられていた。おそらく落ちてきたであろう天井にはその穴らしきものはない。


「ラボじゃないよ〜?マストくん。ここは君達の為に…いや、ボランティア部の為に作ってあげたリアル脱出ゲームだよっ!」


「なんでこんな事をするんだっ!、、、やっぱり、俺らが目障りだからか?」


「ん〜確かに僕達の部活と活動内容が被るのは気に入らないけれど、、これは依頼人からのお願いだよ、依頼人からの…」


「依頼人??それは誰なんだ?」


「残念だがその質問は脱出してからのお楽しみだ。」


「くそっ答えやがれ!」


マストが強く問うがプツンッとスピーカーの音がきれる音がした。その後何度かどこかにあるマイクに向かって叫ぶが返事はない。


「そこら辺にしておけマスト、どこぞで録画されてるだろうなおそらく」


「ま、まじか…」


マストは高まる怒りを抑えた。流石に怒りの感情より恥じらいの感情が勝ってしまった。


「そうだ、携帯…っえ、、、圏外なんだけど…」


急いで取り出した携帯の左上には圏外の文字。これでは外からの協力が得られない。


「どんなけ作り込まれてんだ、、」


「確かなんでも部には機械いじりのエキスパートが居たなぁ…」


いくらなんでも高校生にここまでの事が出来るのはいささか疑問だが、隣にはI.Q140の天才くん。部室に戻れば記憶アホと大企業のお嬢がいるくらいなのだからあり得るのだろう。


「どうやら壁の謎を解かねぇと部屋から出られねぇみたいだな。」


「本当だ。ここの脱出口らしき場所もビクともしねぇ」


真っ白な部屋におそらく開かれるであろうところにはpushと書かれた壁にドアの形のように少し隙間が開いてあった。それをタックルして押してみるがビクともしない。


「やるだけ無駄だ。」


壁に散りばめられた謎解きっぽい記号や文章がある。これは脱出ゲームの定番である。だが、通常の脱出ゲームにあってこのゲームにはないものがあった。


「でもハラノ。入力するものがねぇぞ」


「確かにおかしい。。。とりあえず謎を解いてみるか」


2人はバラバラに壁に描かれた謎に解きかかる。一つの謎に集中して取り掛かるマストに対し、一つの謎を読み終わると次々と読んでいくハラノ。

特別に皆様にもその謎をお見せしよう。



☆、鵜呑みしたが故に好きに思ってしまった動物は?


△、多重人格なアルファベットは?


○、80はGarden,rockからは仲間外れにされるがmeatの仲間になるには何に変身した?


◻︎、不正を持つ平仮名一文字


〜☆△の○□〜



以上だ。最後の〜☆△の○□〜は上4つの答えが入る。

何故とは言わないがこの先答えがすぐに書かれている為ご注意を…


「この多重人格のアルファベット、分かったぞ!!」


マストは目を輝かせて真ん中で腕を組んでいるハラノに訴えかける。


「答えはだなぁ!!…」


「Iだろ?」


「え?」


「これは1番簡単だった。一人称が私、俺、僕、我、吾輩、あたし、あっち、アチシ、わっち、僕ちん、某だろうと英語では'I'で表すからな。だからIが多重人格だ。」


ハラノがマストが考えに考えてたどり着いた答えを流暢に詳しくバカでも分かるように説明した。


「おいちょっと待てよ!!俺がせっかく解いたんだから言わせてくれよぉ!」


「あ、解ってたのか」


「解ったって言ったじゃん!?あなたは他の人がピンポンッ!ってボタンを押して答えるんですか?!」


「すまないすまない」


「本当に困ったやつだ。俺がいいとこ見せれると思ったのになぁ」


マストが半泣きで拗ねていると突然ハラノが勢いよく手をあげる。


「ピンポンッ!!」


「え?…あ、はいハラノくん。」


「これで答えていいんだよな」


「そ、そうだな…」


例え話でクイズの解答権を得るボタンの話をしたのだが本気で捉えるとは思わず申し訳ない気持ちに襲われ否定ができない。


「まず☆の答えは"鯉"だ。好きに思うことを'好意'って言うだろ?《こ・い》が《う》を呑み込んで《こ・う・い》となる訳だ。次に○だがGardenは日本語で庭、rockはそのままでmeatは肉。これらが表すのは九九の覚え方だ。二ハ16、六九54、二九18だな。ここから考えると80になる九九は存在しない。だがここで仲間分けが重要だ。meat、肉の仲間になるような九九にはない掛け算は肉の部位である"Heart"(ハ十)が答えだ。そして最後□の答えだがこれは不正は縦に書いて歪と読む。歪の音読みは"え"だ。だから□の答えは"え"になるって訳だ。」


「馬鹿でも分かる説明ありがとうございます…」


I.Q140ともなればこのくらいの謎解きはディナーの後どころか朝飯前なのだろう。一気に謎を片付けてしまった。


「でも問題は次だ。〜☆△の○□〜に答えを当てはめたところで〜鯉IのHeartえ〜にしかならないんだ。」


「〜こいあいのはーとえ〜ってなんだ??でもこれが最終の答えなんだろ?でも、入力装置があるわけでもないし。。。」


最後の難所。謎は解けたものの脱出方法が見当たらない。


ーそもそもI.Q140のハラノでさえ解けない問題が俺に解けるわけねぇよ…しかももうヒントは壁に描かれてないし、、、


マストは見落としがないか壁を見渡す。するとあることに気づく。


ーpush??、、、あっ!


脱出口らしき場所に描かれたpushという文字。そしてマストは閃いた。


「ピンポンッッ!!!!!」


マストは勢いよく手を挙げて解答権を手に入れる。


「分かったのかお前?」


「こんなの言葉遊びにすぎません。まず〜☆△の○□〜は答えではなく脱出のヒントなんです。これが答えなら音声が拾われているこの空間なら既に〜鯉IのHeartえ〜と言った時点で出口が開くからな。」


「そこまでは解ってる。」


ハラノにもったいぶらずに早く言えと言わんばかりの顔で見られる。


「はいはい。答えは鯉はこい→恋に変換、Iは愛に変換。そんでHeartは日本語に直して心、最後にえは絵にすると、、、〜恋愛の心得〜になる!」


マストは答えを嬉しそうに鼻を膨らませながら極める。だがそれにピンとこない様子のハラノ。


「それがどうしたんだ?それが脱出のヒントになってるって言うのか??」


何も勘付かない様子のハラノを見てマストはチッチッと舌を鳴らしせせら笑う。


「ダメだなぁハラノくんは、恋愛をしたことが無いのか??」


「…。」


マストは一言かましながら脱出口と思われる場所の前に立ち、両手を広げ少し空いた壁の隙間に差し込む。


「恋愛心得。。押してダメなら引いてみるべしぃぃぃぃぃい!!!!!」


力強く壁を引っ張るとすっぽりと脱出口らしきところが抜けてしまった。脱出口の先には光が溢れる扉が見えた。脱出成功だ。


「なるほどだからpushと書いてあったのか、、、それにしても最初からその文字を当てにせず引っ張っていれば脱出できたって事か。」


「そんなかたいこと言うなよ。俺が解いてあげたんだし」


「何言ってんだ半分以上は俺だろうが。」


「△は俺も解ってた!、、、あ、2−3で負けてた…」


2人は文句を言い合いながら脱出口を通り光が溢れる扉をあげる。


「えっ??」


扉を開けた先にはまた閉じ込められた部屋があった。

読んでいただきありがとうございます!

次の投稿は明日の予定でございます。久し振りに連続投稿ですな。僕だって早く書きたいのは山々なのですが僕にもすることが山々なんです。近所で祭りがあるって?こちとらしなきゃいけない事の祭りなの。ってP.S.で語ることここで語っちゃった…


次の投稿は明日です!なんと明日なのです!できればこのまま毎日投稿とかしてみたいけど現実無理そうです。


P.S.

遠出で日立まで行きましたー。久々の新幹線に「座席番号あってるかなぁー」と、緊張し過ぎ結局僕の座席はトイレとなってしまいました。あとは通り過ぎる人の会話が楽しくて楽しくて。方言は面白かですなぁ。またいつか日立に行くので今度も指定座席でトイレを取ろうと思います(╹◡╹)

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