部活設立は突然にの時間
ややお久しぶりの投稿ですな。ここでずっとお久しぶりって言っている気がするのは私だけですか?
虎嶋カルク。
そいつは大手ゲーム会社の娘にして干支塚北高校の生徒会長。文武両道で綺麗な顔立ちやスタイルはいわば生徒の憧れである。
だが俺の視点からは違う。たしかに成績は優秀で礼儀もなっていて申し分ない。それはカルクの事をちゃんと理解していないのだろう。
あいつは思いついた事をすぐ行動に移す。後先のことをあまり考えずにだ。あまり大ごとになっていないのが不幸中の幸いというべきだが全て俺や執事のデクのフォローあっての事だ。それに何と言ってもあいつはドSだ…
「部活を作りましょ?」
またカルクが嫌な思いつきをしたものだ。カルクがこれを提案したという事はもうアクションはされた後なんだろう。
「お前もう作ってんだろ?」
「え?どーしてわかったのですか?!」
「大体わかるんだよー、お前の事なんか」
長い月日ではないが他の人よりは長く付き合っているつもりだ。それなりに何を考えているかは想定がつく。
完璧な推理でカルクの行動を当てたがどこかカルクは嬉しそうに頬を赤める。
「なら話は早いです!部室に行きましょう!!」
席を立ち資料で山積みの机をバンッと叩き、足早にマストのもとまで行きマストの腕を掴み部室へと引っ張ろうとする。
「ちょちょ、ちょっと待て待て」
マストは掴まれた手を振り払う。
「いくらなんでも今じゃなくてもよくねぇか?」
机の上にはまだまだ積まれた資料。文化祭の準備を始めてまだ間もないというのにそれを放ってカルクの言う部の設立に付き合うのはどうしても気がひける。ただでさえ人手が足りなくてマストに依頼している状況だというのに。
「大丈夫。多分だけど!」
「いてっ!ちょいちょい!」
一度は振り払った手だがこうなったらカルクは容易に止められないのだ。再びカルクはマストの腕を引っ張り教室から引っ張り出す。そのまま廊下を引きずられ何個か先の教室へとたどり着く。
「ここが…?」
「そうですよ。」
着いた教室はいかにも普通の教室で特に部室らしさがあるわけでもないが。
「では、入りましょう!」
カルクはマストを逃げないよう腕を掴みながら部室である扉を開く。
「なに…これ、、」
扉を開いた先にはしっかりとした革のソファー、立派なカーペット、そして教室には似つかわしいガラスの長机が既に設置されていた。
「なにこれって、部室なんですが…」
「こんな部室があるかー!」
どう見てもこんな豪邸の一室のような部室はおかしい。下手をすれば校長室より豪華かもしれない。
「そもそもこんなの生徒会が許してく…れ、るわけ、、、」
ーこいつが会長だったー!!
「なにか問題でも?」
ツッコミどころが多過ぎる。それに気づいてくれないのがまたカルクのダメなところだ。
2人は部室へと入る。入ってからわかったが職員室のようにコーヒーの香りがほのかに香り、加湿器、お掃除ロボット、、、もう家より充実していた。
「なんだこの部屋!!こんなの誰が用意…できる、ん、、、」
ーこいつが社長の娘だったー!
大企業の社長の娘ともなればこのくらいが普通、いや、足りないくらいだろう。
「やはり私とて、庶民的なものに近づけるために考え抜いた部室ですわ」
ーこれが庶民だと…?!でも確かにカルクの家はもっと豪華だもんな。
「そ、そーなのか。」
「ええ、とても骨折りをしましたわ」
カルクは部屋の奥へ行き一つのおそらく配置的にも部長用の席に座る。それを見てマストも容赦なく革のソファーに深々と座るとスチャッと目の前にコーヒーカップが置かれゆっくりとコーヒが注がれる。そのコーヒーを注ぐ手はシワだらけ。その手の元をたどっていくと長袖カッターシャツ。その上に黒色のノースリーブのタキシードを着た趣深い白髪の老人がいた。
「。。。ん?!なんで執事が居るんだよ!」
この人はカルクの家で仕えている本名は知らないがじぃとカルクが呼んでいる執事である。マスト自体もカルクの家に遊びに行く時じぃに必ずコーヒーを注いでもらっている。
「部活には必要ですよね?」
「だめだこりゃ」
マストはカルクのセレブっぷりに圧倒され黙ってコーヒーに手を伸ばし飲む。
この味だ。初めてカルクの家にお邪魔して出された時のコーヒーはとても甘かった。だが、日に日にコーヒーが好みの味に近づき今に至る。カルクから聞いた話だが、どうやらコーヒーを出すたびじぃが飲んでいる人の表情を読み取り改良したコーヒーを提供するらしい。なんて素晴らしい執事だ。
「あ、そうだ。他に部員はいるのか?」
「ん?居ないけれど?でも顧問の先生なら居るわ」
「…え?部活ってウチの学校では部員5人以上居るんじゃなかった?」
部活を作るのにはある程度の規定がある。まず部員は最低でも5人と顧問が所属していないと部として認められない。もしそこまで人数が揃わなくても3人、もしくは4人の場合は同好会として認められるが部活ほど部費はもらえない。
「このままじゃ同好会にもならないぞ?」
「そうですね。3人必要ならじぃを入れればいいじゃないですか。」
「いや、ダメだろ!」
「そうかしら…頼れるじぃを部員にすれば文句なしなのに」
「確かに頼れるけども…って、乙女か!」
マストがじぃのところに目をやると頬をポッと赤くし口を手で抑えどこか内股に見える。じぃは褒められることにめっぽう弱いのだ。褒められると耐えられなくなり青春真っ盛りの乙女のような反応を取るのだ。
「問題はそこじゃなくね?年齢だよ年齢!まず学生じゃないでしょうが!」
「じぃはいつまでも学生の心を忘れていないですわよ?問題はないでしょう」
「マスト様。恐縮ながら私は今青春真っ盛りでございます。今度一緒にトイレ行こうぜ!」
「誰がツッコミ手伝ってくれー…」
唯一頼れると思った執事までもがボケに回ってしまった。主人がああだと執事もまた似てしまうのか。
「じぃ!そんな言葉遣いではダメです!『トイレいっこうぜー』でしょ!」
「も、申し訳ございませんカルク様。じぃもまだまだ未熟でございました。」
「そこ突っ込みどころじゃねぇ!…てか、本当に部活どうすんだ?そもそも活動内容は?」
活用内容も部活設立にも必要な項目だ。例え会長であると言っても避けては通れない道だ。
「それはもちろん、《妄想の世界についての研究》です。」
「正気か?!」
こんなふざけた理由が通るだろうか。勿論マストには分かっている。だが、先生にそう説明したところで疑問符がいくつも生産されるのは容易に想像できる。
ただでさえ非現実だと言うのにこの少しネジの外れたお嬢様が口に出すと尚更だ。
「うそうそ、一応ボランティア部って事にしてるわ。活動内容は色んなことの手伝い。」
「なるほどなー。けど部員はどーすんだ?せめて同好会でも三人いるぞ??…まさか、じぃを入れて3人とか言ってないだろうな!?」
カルクならやりそうな事だが今回はちゃんとしているようだ。マストがカルクを心配するとカルクは「ノープロブレム」と言わんばかりの顔でこっちを見る。
「ちゃんとこの学校の生徒を呼びましたよ。」
「よかったぁー」
「ちょっとマストさんは私の事をみくびりすぎですよ」
「悪い悪い…。でも、そいつは誰なんだ?」
カルクが誘う人。あまりカルクと仲良くしている人は見たことが無い。しかも今回の件はとても重要だ。先生にはボランティアなどと誤魔化しは効くが、部員の生徒はそうはいかない。ちゃんと部員には説明しなければならないがな、まず妄想の世界に飛ばされるなどと信じてくれる馬鹿はいるのか。そもそもその馬鹿がカルクと友達など考えづらい。。。え?マストは、、例外だ。
とにかく。気になる。
「実は今日呼んでるんです。そろそろ来てもいいころなんですけどねー」
そう言いながらカルクはじぃの注いでくれたコーヒーをゆらゆら揺らし香りを楽しんでいると、コンコンと入ってきた戸がなる。
「入るぞ。」
との向こうから聞こえるのは聞いたことのない冷たい男の声が聞こえる。
「どうぞー」
「なんだこのカオスは…」
辺りを見渡しながらドアを開け入ってきたのはやはり知らない男。だが、ちゃんと学生だ。
その男が入ってくると、カルクは席を立ち男の側へと立ち寄りマストを向いて言った。
「マストさん。紹介しますね。こちらが部員の菅 ハラノ(すが はらの)さんです。」
読んでくださりありがとうございます!
夏休みの期間は出来るだけ短いスパンで投稿しようと思います。
P.S.
いいネタを思いついた時メモに書き留めるようにしているもののいざ見てみたら何書いてるか全くわからん




