気付いた時、既にお寿司の時間
ゴールデンウィークも終盤。どうお過ごしでしょうか。。。
私はマッサージチェアに揺られてます。
こんな時は小説でも読んでゆっくりしましょうね。
それではごゆっくりどうぞ〜
初めのポイントを横取りされたマストらは狙撃されないように中庭にある塀の裏で身を潜めていた。
そしてマストたちは気になっていたことがある。
『ねぇ、マストの体力どんな感じ?』
プレイヤーの体力。マストはさっきまでの戦いで攻撃は受けていないものの相当な妄想力を使っていたため体力もそれなりに消耗しているはずだ。
「それがなぁ、強がりでもなくこれっぽっちも消耗していないんだ。」
さっきの戦いの相手は妄想力を使ったために体力をかなり消費していた。しかし、マストは消耗していないと言う。『それなら…』とモモキがつぶやく。
『キルトが私達を撃った意味が分からないな…』
「撃ったらダメなのか?」
一見、相手の体力を減らすには撃った方が得に思えるが、モモキは知っている。
『キルトは楽がしたいんだ。それにキルトはサヤのペアを刺す一撃だけ狙ってきた。言ってる意味分かるな?』
「すまん、分からないw」
『本当に乏しい推察力だ…』
ある程度わかりやすいヒントを出したのだが推測できないマストはけなされた。無理もない、ひと戦終えたばかりというのもあるがバカだからだ。
『要するにだな、キルトは正面から戦ったりしない。なぜなら楽をしたい、かつ[一発の威力が他に比べて乏しい]からなんだ。これで分かるよな??』
流石にマストでも理解できる。あえて答えは言わずゆっくり頷いた。
キルトは楽をする性格だ。つまりはほとんど最後の一撃しか狙わない。いや、狙えないのだ。なぜなら他の武器と比べて威力が乏しいからだ。
そして、疑問点が浮かび上がる。
「じゃあなんで俺が撃たれたんだ!?」
『やっとそこにたどり着いたか。』
ようやく疑問点にたどり着いたはいいもののその疑問は晴れない。
キルトの楽がしたい性格、威力が乏しい事と、マストの体力が減っていない事を含めキルトのとった行動はポイントにならない、つまりはキルトにとって楽ではないのだ。
『キルトの作戦にしては大胆だ。もしかしてマスト、、甘く見られてる?』
「俺そんな弱そうか?!、、だとしてもあの男をあそこまで追い詰めた俺だぜ?」
マストは自分で自分を褒めてしまった事に少し顔を赤くする。
『ま、まぁマストのスキル的には問題はないな…』
その点を踏まえ問題点を探る。そして、マストはある事に気づいた。
「なぁ、モモキ。キルトが俺に撃ったのってなんでだ??」
マストは今考えている疑問を言葉にした。
『それが分からないでしょ…』
「じゃあさ、キルトってポイントを取るために撃ったんだろ?」
『キルトの性格から言ったらね。』
それも先ほど推理している事だ。
「じゃあ、今の時間って、なんだ??」
とても恐ろしい事に気付くやいなや全身が瞬時にして寒気に包まれる。
『それって、、、早く移動しよう!』
ポイントを取る為に狙撃するキルトだ。牽制?誤発?威嚇?そんな事をキルトがするとは思わない。
なら、なぜマストを狙ったか。それはポイントが取れるから。じゃあ狙ってきた場所にいないのは位置がバレたから。ではポイントゲットのチャンスを目の前にして隠れたか?いや、当然狙いに来る。
マストたちは一時的に塀に身を潜めて事を考えている間、行動は一切取れなかった。なぜなら相手の狙いに今の今まで気づけていなかったからだ。
「まずいな、これ!早くに気づけば!」
マストは辺りを注意しながらいつでも弾を弾き返せるよう中庭を駆け抜けて東校舎へと南側から駆け込む。もう狙撃される心配はない。
相手が動く敵を撃てなかったのか、もしくはまだ狙撃する場所にたどり着いていなかったのか運良く狙撃されなかった。マストは撃たれなかった事に安堵した。
『マスト!前!!』
駆け込んだ東校舎の廊下の先には銃を構えて今にも撃たんとばかりの女の姿がいた。
そしてついには発射された。
ーくっ!?
女の放った一発がマストの頭に直撃するその時だった。
ガコォォォーン
まるで予知していたかのようにマストの顔の前には超本格的な中華鍋が構えていた。
そして弾丸は中華鍋に当たり鈍い音を奏で起動を変え地面へ、カランッと転がる。
「あっぶねぇー。キルトなら来ると思ったぜ」
『えーよまれたかー。ちなみに理由を聞かせてくれない??』
マストとキルトがグロゼとモモキを置き去りにして話を進める。
「いや、流石に中庭にいる時に狙わなかったらここで待ち伏せてるのは確実だろ?」
マストは意外にも冷静に判断していた。しかし相手も同じだ。
『なるほどねー。でも、一発防いだところで、、』
ハンドガンだったキルトはサブマシンガンへと変幻した。
『次からはどーするの?』
一度は防げたはいいものの次の相手の攻撃はサブマシンガン。かなりの連射力に距離を取らざるを得ない。
そして攻撃の第2波が来る。
バババババッバババババ
響き渡る銃声。マストはまたしても妄想力で投擲盤のような壁を作り防ぐ。
『ねー。妄想力が破壊できるのは僕たちだけっていうのは知ってるよねー?』
「そんなぐらいしってらぁ!」
響き渡る銃声の中でキルトが時間の問題だぞと急かす。
妄想力は守護者の攻撃。もしくは時間経過によって形を失う。
今、マストが隠れている壁はキルトの威力が弱いのが幸いして防げているがどんどんと削れているのがわかる。それに時間経過で消えてしまう。どちらにせよ何か行動をしない事には意味がない。
『君の妄想力が尽きるか、僕の弾が尽きるか勝負だねー!でも残念な事に僕は弾切れしないしリロードも要らないんだー!』
「リロードいらねぇってチートか?!でも、残念だったな!俺の妄想力も底が知れねぇんだよ!」
銃声の中、壁を挟んで睨み合いが続く。しかしキルトが優勢だ。
キルトは距離を縮める事なく、マストの槍が届かないところから確実に壁を削る。
➖こんなのやっててもきりがないぞ。
ーそんなこと言われてもだなぁ
最悪の状況を覆すべく、策を考える。
ー相手の連射力考えたら当たるのは覚悟で攻撃しないとだな。。。
➖でも、キルトはマストを倒せる自信があるんだぞ?それが何であるか分からない以上下手に攻撃を受けない方がいい。それにまだマストは攻撃受けたことないだろ?
ーならどーするんだよ…
もう打つ手が無くなっていく。そう考えている間も銃声は鳴り止むことはなく壁を削っていく。そして壁の一部が貫通した。
「あっぶねぇー」
『そろそろ限界かなー?!』
もう時間がない。もう壁は10秒ももてばいい方だ。
ーなぁ、俺って妄想力凄くないか?
➖なに?この状況でいきなり。
いつキルトの一撃を喰らってもおかしくない状況でモモキに問う。
➖ま、まぁ見たことがないほどにすごいな
ーああ、そういう事だ!
マストは今までないほど強く念じた。
『なんだこれー?』
キルトは今までに感じたことの妄想力を感じ身を震わせる。
「これでも喰らえよ」
キルトの目の前に起こった現象とは神秘的でもあった。
蝶だ。モンシロチョウ、アゲハチョウ、クロアゲハ、カラスアゲハなど見慣れたものから見慣れないものが辺りいっぱいを飛び交う。
しかし、ついに壁が消去される。
➖マスト!撃たれるぞ!
防御力をなさない蝶の奥にマストは立っていた。キルトが撃てば確実に当たるだろう。
「どうだ?撃てよ!?」
なぜか自信げに挑発する。
ーキルト?撃っていいのよね?
今まで会話においていきぼりだったグロゼがマストの謎の行動に戸惑う。そしてキルトに問いかけるが応答がない。
ーねぇキルト?聴いてる??
『わぁ、蝶がいっぱい!?』
完全にマストの作戦にしてやられた。
キルトは蝶に興味を奪われ武器化も解除してしまった。
「なにやってんのキルト!?チャンスだよ?!」
『なに言ってんのグロゼ?チャンスだよ!蝶と触れ合えるのは何年ぶりだろう!』
キルトの目には嬉し涙があった。その姿はまるで親友との久しぶりの再会を見ているようだった。
しかしマストは逃さない。チャンスである。キルトが武器化を解除した今、相手は無防備だ。
ー見たか?!モモキ!これがバカが考えた最高の作戦だ!
➖そうね。楽しそう…
モモキの様子が少し変わっていた。いつもなら、チャンスだ!と急かしてくれるのだが、どこか心でキルトを羨ましいと思っていた。
「心苦しいものはあるが、こちらもポイントが欲しいからな!」
マストは蝶が舞い踊る廊下を駆け抜け、蝶と楽しく触れ合っているキルトを横切ろうとした、その時である。
『ゴメン。マスト』
マストの握っていた槍の感覚がいつのまにか消えていた。そして振り返る。
そこには武器化を解いて今にも泣き出しそうなモモキの姿だった。
その姿には蝶に夢中だったキルト、そしてマストとグロゼは目を奪われた。
「どうしたんだ。。。モモキ?」
マストの焦りに反応したのか辺り一帯の蝶が消えていく。
『あ、蝶々が…』
蝶々から目を離したすきに消えてしまった。
『とりあえずここは引くぞ。マスト。』
そう言って東校舎の南側にある階段に向かって歩いていく。
「ちょっと待てって!」
マストは慌てて追いかけその場にはキルトとグロゼが何もできずただ立っていた。
読んで下さりありがとうございます!
次々回の投稿が遅くなる可能性があります。
5月が終わるまでに投稿できるかできないか、、、いや、そんなに期待しないでくださいね(╹◡╹)
P.S.
競馬で680円勝ちって実質どーなん?




