優越感は孤独感に変わるの時間
久々の投稿かも、よく覚えてないけど…
始めに、沢山の小説を紹介してくださりありがとうございました。やはり皆様方の作品はどれも個性的かつ素敵な表現を使っていて、私の作品などまだまだ愚作であります。
これからも皆様の素敵な表現など参考にし日々精進いたします。
「我が名は《ミカン》!!!!」
禍々しくそして神々しいオーラに包まれた男の姿はまさに神秘的だった。
「貴様は我が前にひれ伏すがいい。」
男が剣に両手のオーラをまとわせ天に向ける。今の間合いではマストの槍がちょうど届かないほどで相手の剣は当然届かない。
「超強そうだけど、やるしかねーか。」
➖気をつけてマスト。相手の攻撃が分からない以上下手に動けないぞ。
ーあいつの攻撃ってモモキは知らないのか?!
➖あんな人かもわからないやつの攻撃なんて知らない…
現実ではもちろんだが、この世界的にも相手の男の現状は異常だ。ただ言えることは《相当やばい》。
静かな教室の中で張り詰めた状況が出来上がる。そして今、男が剣を振り下ろす。
「やばいっ!」
剣が届かない距離だとはわかっているが届くと思わず危険を感じる。その危機察知は見事に的中した。相手の振り下ろした剣からまとったオーラが刃となってマストに直撃する。
「いたっ…く、ない?」
『どうやらこれ妄想力ねー』
「我が攻撃が効かぬというのか!?」
妄想力、この言葉が意味することがわかった。
「んじゃ、こいつ厨二病か!?」
この世界では妄想力、この世界に存在する物体はプレイヤーに対しては無力だ。そう、攻撃に使えるのはモモキたち、守護者のみなのだ。
あの男が厨二病だということはなんとなく想像していたがいきなりの演技といい、現実とは違い演出が妄想力によって作り出される分迫力がある。
ーこいつ前はこんなキャラじゃなかったのに。人間の極限状態ってこんな感じなのかな…怖いもんだな。。。
「お前、そんな子供なことやってたら体力減るだけだぞー」
「お前ではない!《ミカン》だ!」
マストの軽い挑発に本気で答える自称ミカン。マストは負けじと対抗する。
「その《ミカン》って言う名前可愛いなー。それにお前の声も案外可愛いぞ。』
マストは自称ミカンを褒め倒す。
➖なにやってんのマスト?気でも狂った?
ーいいや、厨二病って言うのはな、、《褒められる》という行為に弱いんだ…
➖もしかしてマスト、って言うか、経験者の方ですね?
ーっ、、、
男の人なら誰でもこの時期を迎えただろう。大体の人なら恥ずかしい思い出や自己のブレーキで恥ずかしい時期を乗り越えるのだがそんな苦痛にも耐え厨二病を磨き上げたものが100校に1人はいる。マストの高校を除いては…。この話はまた後々。
ーてか、妄想力ってあんな使い方もできるんだな。これは使えそうだなぁ。
➖こんな使い方知らなかったけどな。マストならもっとすごいのできるんじゃないか?
妄想力の可能性は無限に近いのだとマストは確信した。
「褒めても無駄だ!私を理解するなど666年早いわ!」
「むだに年数こだわってんな…」
「次こそは我の刃を喰らわせてくれるわ!」
ミカンは再びオーラをまとい狭い教室の中を飛んでくる。そう、飛んでいるのだ。壁や机で弾くかのように軽やかに飛び跳ねマストの背後を取り剣を振り下ろす。
なんとかマストも反応して槍で防ぐ。そしてまた飛び跳ね教室中を飛び舞う。
「翼があれば飛ぶこともできるのかよ!?ってかこの動き、いつか喰らうぞ。」
➖妄想力の応用ね…次くるぞ。
「くっ!」
来るとわかっていても防ぐことで精一杯だ。相手の動きはランダムに飛び交う。それを追っていると目が回りそうだ。
ー早いとこ手を打たねーと。
➖どーすんの?
早く手を打たなければいつか男の素早い攻撃が当たり体力を持っていかれる。この状況をひっくり返すことが出来ないか、と少し冷静に目で男を追いつつ考える。
ーそうだっ!
マストが何か思いついた時、男がマストの背後を取る。マストは反応せず背後がガラ空きだ。
「もらったぁー!」
男が剣を勢いよくマストの背中に振りかかる。
しかしながら謎のオーラに阻まれマストには剣が届かなかった。そして体制を立て直し再び距離を取りマストの前で息を整える。
「な、なにっ!?」
「実に愚かだ。私に錆びた剣が届くはずがない。」
➖はぁ…
マストがとった作戦。厨二病にメタモルフォーゼ。声を少し低くし、闇のオーラをまとい、服まで黒を基調としたデザインに変化させる。
ーやっべ、超俺かっけぇ…
➖呆れた。
「息を荒げているが余裕がないようだな。私はまだ楽しめてないぞ。」
「貴様が余裕な顔でいられるのも今のうちだ。」
現実で行うと背筋が凍るほど寒いやりとりだがこの世界は妄想力で演出をそれなりに出すことができ意外にもカッコいい。しかし、ここで難点が生まれてくる。
[2人ともこの口調じゃ、読者の皆様が混乱してしまう!!]
➖作者の悩みかい…なんとか察してもらえるよう頑張るんだな。
モモキに励ましてもらい作者は理解できるよう精一杯頑張る事になった。
「では、次は私の力を見せるとしよう。。。はっ!!」
マストは厨二病全開で演じてみせる。いや、マストの桁外れた妄想力を見せつける。
背中にカラスのような漆黒の翼を炎の演出をつけて広げる。そして掌を上に開き青い火の玉を操ってみせる。
「どうだ、ちびってしまったか??」
「ふっ、その程度か、、、恐るるにたらんわ」
「その威勢、どこまで続くのか楽しみだっ!」
マストは火の玉を男に放つと同時に槍を突き刺しかかる。
男は体を翼で覆い火の玉を防いだせいでマストの攻撃を喰らってしまう。
一応言っておくが妄想によって生み出されたものでの攻撃は無力だ。
「くそっ!!」
男は遅れて剣を斬りつけるが剣が届く範囲にはマストはいない。
「お返しだ!」
さっきまでの男のように、いや、それよりも素早く教室を飛び交う。
「朽ちろ!」
男は撃ち落そうと火の玉を創り出し撃つが効かない。何度も言うようだが妄想で創り出されたものは無力だ。この男は厨二病現象によりかっこいい事をしてしまうのだ。
その点、マストはしっかりと理解しその攻撃を防ぐそぶりも省いている。
「そろそろ貴様、体力が不味いんじゃないか?」
この男はマストと違い妄想力により体力をかなり消費してしまう。
「さぁ、なんのことだか?」
しかし、男も引かない。
「なら、ついて来られるかな?」
そう言ってマストは窓を開けて中庭の方へ大きな翼で上へと翔け上がる。
「待ちやがれ!」
男は慌てて負けじと窓の外へ出てマストの後を追う。
「かかったな。」
窓を出た男が上を見上げると日に照らされ輝く槍を構えたマストがいた。
挑発に乗ると予測したマストは上に向かったと思わせ待ち伏せていた。
「お前の負けだ!」
「ぐっ…」
槍を男に突き刺し遠い地面へと急降下。まだ体力はあるようだが地面へ仰向けで倒れ武器は手放してしまっていた。
「哀れな剣士め」
案外、対人戦と言うのは漫画やアニメで見るバトルシーンとは違いすぐ終わるものなのかとマストは実感した。
そして、マストが最後の一撃を喰らわそうと槍を力強く振り下ろす。
「んっ!?」
マストの振り下ろした槍は地球を刺していていた。
とどめを刺す直前目の前で消えた男。生きている。いや、そんな事はない。動ける体力は残っていないはずだ。だとしたら、、、
『しゃがんで!』
指示とは反してマストは本来避けるべき攻撃を槍で弾いた。
さっきまで戦っていたマストにとってはこっちの方が良かったのかもしれない。
そして、攻撃が来た方向を辿ると校舎の空いた窓からだ。その窓には謎の影があった。
「誰だ!?」
『マスト、とりあえずここから離れよう。』
マストは頭の中ではまだ整理がつかないが、男の消失、窓からの攻撃といい分からないことが多い今、モモキの指示を聞くのが吉と思った。
少し移動し窓から見えない塀の裏に座り込む。
「さっきの攻撃は?」
マストは安全を確保するやいなやモモキに疑問点を直ちに問う。
『キルトだろう。そしておそらく男が消えたのもキルトだな。。。』
「というと?」
『トドメをキルトにとられたってことだな。』
残り体力が僅かだった男への最後の一撃は窓からキルトの狙撃により奪われたのだ。
モモキが何やらモニターを宙に表示する。まるで未来の技術にありそうだ。そこには《1、0、0、0、0、0》と表示されたとなりに知らない言語で何か書いてある。
『やっぱり。キルトにポイントが入ってる』
「くそっ!」
『マスト…』
残り少しまで体力を削った苦労が少しも報われない悔しさにマストは拳を固く握る。
たった一撃でポイントが入ってしまう。それがこのゲームのルールだ。どんなに戦っても体力を0にしないと意味がない。最後の一撃さえ喰らわせることができれば良い。しかし、それはそれなりのリスクを伴う。相手の戦闘を見張ってなければならない。つまり隙ができてしまう。それに本当に最後の一撃でなければ相手に場所を掴まれてしまうため相手の体力を見極める必要がある。
この点を含めると賢いと言いづらい作戦ではあるが簡単にしてやったキルトペアはすごいのかもしれない。そう考えたマストはため息を少し吐き、
「いやーいい勉強になった。。。次は俺がポイントを取ってやる!」
『そのいきだな!』
決意を固めるマストたち。時計の針は試験終了10分前を刺していた。残り時間はこの世界で約40分だ。
読んでくださりありがとうございます。
嬉しいことにブクマ登録の数が増えていたりアクセス数が大幅に増えたりとありがたいことです。
この作品は私が死ぬまで続きます。以後お見知り置きを…
P.S.
子供の時からの癖で未だに[適、敵…]などの[啇]この部分。[商]と書いてしまう。
ついでにeggをeegだと思ってた…




