テスト勉強なんてしてないよーの時間
四月始めての投稿だー。
四月から元号が変わると思ってたアホの一員でございます。
最後までお楽しみください!
『カメレオンってねー餌に最後まで自分の姿を見せることなく食べるんだよー。』
「それさっき聞いた。しかもそれ虫じゃないし何なら敵じゃんか」
『だから好きなんだよー??』
「話になんない。」
強い風が吹く日常では入ることを許されない場所。校舎の屋上。ここが入れるか入れないかで高校生活においてフィクションと現実を実感させられる人も少なくない。その場所からビーチパラソルくらいの大きさかなるあるものを褐色の女が構え覗き込んでいる。そこから見える景色は拡大され校庭。そして、激しく動く5つの影。
「ここ、どこ??」
見慣れた場所。日が眩しく輝く窓、そこから見える景色は遠い。時計の針は試験終了残り10分になろうとしていた。
『ねね!虫作ってよ!』
「うわぁ!ビックリしたぁ…キルト、まずは少し説明してくれる??ここ私の教室だよね?」
東校舎4回(最上階)の北側に位置する2年1組の教室に飛ばされた少女とキルト。急な転送に驚きが隠せない少女と、そんな事より虫を見せろと触覚のように跳ねた空色の髪を上下に揺らせながら少女にせがむキルト。
『虫作ってくれる??』
ーそんなん無理だけどなぁ、、、
「はいはい、作るからー」
『やったっ!なら教える〜』
プレイヤーたち以外に生物が存在しない世界。(守護者たちは生物と言っていいのか)
そんな世界で虫を作るなんて不可能な話だ。が、少女が知らないだけである。
『ここはスタート位置だねー。そんで今から戦いが始まるんだー♩』
「それは聞いたけどどーやって戦うの?」
『まぁ見ててよ!』
そう楽しげに言うとキルトが淡い青に光りだす。そしてその光はみるみると形を変え少女の耳に一割ほど、そして手のひらを埋め尽くす。やがて光は衰え立派な武器と中心に水色の宝石のようなものがはめ込まれたチョーカーへと変化した。
「何これ?!かっこいいじゃん!」
光が反射する黒のボディー。そして鋭く淡く光る水色のライン。小学生のような頭お花畑のキルトからは考えにくいデザインは非の打ち所がないほど立派な拳銃だった。
『すごいでしょ〜』
「うん!すごいよ!これで戦うの??」
『まぁーねぇー、もっとたくさん変われるんだよ!』
そう言ったキルトは再度光り、ショットガン、スナイパーライフル、マシンガン…と色々な銃に変化してみせる。そう変化するたびに「すごーい」と喜ぶ少女。
『ねーねー、虫作ってよ〜』
「またその話〜?でもどーやって作るのさ??」
『あ、教えてなかったか?!』
テヘッとする姿が目に浮かぶような口調でドジっ子アピール。
『なら教えるよ!』
そう言って武器化を解除し再び少女の前に現れる。
『まずはかわいい虫さんを想像して〜??』
「かわいい虫??んー…」
ーかわいい虫って何だろう…てんとう虫とかそのあたりかな?
『想像できたらこの世界に入ってきた時みたいにパー!って妄想してみて!』
キルトの抽象的な表現につまずくが実際のところこんな説明でこの世界に入れたのだからこの少女もなかなかのものだ。
ーパーってするのね。てんとう虫よ、でてこいっ!!!
そう念じ少女が身を開けて手を見るとそこには赤と黒のスタンダードなてんとう虫がいた。それを見るなりキルトが飛びつき優しく取り上げる。
『わぁ〜。ナナホシテントウだぁ!かわいぃ〜。ありがと!』
少女はキルトをまるで5歳児の娘を見る母親の気持ちになる。
ー虫がそんなに好きなんだぁ。こうして見ると案外キルトもかわいいんだなぁ…
「ねぇキルト私とても疲れたー。」
創造をした少女は疲れ切っていた。
『あーこの力を使うとね、体力を消耗しちゃうんだ。慣れてくれば疲れなくなってくるよ!』
この少女はマストと違い妄想力が低いようだ。それに最も違うのはテストのために夜遅くまで勉強をしていたためより疲れが溜まっている。
「こんなことなら昨日ちゃんと寝ておけば良かったかもなぁ。」
「あ、そうだ」と、少女が続ける。
「ちゃんとこのゲームの説明聞いんだけど教えて??」
首を傾げてキルトに聞く。
『えーっとね〜』っと、ポイント制であることやその他もろもろのルールを少女に長々と説明した。キルト口調だと長くなるので割愛。
そして時は過ぎ試験終了5分前くらいになっていた。
「なるほどね。長かったけど少しわかったわ!」
『そろそろ動こうか。向こうの校舎でもう楽しい事始まってるみたいだし♩』
ー楽しい事??
そう言ったキルトは再び武器化しスナイパーライフルになっていた。そしてその武器は少女を階段へと引き導く。その階段を上がり屋上にたどり着いた。
「いいのかなぁ?」
『いいのいいの、誰もいないし。』
普段立ち入ることが許されない屋上に入る事を拒んだが気軽なキルトを見るや勇気を出してそこへと踏み入れた。
『校庭側に近づいてくれる?』
キルトの支持されるまま少女は足を運ぶ。
ーうわぁ、高いの苦手なんだよなぁ。
高所恐怖症の少女には辛い場所だった。
『ここで待つとしよう。もう時期ここに来るだろう。あの先輩なら…』
「先輩…??」
『いや、なんでもないよ?ここで僕を構えてて?』
先輩というワードが気になった少女だが、さっきの疲労と高くて足がすくんであまり声を出す元気もなかった。そして言われるがままに『楽しい事』がある方を背にし校庭に武器を構える。
そして間も無く少しの地響きが聞こえ《ババーン》と窓を勢いよく開ける音が鳴り響く。その後5人プレイヤーが激しく戦いながら校庭を駆け巡る。
『さぁ。ゲームの始まりだ。』
そう獣のような口調の声が聞こえた。それは紛れも無いキリトの声だった。
読んでいただきありがとうございます(^∇
次の投稿は10日くらいかな…(あてにしないでね
P.S.
最近脇汗がなぜか酷いからパンパース脇に履いてます(╹◡╹)




