出会い
宙夢は、突如現れた光に飲み込まれ、そこで気を失った。
あの光はいったい何だったのか?
そして、最後に聞こえてきた『たすけて』というあの、女の子の声...
そんなことを、遠い意識の中で考えていた。
すると、またどこからか声が聞こえてきた...
「おい...おい...大丈夫か?」
「まさか、死んでいるわけじゃないのか?」
そこで、宙夢は意識が戻り、目を覚ました。
「痛っ...ここは、ふつう女の子が助ける場面じゃないのかよ?」
門のど真ん中で倒れていたのだ。普通の神経であれば『ああ、大丈夫だ。』なんて、恥ずかしくて言えるはずがない。
「おいおい、助けてやっているのにその言い草はないんじゃないのか?」
「ごめんごめん、俺は大丈夫!!」
体を起こそうとすると、全身に急激な痛みが走った。
「大丈夫なわけがないだろ!!!お前、どこから落ちてきたと思っているんだ!」
「足の骨も折れているんだぞ!!」
宙夢は、この男の発言に対し、痛みに顔を歪めながらも内心で、『エ―――!!』と叫んだ。
先の、この見知らぬ男の発言を思い返してほしい。
この男、『大丈夫か?』と、足が折れていることと、事の顛末を知っている状況で言っていたことになるのだ。
「他人が、この状況で大丈夫か?と声をかけてきたら、ふつう、まず大丈夫って言っちゃうだろ!?」
「それに、知っていたなら、手当ぐらいしてくれ!!!」
さすがに、普段から無気力な宙夢も、この状況では思わず叫んでしまった。
すると男は、呆気にとられたような顔で、耳を疑うようなことを言った。
「え?そのくらいスキルで治すことができるだろ?」
は?スキル???
何を言っているんだ?と思った。
「まさかとは思うけれど、君、異世界から来たんじゃないだろうね?」
「一つ聞くが、君の国の名前は何というんだい?」
なんのことを言っているのか、宙夢は、さっぱり理解をすることができなかったが、男の顔は親権その物であったため、答えた。
「日本だが?」
すると男は、急に泣き出して、驚いた顔で抱きしめてきた。
「ああ、まさか、俺と同じ仲間がここに居たとは!!」
は?なんのことだ??こいつは、俺と変わらない年齢に見えるくせして、何を中二病のようなことを言っているんだ?
「お前!何を言っているんだ!!一体何なんだ!?」
と、足の痛みも忘れて、問いかけた。
「落ち着いて聞いてくれ。ここは、君の居た日本じゃない。異世界なんだよ。」
「はぁ??異世界?この俺が??そんなアニメの世界じゃあるまいし!!」
それも当然。普通の人間であれば、中二病でもない限り、信用できるわけがない。
すると男は、宙夢の足に手をかざし、いきなり何かまじないのようなことを唱えた。
「ヒーリング!!!」
すると、みるみる骨折が治り、その驚きで宙夢はまた気絶した。




