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冬の熱に浮かされて。  作者: モノクロ王子
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高校生の私の過ち






─私の初体験は、高校2年の冬だった。







受験を約一年後に控えた季節。

面倒くさい体育はサボるし座学は睡眠。そんな私がやりたいことを見つけた。

コートの中を忙しなく動き回る選手達。

決してボールを手に持っては行けないというその競技は、私の興味を引くには十分な魅力を持っていた。

「バレーボール・・・」

やってみたい、と思ってから行動に移すのはすぐだったように思う。

家の近くで活動している地域のチームをネットで探し、すぐに連絡をとった。

そして幸いにも受け入れてもらうことが出来、全くの初心者からバレーを始めた私だったが


その約1週間後、私は予想もしていなかった体験をしたのだった。



「わーお、これどこに体育館あるんだろ。」

チームの活動場所である中学校に足を運んだ私は、校門に1歩踏み入ったところで動けなくなっていた。

何せ始めてくる地。そびえ立つ大きな校舎くらいしか目には入ってこないし、これは詰んだ、と事前に調べてこなかった自身を恨んだ。

しかし、スマートフォンという携帯電子機器が普及した今の世の中でこんな問題を解決できない人はきっといないだろう。

いたとしたら相当な機械音痴か不慣れな馬鹿だけだ。

もちろん私はその両者どちらでもないと自覚はしているため、すぐに某ウェブサイトで学校名の検索をかけた。


かくして無事に体育館の場所を割り出した私。

余所者、というレッテルを全身に貼られたような疎外感を身に覚えながらも、震える体を縮こまらせてゆっくりと足を運んだ。

徐々に近づく目的地。

それに比例して大きくなるボールの音とスキール音。

ガラガラと扉を開けた私の目に真っ先に飛び込んできたのは、茶色い大きなバスケットボールだった。

瞬間、間髪入れずに私の顔に当たったそれに、小さく悲鳴が漏れた。

鼻に当たった痛みがじんわりと顔に熱を持たせる。

「あー、大丈夫?ほんとごめんねー!」

足元に転がったボールを一瞥して手に取ると、ふと視界の外から声をかけられてぱっと顔を上げた。

立っていたのは男の人。

いくつだろうか。

おそらく二十歳はゆうに超えているであろうその顔に、大丈夫ですよと丁寧に返事を返す。

「初めての子だよね?」

「はい。あの、私バレーだと思ってたんですけど・・・。」

「バレーであってるよ!俺がただ暇でバスケしてただけ。さ、入って入って。」

初対面の割にフレンドリーな人だ。

けれどまぁ悪い気がするわけでもないし、と靴下で体育館に入ると、奥に一人女の人がいるのが見えた。



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