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白い黒猫のタンゴ(短編集)

それはないと思う

作者: 白い黒猫

 近所に味噌が自慢のラーメン屋さんが出来たので友達三人と行くことにした。

 オープンしたての事もあり行った時にはもうかなりの混雑だったのでウェイティングリストに「オグリ」と自分の名前を書いて三人で待つ事にする。パッとみると待ってる人は十組あって、俺の上は「サネトウ」さんでさらに上は「サイトウ」「サトウ」と続いているのを確認して友達の所に戻ることにした。

 そして友人とメニィーを眺めながら何にするかを相談しながら待つ。やはりピリ辛ネギ入りの北海道味噌は美味しそうだ。

「四名でお待ちのサトウさま~!」

 ほぼ気持ちを固めたころ、サトウの名前が呼ばれる。そろそろ俺達の順番が来たようだ。

「順番前後して申し訳ありません。二名でお待ちのサネトウさま~カウンターでのご案内でよろしいでしょうか?」

 そしてサネトウさんが店内へと入っていく。俺は友人に『次の次だから、俺の順番』と耳打ちする。

「五名でお待ちのサイトウさま~」

 サイトウさんも呼ばれ、いよいよ俺の順番である。しばらくして店員さんがリストを手に、呼びにきた。

「三名でお待ちのオグソさま~!  オグソさまいらっしゃいませんか?」

 え? 俺達ではなかったの? そう一瞬考え、俺は哀しい事実に気が付く。

「オグソさま~!! オグソさま~おられませんか?」

 店員さんは尚もその名前を連呼する。俺はその店員さんを呼び止める。

「あ、あの、すいません。それ、オグリですよね? それだったら俺なんですが……」

「あっ! 申し訳ありません! オグリさまですね!! そうです、オグリさまです!

 ご案内します!!」

 すまなそうに店員さんに謝られながら席に案内された。

 俺の文字の書き方が悪かったというのか、店員が悪いのか。でもそんな名前実際あると思ったのだろうか? しかも味噌味のラーメン屋でそんな言葉大声でよく言えたと思う。

この物語はフィクションでもなく、実際私が目撃した事を元に描かれています。

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