1/1
プロローグ
世界はどうしようもないくらい真っ直ぐで、歪んでいて、誰も手が付けられないような場所で、でも必死に生きようとしてたりする人達のお話。
雨が降ると気が楽になった。
まるで、僕を洗い流してくれるみたいで。
雨が降ると少し怖くなった。
まるで、私を通せん坊してるみたいで。
雨が降ると気分が下がった。
まるで、俺に染み付いた血を流すみたいで。
雨が降ると凄く寂しかった。
まるで、ボクを溶かそうとしてるみたいで。
雨が降ると気が滅入った。
まるで、自分を壊そうとしているみたいで。
彼等五人の、 全ての始まりは雨が降る頃。
全てが違って、全てが正しい世界の真実を――