第3話 ギルドと不揃いなパーティ募集
コウは辺境の街エルヴァンスのギルドへと向かった。
追放された魔道士であるコウが、以前のようなSランククエストを受注できるはずもなく、受付に貼り出されたのはD、Eランクの低賃金クエストばかりだった。
彼は特に、比較的報酬の高いBランククエストの掲示板の前で立ち止まった。
「Bランク『古の遺跡探索』か……ソロでは危険すぎる。3人以上のパーティが条件……」
コウは焦燥感を覚えた。この辺境では、強力な魔道士は盗賊や荒くれパーティから狙われる獲物でしかない。特に、王都から追放された身では、後ろ盾もない。襲撃から身を守るためにも、いち早くパーティを組む必要があった。最低限の人数を集め、表向きは安全なパーティとして活動しなければならなかった。
彼は仕方なく、クエストのパーティ募集欄に「魔道士(回復)大歓迎。腕利き優遇」と書き込んだ。しかし、この辺境の街では、まともな魔術師など見つかるはずもない。
「魔術師(回復)だけ見つからないな。誰でもいいから来てくれれば…」
コウが募集欄を眺めていると、一人の男が声をかけてきた。
「よぉ、魔術師! お前さん、腕利きと聞いてきたぜ」
その男はアフと名乗った。軽薄そうな笑みを浮かべた盗賊で、茶色の髪と、どこか落ち着かない様子の瞳を持つ。
「俺は盗賊のアフ。手先は器用で、罠解除はお手の物だ。**行方不明の友人(茶髪の女獣人)**を探す資金が必要でな。まぁよろしくな兄ちゃん」
アフは早口で自己紹介を終えると、コウの返事も待たずにパーティに加わる意思を示した。コウはダウナーな顔のまま、アフを警戒しつつも承諾せざるを得なかった。
「……盗賊か。後衛の魔術師が必要なんだが」




