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よろしくお願い致します。
予定よりも遅くなってしまった。
泊まる宿は露店街からちょっと離れていたので私は急いで宿に戻った。
「ただいまー。ちょっと遅くなってしまってごめんね、お父様」
「おかえり、ローザ。帰ってきて早々だけど今からご飯食べに行こうか?」
「うん、私、もうお腹ぺこぺこだよ」
「ローザ、食べたものはある?」
「私はたまには肉が食べたいかな」
「そうだな、うちでは肉はあんまり出てこないからね。今日は肉を食べに行こうか」
「肉は高いからね…。うん、こういう時くらいはいいよね。私はポークステーキが食べたいな」
「いやいや、今日は思い切ってビーフステーキにしよう」
なんと!お父様が牛肉のステーキを食べさせてくれるらしい!
滅多にないからめちゃくちゃ嬉しい!!
「わーい!食べたい!!どうしたの?どこかいい店があるの?」
「さっき、ローザが出かけている間に良さそうなお店を見つけたからそこにしようかと思う」
しかもお父様が店を見つけてくれたらしい。美味しいといいな。
お父様の見つけた店へ早速私達は向かった。
お店は宿のすぐ近くにあった。夕食にいい時間だからすぐに席に座れないかもと思っていたが、案外空いていてすぐに席を用意してもらうことができた。
「あれっ?ローザ嬢?」
お店に入って席へ案内されて、席に向かっていると途中で声をかけられた。
声の方を見るとさっきのイケメン店主のネオ様がいた。ネオ様はさきほどかぶっていたローブを脱いでいた。イケメン具合はめちゃくちゃわかりやすくなっていた。
めちゃめちゃイケメンなのでお店にいた女性の視線も集めていたが、本人は慣れているのか全然気にしていないようだった。
「ネオ様、先程ぶりですね。ネオ様もお食事ですか?」
「うん、ここのハンバーグはとても美味しいって評判みたいで俺も食べにきた」
まさか、またすぐにネオ様に会うなんて。お父さんが肉を食べさせてくれるためにきた店はハンバーグが美味しいらしい。まだお目当てのハンバーグは出来上がってないようでネオ様の元にはなかった。
「ローザ、知り合いか?」
私がネオ様と話しているとお父様が声をかけてきた。お父様はめちゃくちゃイケメンだからなのかネオ様にちょっと警戒していた。
「あ、お父様、さっき露店でよくしていただいた店主の方」
「露店?」
「うん」
私がお父様に説明しているとネオ様が席から立ち上がってお父様に挨拶をしてきた。
「初めまして、ネオと言います」
「ご丁寧にどうも。私はペオースと言います。娘がお世話になったようでありがとうございます」
ネオ様が挨拶をしたのでお父様も返していた。
「いえいえ、こちらこそ」
お父様の挨拶にネオ様も律儀に返していた。
「お待たせ致しました。ハンバーグです」
そうこうしているうちにネオ様が注文したハンバーグが運ばれてきた。
ネオ様の話を聞いたせいもあるかもしれないけどハンバーグ、めちゃくちゃ美味しそう。ネオ様もハンバーグは温かいうちに食べたいだろう。
「お父様、ネオ様の食事邪魔しちゃ悪いし、お店の人待ってるから早く席に行こう」
私はここは店の中でまだ席に案内されている途中だったことを思い出した。
「ネオ様、また」
「ああ」
私はネオ様に挨拶をして案内されている席に向かった。
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