84
よろしくお願いいたします。
とうとう王妃様との面会の日が来た。今日で工房に住み始めて1ヶ月が経つ。 ネオはまだ工房には顔を出さない。戻って来ていないみたいだった。
私はこの前のワンピースを着て、イヤーカフを付けた。もちろんイヤーカフは両耳に付けてイヤリングに見えるようにしている。
「ヤラ、どうかな?」
(うん、いいと思う。でもローザ、靴ってそれで行くの?)
「しまった!靴のことをすっかり忘れてた。この前もこのままで行ったけど、何も言われなかったから気づかなかった」
(今からはもうどうしようもできないから、シルクリア商会の人に靴を借りれば?)
「うん……そうだね。オシラ様に話すよ」
(よく思うけど、ローザっておっちょこちょいだよね)
「うん。自覚ある……」
失敗したのは靴だけかな。王妃様にお見せするイヤーカフは納品した分からオシラ様が持っていってくれるみたいだから、イヤーカフは大丈夫だからよかった。
いつもの靴を履いて乗合馬車に乗ってシルクリア商会へ向かった。
「こんにちは、オシラ様をお願いいたします」
シルクリア商会の受付にいるいつもの女性に声をかける。
「ローザ様、こんにちは。奥様から伺っておりますのでこちらへどうぞ」
受付の女性から普段通される応接室とは違う部屋に案内された。
コンコンコン
「ローザ様をお連れしました」
「はい、どうぞ」
中にオシラ様とオシラ様の他に2人の女性が居て、1人はオシラ様のメイク中だった。もう1人の女性が私の方へ来て話しかけた。
「ローザ様、初めまして。私はベリルと言います。今日のローザ様の髪のセットとメイクを担当させていただきます。よろしくお願いいたします」
ベリルと挨拶してきた女性は髪も化粧もバッチリ決まった女性だった。
「こちらこそよろしくお願いいたします」
「では早速ですけど、こちらへどうぞ」
オシラ様の横に案内された。オシラ様はメイク中だったので話ができない状態だった。終わったら挨拶しよう。
オシラ様の横に座ってまず髪のセットをしてくれた。イヤーカフがよく見えるようにハーフアップにしてくれた。そのままお化粧に突入する。
「ローザ様は肌がお綺麗ですね。顔立ちも化粧映えのする顔立ちなのでやりがいがあります」
そうなんだ。プロの方にやってもらうのは初めてだからどんな風になるのか楽しみだな。
髪のセットからお化粧まで始まって30分くらい経った。
「できましたよ。とても素敵です」
鏡を見せてもらうといつもの私ではなく、しっかりとメイクされた顔になっていた。別人とは言わないけど普段より大人っぽい感じに仕上がっていた。
「ありがとうございます」
「ローザ様、大人っぽくなって色気が出て素敵ですね。ネオが見たら惚れ直しちゃいそう!」
オシラ様から嬉しい言葉をいただいた。せっかく髪型もセットしてもらってお化粧もしてもらったからネオに見せたかったな。
そうだ!忘れてた。靴のことをオシラ様に言わなくちゃ。
「オシラ様、私靴を準備し忘れて……」
「大丈夫よ。この前、靴が合ってないことに気づいていたから準備しておいたけど、サイズは合うかしら?何足か用意はしてるけど」
オシラ様にメイクしていた女性が私のワンピースの色の合わせたヒールの靴を何足か持ってきた。
「すみません。ありがとうございます」
早速履いてみるとピッタリのものがあった。
「これなら大丈夫です」
「よかったわ。準備が整ったから馬車に乗って王城に向かいましょう」
オシラ様と一緒にシルクリア商会が用意してくれた馬車に乗る。とても豪華な馬車だった。私がいつも乗っている乗合馬車とは比べ物にならないほど揺れも少なくお尻も痛くなかった。
「すごく乗り心地の良い馬車ですね」
「これは私の実家の馬車なのよ」
こんな豪華な馬車を所有しているなんてオシラ様のご実家って貴族だったりするのかな?気になるけど、聞きづらいな。
とても乗り心地が良くて思わず寝てしまいそうになるのを必死に堪えて私はオシラ様と王城に向かった。
お読みいただきありがとうございました。
たくさんのPV、いつも本当にありがとうございます!
もし作品を楽しんでいただけましたら、お気に入り登録や評価などいただけると大変励みになります。
是非是非よろしくお願い致します!!m(_ _)m




