8 王太子視点
本日2話目です。よろしくお願い致します。
(ネオー!!やったね!!やっぱりあの子、ローザって子が番だよ〜!ネオ?)
イングは大興奮して俺に話しかけてきた。イングの念願の番がやっと見つかった。
俺はというと自分自身の変化に戸惑っていた。
『ああ、聞いてるよ』
(どうしたの?何か変だよ?)
『いや、番に会った時の自分自身の変化がすごくて… 』
(どういうこと?あー!もしかして一目惚れしたとかぁ?)
イングがニヤニヤしながら聞いてきた。
『一目惚れってしたことがないからわからないけど、なんか身体中が熱くなっていきなりあの彼女、ローザって言ってたけど、ローザのことがすごく気になり出してさ。普段は見ず知らずの女性の客に名前なんて聞かないんだけど』
(しかも彼女の作ったペンダントとネックレスの交換しちゃうなんて)
『そうなんだよな…俺自身も自分で驚いてる。早く繋がりを作らなければって』
(うんうん!それが番と出会った証拠だよ!番と出会うと理屈とか抜きで気になる存在に早変わりしちゃうんだよね!)
『それは実感してる』
出会ったらこんなに変化があるなんて……俺は正直にいうと番に会っても俺自身は何も変わらないんじゃないかって思っていた。それがなぜかローザのことが気になってしょうがない。
顔見知り程度の仲じゃなくて、親密な関係になりたい。ローザも同じように思ってくれたのだろうか。
(ネオ?私の話聞いてる?返事ない〜こりゃダメだ〜番パワーに当てられてる!)
イングが何か言っていたのだがローザと交換したペンダントを見つめながら俺はローザのことで頭が一杯だった。
(おーいネオ〜、そろそろ自分の世界からこっちに戻ってきて〜!! もう目的達したからお店閉めて帰ろうよ〜他にお客さん来ちゃうよ)
番となる女性に俺のネックレスを渡すことが無事にできたためひとまず俺たちの目的は達成。
俺の運命の魔術師としての守護精霊の顕現の詳細な方法は夢の中だ。
ジュエリーに守護精霊を顕現させるための魔力が宿っているためつけたまま眠ることが顕現には一番早いが、寝るときにつけてなくてもジュエリーを持ち歩いたり、身につけている時間が長くなればジュエリーと同調して夢に守護精霊が現れて顕現する。
たまに大切にしすぎてしまっておいたり、置きっ放しにしている人もいる。そういう人も身につけたりする人より時間はかかるがそのうち同調して最終的にはちゃんと夢に守護精霊が現れて顕現するようになっている。
あとはローザが交換したジュエリーのネックレスを身につけ続けて無事に守護精霊を顕現させることができれば。
『そうだな。誰もきていない今のうちに店は閉めて帰ろう』
イングの提案にのって俺は露店を閉めることにし、並べてあるジュエリーを丁寧にしまいだした。
せっかくだから帰る前にこの町の様子も少し見ていこう。
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