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よろしくお願いいたします。
ネオの工房から宿に戻ってきた。今日はネオとの関係が一気に進んだ日だった。ネオって呼べるようにもなったし。
私は今日のネオとのやりとりを思い出して1人でニヤニヤしていたようでヤラに突っ込まれた。
(ローザ、よっぽどあいつと付き合うことになって嬉しかったんだね)
「うん。すごく嬉しい」
(良かったね)
「うん、ありがとう。ヤラ」
そういえば、付き合うことになってもヤラは実体化しなかった。
「ねぇヤラ、なんで実体化しなかったの?するって言ってたじゃん」
(……もう少し待って)
「私の気持ちをネオに伝えたし、ネオと付き合うことになったよ。それでも?」
(……大事なこと忘れてた…… )
「えっ?何?なんて言ったの?」
(ごめん、とにかくやっぱりもう少し待って)
「……わかった」
(ごめんよ。ちゃんとすべき時にはするからさ)
「いいよ。やっぱりヤラの考えとか気持ちも変わることがあるだろうしね」
(そういうのじゃないけど…… )
たまにヤラの言葉は聞き取れない時がある。さっきも今もそうだ。
「えっ?何?なんて言ったの?さっきも聞き取れなかったし、今も聞き取れなかった」
(ごめん、気にしないで)
ヤラが素直に謝ってきたのでこれ以上追求はしなかった。
(そういえば、ローザは明日からどうするの?)
「うーん、とりあえず、シルクリア商会にイヤーカフを作って欲しいって言われたから、明日は午後からネオの工房に行くつもりだよ」
(朝はどうするの?)
「朝は久しぶりにゆっくり寝てようかな。今まで忙しかったし、王都に来るまでもゆっくり寝てられなかったから」
(それもいいね!たまにはゆっくりするのも大事だよね)
「うん」
私はネオとのことで嬉しくて眠れないと思っていたけど、シルクリア商会に無事にイヤーカフを納品できたことで気が抜けたみたいで、よく眠れて目が覚めた時にはもう昼を過ぎていた。
「わーもうお昼過ぎちゃったよ。久しぶりによく寝た」
(ローザ、おはよう。よく寝たね)
「うん。ぐっすりだった。でもなんかちょっと調子が悪いかも」
私は今までの疲れが出たみたいで、身体がだるく感じていた。
(それなら無理せずにあいつの工房に行かずにまだ寝てたら?行くって約束はしてなかったみたいだし)
「うん。そうする。お父様の手紙もまだ届かないだろうから、今日は工房に行かなくて寝てることにする」
私はとても久しぶりに体調を崩したようだった。幸いグラノーラを沢山買い込んでいたので部屋から出なくても1日くらいならなんとかなる。
コンコンコン
部屋のドアがノックされた。私は調子悪かったけど、ベッドから起き上がって扉を開けた。
「はい……」
「すみません、お客様がお見えになっていますので下のロビーに来ていただけますか?」
宿では、宿泊客に訪問者があると、受付を通して呼んでくれる。その場合は防犯も兼ねて下のロビーで会うことになっている。
私に来客があったらしいけど、ちょっと調子悪いからどうしよう……
「すみません、ちょっと体調が悪いので下まで行って会うのはちょっと…… 」
断ってみたところ、宿の人が部屋の前までその人を連れてきてくれるとのことだった。それなら下に行くよりましだ。
コンコンコン
再びノックが聞こえた。
「はい」
「すみません、お客様をお連れしました」
ドアを開けると宿の方と一緒にいたのはネオだった。
「ネオ…… 」
「じゃあ、私は失礼致しますね」
「ありがとうございました」
ネオだけ残って、宿の人は戻って行った。
「いきなり訪ねてしまってすまない。オシラのところへ行った帰りだったんだ。ローザの泊まっている宿を聞いたから寄ってみたんだが、ローザ、大丈夫かい?」
「うん…… ちょっと身体がだるくて。今日は1日寝ていようかなって思ってる」
「熱はあるのかい?」
ネオが手を伸ばして私のおでこを触った。
「熱はなさそうだね。今日はゆっくり休んで。あとで宿の人に食べるものを渡しておくから受け取って」
「ありがとうございます」
ネオは帰っていった。せっかく来てくれたけど、体調が悪くてゆっくり会えなかった。あとから宿の人が部屋にネオからの果物やパンなどの差し入れを届けてくれた。
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