78 王太子視点
よろしくお願いいたします。
とうとう俺はローザに気持ちを伝えてしまった。ローザも俺のことが好きだとわかってじわじわと喜びが込み上げてきている。
(ネオ〜良かったね!ローザもネオのことが好きだって言ってくれて!)
イングが大喜びしながら話しかけてきた。
「ああ。本当にすごく嬉しいよ」
ローザがそのうち一緒に住みますか?って言ってきたのには驚いた。ローザは俺との結婚も意識してくれていると思った。しかし、その割にヤラは実体化しなかった。
(でも、まだヤラは実体化しなかったね。私は早く会いたいのに)
イングも同じことを思ったらしい。
「……そうだな」
(なんでだろう?ネオの正体のことがあるから?)
「だろうね」
ヤラは俺の正体を知っている。
(あーん!早く実体化したヤラに会いたい〜!!)
「イング、すぐにヤラに会わすことができなくてすまない」
(しょうがないよね、結婚するにはまだ根回しも必要だし)
「それで俺はまず、ローザ本人よりもエイド子爵に明かすことにしようと思う」
(ローザのお父さんに?)
「そうだ。王家から婚約の申し込みを送る」
(ローザのお父さん、ネオのこと全然気づいていかなかったからびっくりしちゃうんじゃないかな?)
「いや…… なんとなくやっぱりって思うんじゃないだろうか」
(気づいてたっけ?)
「既視感を感じてたからね。でもエイド子爵からローザに伝えてしまいそうなのが心配だけどね」
(ローザにはネオから話しますと書いておけば?)
「それはもちろん書くつもりだよ」
それからオシラだ。ローザにシルクリア商会から宿を取ってくれている。それをやめて俺の工房に住むことをオシラに伝える必要がある。オシラにいえばロッド会長にも伝わる。
ローザの王都での生活や俺との今後に関してなど色々と根回しが必要だった。
俺は早速王城に戻り、国王である父と王妃である母にローザのことを話した。
父と母は守護精霊同士が番の女性と思いが通じ合ったことをとても喜んでくれていた。
元々、俺が王太子なのにジュエリー作成をすることを父はあまり快く思っておらず、守護精霊の顕現がジュエリーからと判明したので仕方なく許してくれていた。
母は父とは違って、俺の好きなことや、やりたいことなどありのままを受け入れてくれる人で、最初から応援してくれて俺のジュエリーもよく身につけてくれていた。
そんな母であったため、ローザが俺と同じようにジュエリーを作る女性ということをとても喜んでくれていた。それにオシラからだと思うが、ローザがイヤリングに見えるイヤーカフを作っていることも知っていた。
母は“私もローザ嬢のイヤーカフを見てみたい“なんて言っていたからそのうちオシラに届けさせるのではないかと思っている。
両親に話をして、宰相にも伝えてやっとエイド子爵に婚約申し込みの手紙を書くことができる。
まずは俺が王太子であること、そして、ローザに婚約のことは俺から話すから黙っていてほしいがすぐにローザに話せるかわからないから話したらまた連絡すること、それまでは俺の工房に住んでもらうことなどを婚約の申し込みとともに書いた。
(いくらネオに既視感があったとしても、王太子から子爵令嬢に婚約の申し込みが来るなんて思ってもいないよね?)
イングの言葉で俺は大事なことを思い出した。エイド子爵は王太子と守護精霊同士が番だと王妃になるということを知らない。
「イング、ありがとう。大事なことを書き忘れていたよ」
(もしかして、ローザのお父さんは王妃の選び方を知らないの?)
「ああ。知らない」
(そしたら、書かない方がいいんじゃない?)
「なぜだ?」
(だって、ローザのことが好きで婚約を申し込むんじゃなくて、番だから申し込んできたって思っちゃわない?)
「でも、俺がローザにジュエリー作成を教えたことを知っているからそこで好きになったって思うんじゃないか?」
(どうかな…… )
「たとえ、そう思ったとしてもエイド子爵も貴族だから、貴族は自分の感情だけで結婚できないことはよくわかっていると思うが、でもイングがそういうなら、それは書かずにおくよ」
(うん、なるべく変に誤解されないようにしたいからね)
俺はエイド子爵の手紙にローザと守護精霊同士が番であることは書かずに送ることにした。
そして、オシラにも手紙を書いた。オシラにはこの前偶然会った時にローザが俺の相手だと伝えてあるため、エイド子爵に婚約の申し込みをしたこと、ローザにはこれからは工房に住んでもらうことを書いた。
オシラへは明日には届く、そしてエイド子爵のところへは3日あれば届くだろうが早急に届けるために速達で送ることにした。
お読みいただきありがとうございました。
たくさんのPV、いつも本当にありがとうございます!
もし作品を楽しんでいただけましたら、お気に入り登録や評価などいただけると大変励みになります。
是非是非よろしくお願い致します!!m(_ _)m




