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よろしくお願いいたします。
「うん、しっかり乾燥してる」
お父様から頼まれた粘土で作ったペンダントトップは2日でしっかり乾燥した。窯に火を入れて焼いていく。
時間を見て15分焼いていく。その間に私はネオ様から届いた手紙を読んでいた。
実は鍵をポストに入れた時に書いた手紙に住所も書いていた。私も手紙を書きますと言いながらまだ手紙を書いていなかったらネオ様から先に届いてしまった。
手紙には無事に子爵領に着いたのか心配されていたのと今度王都に来る日が決まったらぜひ教えて欲しいという内容だった。ネオ様はとても字が綺麗だった。
(ローザ、早く返事を書いて送りなよ)
ヤラが返事を書くよう勧めてきた。
「うん、今日書くよ」
無事に子爵領に戻ってきたことと、新しい粘土が発掘されたことでも書こうかな。
そろそろ、窯に入れて15分が経つ。焼けていると思う。私は窯から取り出した。
「えっ、なにこれ?粘土だったよね?さっき入れたの。でも銀色になってる」
焼いたら粘土が銀色に変化していた。
「お父様に見せなきゃ」
私はできた粘土細工をお父様に見せにいった。お父様は執務室にいた。
コンコンコン
ドアを叩くと中から返事がきた。
「はい、どうぞ」
「お父様、この前の粘土、焼いてみたらこんな風になって。これって銀じゃない?」
私は出来上がったばかりの粘土細工を見せた。
「どれどれ……銀色になっているけど、これはわしがローザに渡した粘土なのか?」
「うん、そうだよ。その粘土」
「全然違うものに見えるな……。ローザがいうように銀みたいだ」
「でも本当に銀かわからないね」
(あいつならわかるんじゃないか?)
「ヤラのいうあいつってネオ様のこと?」
(そう、あいつに見せたら銀なのかわかるんじゃないか?)
ヤラにアドバイスをもらって、私はできた粘土細工をネオ様宛の手紙と一緒に送った。
「とりあえず、あの粘土はそのままにしておいて、私はネオ様からいただいた銀板でイヤーカフを作るぞ〜」
ネオ様の手紙には3週間後に王都に行きますと書いた。シルクリア商会にも同じように3週間後に納品しますと手紙を送った。
王都に向かう日にちも入れると製作日数は実質2週間くらいしかないから頑張って作っていく。
糸鋸もタガネも家にはなかったので、買ってきた。なかなか痛い出費だったけど、道具はずっと使えるからとお父様が買ってくれた。
イヤーカフは耳の横に引っ掛けるようなものなんだけど、引っ掛けるところを銀板で作るのは難しく、私はそこだけは粘土細工で作るしかないのかなと思っていた。
私は銀板を糸鋸で切り出し、タガネもして1日10個のペースでイヤーカフの飾りとなる部分を作っていた。
「100個できた!」
10日経って、約束の100個の飾りの部分を作ることができた。
(ローザ、お疲れ様。すごいじゃん)
ヤラが褒めてくれた。
「ありがとう。でもまだ引っ掛ける部分を作らないといけない」
(そういえば、あいつから返事はきたの?)
「ネオ様から?」
(うん。あの粘土が銀なのかどうか)
「そういえば、まだ手紙は来てないかな」
手紙も馬車で運ばれるので3日はかかる。ネオ様が読んですぐ送ってくれたとしても明日ぐらいになると思う。
「どんなに早くても明日くらいになると思うよ」
(そっか。でも楽しみだね)
「ヤラはわかってるんでしょ?」
(なにが?)
「あの粘土が銀なのかどうか」
(……秘密)
ちゃんと答えてくれなくて、はぐらかされてしまった。
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