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よろしくお願いいたします。
「ネオ様、さっきの女性は……?」
「ああ、あの人は従姉妹なんだ。さっき偶然に出会ってね。向こうから声をかけてくれた」
ネオ様と話していた女性は従姉妹らしい。こんなところで会うなんてすごい偶然になるのかな?それとも近くに住んでてたまに出会うのかな。
「そうなんですね、綺麗な方ですね」
綺麗な女性だった。ネオ様もすごく顔が整っているから従姉妹って言われたら納得できる。
「そうかな?俺はそう思ったことがなかったから」
きっと周りにはあんな美人が沢山いて見なれているんだろうな……
「あんなに美人なのに…… 」
ネオ様の従姉妹との関係をもう少し聞きたいな。
「朝食も無事に買えたようだから、夕食探しを再開しようか?」
ネオ様に話を変えられてしまった。私はもう少し聞きたいんだけどな。
あとでもう一度聞いてみよう。
「あ、これネオ様の分です。とてもおいしいですよ!」
私はネオ様に買ったサンドイッチを渡した。
「ありがとう。明日いただくよ」
確信犯なのか、ネオ様がすごく素敵な笑顔を見せたので私はドキドキしてしまった。
「ローザ嬢は肉が好きだから、あの串焼きのお店に寄ろうか?」
「はい!お肉、食べたいです!」
すぐ先に串焼きの店があった。露店街の店は前からずっとある店もあれば入れ替わって新しい店が出ている時もある。
この串焼きの店はこの前にはなかったから新しい店みたいだ。
「結構大きな串焼きだけど、どうする?」
店に並んでいる串焼きは私の握り拳1個分のお肉が3つも刺さった立派な串焼きだった。
「2本食べます!」
ここでネオ様と半分にしたいとか言えたら可愛い気がするけど、私はよく食べるので2本くらい食べないとお腹いっぱいにならない。
「わかった。2本ね。すみません、この串焼きを4本ください」
「はい、ありがとうございます。熱いので気をつけてお持ちください」
「ありがとう」
ネオ様も2本食べるみたい。全部で4本頼んでいた。
「ネオ様、いくらでしたか?」
「さっき、サンドイッチもらったし、俺が払うから大丈夫だよ」
串焼きの値段を見たらサンドイッチ2個分が1本の価格だった。そりゃそうだよね。拳1個分の肉が3つだもんね。
「ありがとうございます。お言葉に甘えます」
「あとは、どうしようか?」
「肉でお腹いっぱいになりそうですね」
「そうだね。じゃあ工房に戻ろうか」
「はい」
大きな串焼きを購入したので今日はそれ以上は買わないで工房へ戻ることにした。
工房へ戻ってきた私とネオ様は、いつものハーブティだけを用意して串焼きのみをひたすら食べていた。
「食べれると思っていたけど、案外多かったな」
沢山食べる私でも握り拳1個分の肉が6個もあったら食べきれなかった。
「無理しないで、残していいよ」
「そうですね、残して明日温めて食べます」
今日はデートのはずだったけど、特にこの前と変わらず深い話をしたりしていない。私はネオ様が運命の魔術師ってことと王都に住んでいることしか知らない。
もっとネオ様のことが知りたいな。
「ネオ様っておいくつなんですか?」
いきなりだったけど、年齢を聞いてみた。私は18歳だけど、ネオ様はもう少し上に見える。
「俺は26歳だよ」
26歳!私より8歳年上だった。もう少し若いと思っていた。
「ネオ様、もっと若いと思っていました。私は18歳です」
「若く見えるなんて初めて言われたよ。ローザ嬢は18歳なんだね」
「ネオ様は普段工房にいない時は何をしているんですか?」
「……他にも仕事があるから、それをやっているかな」
「どんな仕事なんですか?」
「事務作業的な仕事かな」
「運命の魔術師とは別なんですか?」
「そうだね。違うかな」
運命の魔術師と事務作業的な仕事か〜全然想像がつかないな。
そうだ!さっきの従姉妹の女性のことをもう少し詳しく聞こう。
「ネオ様、さっき出会った従姉妹の女性ですけど…… 」
「オシラのこと?」
「オシラ様って言うんですね。オシラ様とはネオ様は仲がいいんですか?」
「いや、特に仲がいいわけではないかな。それにもうオシラは嫁いでいるから滅多に会うこともないし。今日は本当にすごい偶然だった」
「オシラ様って結婚されているんですね」
「ああ、結婚した相手は今君が取引しようとしているシルクリア商会のロッド会長だよ」
「えっ!あのロッド会長の奥様なんですか?」
「そうだ」
あの美人がロッド会長の奥様だったなんて!驚きだ!世間は狭いな。
「この前、シルクリア商会へ伺った時には奥様は見えなかったですね」
「どこかへ出かけていたのかもしれない。仕事は手伝っているはずだから」
じゃあ、今度私がシルクリア商会へ伺った時にオシラ様にお会いできるかもしれない。
「そうなんですね、シルクリア商会へ伺う時にお会いするかもしれないですね」
「そうだな。オシラはローザ嬢の顔は見たと思うから会ったら声をかけてくるかもしれないな」
今度新しい作品を見せる時に、会えるかもって思ったらすごく楽しみになった。ネオ様から気になっていたオシラ様のことが聞けたのも良かった。
「食事も終わったから、俺はそろそろ帰るよ」
「はい、気をつけて。明日からのタガネの練習もよろしくお願いします」
こうしてこの前よりネオ様のことを少し知れた食事デートが済んで、ネオ様は帰っていった。
私は明日からのタガネの練習に向けて早めに寝ることにしたのだった。
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