55 王太子視点
よろしくお願いいたします。
「これでも魔術で変装しているんだけどな」
俺は魔術で実際の髪色のプラチナブロンドから黒に変えて、目はブルーからブラウンに変えていたのだが、今までに何度も王太子姿の俺と面識があるオシラには効果がなかったようだ。
「まぁ髪と目の色は違うよね。でもネオシストを知ってる人が見たら気づくんじゃない?」
今まで誰にも見破られていなかったから、うまくいっていると思っていたが、実際の俺を知っている人には出会っていなかったな。
そういえば、ローザの父親のエイド卿に何処かで会ったことないか聞かれていたな。イングが変装を褒めてくれていた時はマントも着ていた。オシラの言う通りなのかもしれない。
「そんなことより、こんなところで立っていてどうしたの?」
「人を待ってる」
「人?誰?」
「単刀直入に言うと、守護精霊同士が番の女性だ」
「えっ!それは本当に?おめでとう!!やっと守護精霊同士が番の女性に出会えたんだね!!」
今までは高位貴族の中から現れていたのに今回は現れず、見つけ出すのに手こずっていたのをオシラは知っていた。
「ああ、ありがとう」
「あれ?待って、それなのに変装してるってどう言うこと?」
「彼女とは運命の魔術師として出会ったから、俺の正体をまだ知らないし、番の本当の意味も知らない」
「えっ!じゃあ、早く正体をバラさないと!色々とまずいんじゃない?」
オシラは番の意味をよく知っているから、早く正体を明かすように言ってくる。
「そうしたいのは山々なんだが…… 」
高位貴族でないローザの守護精霊と番であったり、守護精霊同士がまだ対面できていなかったりとイレギュラーなことが起こっているため、王太子と明かすことがまだできそうになかった。もう少し時間が必要だ。
「ネオ様、お待たせしました!」
振り向くと、サンドイッチを買いに行ったローザが戻ってきた。
「じゃあ、ネオシ…ネオ、またね!」
俺の名前が頭文字だけで呼ばれたのを聞き、オシラもローザと同じように俺を呼んで去っていった。
「ネオ様、さっきの女性は……?」
「ああ、あの人は従姉妹なんだ。さっき偶然に出会ってね。向こうから声をかけてくれた」
「そうなんですね、綺麗な方ですね」
俺はオシラの性格を知っているからか、綺麗な女性というよりも男まさりの女性だと思っていた。
「そうかな?俺はそう思ったことがなかったから」
「あんなに美人なのに…… 」
ローザの方が可愛らしいと思うが、女性の美の基準はよくわからない。
「朝食も無事に買えたようだから、夕食探しを再開しようか?」
ローザはもっとオシラのことを知りたそうにしていたが、オシラのことに興味のない俺は早々に話題を変えてしまった。
「あ、これネオ様の分です。とてもおいしいですよ!」
ローザが持っていたサンドイッチの一つを俺に差し出した。
「ありがとう。明日いただくよ」
可愛らしいな。お礼を言うとローザの顔が赤くなった。
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