47 王太子視点
よろしくお願いいたします。
ローザに夕食を誘われた。
嬉しいが、露店街に行ってその場で食べるような長居をすると、髪や目の色を変えてはいるが、王太子っていうことがバレてしまう可能性がある。
その場で食べずに工房に持って帰ってきて食べた方が良さそうだな。
「ローザ嬢、露店街で購入して食べるのはこの工房で食べないか?その方がゆっくりできると思う」
「はい、私はそれで構わないですよ」
王都ではなかったら店に入ったりもするが、王都だと誰に出会うかわからないから店に入るのは避けている。
(ネオ、ローザに先手を打たれる前にエスコート、エスコート)
イングが慣れない俺のために、事あるごとにフォローしてくれていた。
「遅くなってしまうし、早速露店街へ行こうか?」
「はい!」
工房を閉めて、露店街へ向かう。もうすっかり外は暗くなってしまっていた。
「ネオ様、何か食べたいものはありますか?」
「…特に思い浮かばないかな… 」
「私はお昼にサンドイッチを食べたんです。夜はライスがいいかなって思っています」
「そうなんだね」
「ネオ様はお昼は何を食べましたか?」
昼食に何を食べたか…今日は公務が忙しくて、ローザのところに来る時間も決まっていたから、侍従が用意してくれたサンドイッチを食べながら仕事していたな…。
「俺もローザ嬢と同じようにサンドイッチだった」
「わー偶然にも一緒だったんですね!美味しかったですか?私は露店街で買ったんですけど、米粉でできていてとても美味しかったです」
「そうなんだね」
(ネオ、さっきからほとんど”そうなんだね“しか言ってないよ!)
『自分でもわかってる。何を返したらいいのか、わからないんだ』
(彫金教えている時はすごくいい感じだったのに、何もないとすぐこれなんだから)
『面目ない…』
「ネオ様、よく露店街には行かれますか?」
「……」
「ネオ様?」
イングと頭の中で会話をしていたため、どうやらまた無言になっていたみたいだ。
「ああ、すまない。露店街はたまに行くくらいかな」
「そうなんですね。じゃあ美味しいところとかはあんまり知らないですかね?」
「そうだな。よく知らないと思う」
「今日は美味しいお店の開拓ですね!」
ローザはあまり会話の弾まない俺に対しても、積極的に話題を振って話が続くようにしてくれている。
(ローザがお話し好きでよかったよ。ネオみたいなタイプだったら、2人して無言だよ)
イングの言う通りだ。
「ライスを使った料理の店があるといいな」
「ああ」
露店街に着くまでの会話では、俺はほとんどローザ嬢が話すことに相槌を打つくらいしかできなかった。
そんな俺に対してもローザは楽しそうに色々と話題を振って話をしてくれていた。
「お店、まだ沢山やっていますね。ちょっと遅めだったから閉まってきてるかなって思ってたんですけど」
「そうだな。よかったな」
「はい!私、ライス料理の店を探したいんですけど、いいですか?」
「ああ、探しに行こう」
あまり露店街を長居したくないから、できれば早くローザの目当ての店が見つかってほしい。
ローザは露店街に着いてからも色々と俺に話を振ってくれていた。しかし、まだ会話に慣れない俺は話を聞いて相槌を打つばかりだった。
「そこのめちゃくちゃ男前のにいちゃん、パエリアはいかがかい?あ、一緒にいる彼女もさ」
ローザの話を聞きながらライス料理の店を探して歩いていると、横から声をかけられた。
「パエリア?ローザ、食べたがっていたライスの料理の店だ」
「えっ!ライス料理の店?」
ローザの話を聞くのに一生懸命だった俺と、話すことに夢中だったローザは店主に声をかけられなければ見逃していたようだった。
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