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困窮令嬢は幸せを諦めない~守護精霊同士がつがいだったので、王太子からプロポーズされました   作者: 緋月 らむね


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よろしくお願い致します。

 ネオ様の工房から出て、お父様が待っている喫茶店に行こうと思っていたけど、私は肝心なことを聞き忘れていた。


私は、喫茶店がどこにあるのか聞き忘れていた。どこだろう…。ちゃんと聞いておけば良かった。


しょうがないから少しこの辺りでうろうろして探してみる。


(ローザ、さっき君のお父さんが馬車を停めていたところの近くに行ってみないか?)


 私があまりにもうろうろし出したのでヤラがアドバイスをくれた。そうだ、馬車を停めていた近くのようなことを言っていた。


 私は馬車を停めていた近くで喫茶店があるか探していた。


(ローザ、左みて。左に喫茶店あるよ。それにあそこにいるのは君のお父さんじゃない?」


 ヤラが教えてくれた方向を見ると喫茶店があって、お父さんらしき人が座っていた!


『ヤラ、ありがとう。行ってみる』


 人が近くにいたので心の中でヤラにお礼を言った。


 その喫茶店の前に来てみると窓際にお父様が座っていた。私は中に入ってお父様のところへ行って声をかけた。


「お父様」


「おぉ、ローザ。思ったより早かったな。もうネオ様と相談できたのか?」


「お父様、それなんだけど、ネオ様のところへもう一度一緒に来てもらえる?」


「どうしたんだ?」


「実はなかなかいい案が浮かばなくて困っていたら、ネオ様がジュエリー作成を教えてくれるって言ってくださって…」


「ネオ様が?」


「うん。それで詳しいことをお父様にも話してもらおうと思って」


「それはすぐ教えてもらって帰るってことじゃないからか?」


「そうだね。ちょっと私だけじゃうまくお父様に伝えられないから、ネオ様のところに一緒に来て欲しい」


「わかった。一緒に行こう」


 私はお父様と一緒にネオ様の工房に向かった。





「ネオ様、お父様を連れて来ました」


「おかえり。エイド卿、何度も来ていただき申し訳ない。どうぞこちらへ」


「ありがとうございます」


 私とお父様は隣同士に座り、お父様はネオ様の前になる場所に座った。


「娘の相談にのっていただきありがとうございます。早速ですが、ネオ様がジュエリー作成を娘に教えてくださると娘から聞いたのですが、具体的にはどうやって教えてくださるのでしょうか?」


「ローザ嬢の話だと、1ヶ月後までに新しくシルクリア商会に商品となる品を提示する約束になっていると聞きました。最初はローザ嬢にガラスビーズの製法の買取を提案しましたが、それは難しいみたいで… 」


「ガラスビーズの製法の買取ですか?」


「そうです。そしてガラスビーズを領の職人に作ってもらうんです。製法の買取は高価なんですが、先行投資としてどうかと思って提案したのですが」


「そうですね、ローザはよくうちの領の経済状況をわかっています。それができないわけではないんですが、いくらシルクリア商会との契約のためとはいえ、売れるという確約がないものに借金をして購入することはできません」


 お父様ははっきり、借金と言った。私は難しいで濁していた。


「借金か…。そうでしたか…。そちらの内情を知らずに提案してしまい申し訳ありません」


「いえいえ。ローザのために提案していただきありがとうございます」


 私が思った通り、ガラスビーズの案はダメだった。


「それで、その次に私がローザ嬢にジュエリー作成の方法を教えることを提案させていただきました」


「さっき娘からそれも聞きましたが、それは今日中に終わることではないですよね?」


「そうです。少なくとも1週間程度は習いに来ていただく必要があります」


「うちの領からはとても遠いので通うことはできませんが」


「その通りです。ですので、エイド卿が許可してくださればローザ嬢はここに住み込みで習っていただくことを提案させていただきました」


「ここに住み込みですか?ネオ様も住んでいるんですか?」


「いえ、私は住んでおりません。ローザ嬢だけです」


「そうですか…」


「この辺りは食料を買う店もあって、治安も悪くないので一人でも大丈夫だと思います」


「立地条件が悪くないのは存じております。でもいきなりローザ一人なんて…」


「お父様、大丈夫だよ。いつも言ってるけど、ヤラもいるし」


「そうですね、守護精霊もついていますから。何かあれば守ってくれると思います」


「お父様、ネオ様が運命の魔術師なんだよ」


「ネオ様が!?」


「はい。私がローザ嬢の守護精霊を顕現させた運命の魔術師です」


「そうでしたか。ローザの守護精霊を顕現させていただきありがとうございました」


 お父様は椅子から立ち上がり、そう言ってネオ様に頭を下げた。


「お父様」


「エイド卿、頭をあげてください。むしろ私はエイド卿に謝らないといけない。もっと早く守護精霊の顕現をしなければいけなかった。エイド卿には大変な思いをさせてしまった。よければ、エイド卿の守護精霊も顕現させることができますが、どうでしょうか?」


「いえ、私はローザの守護精霊が顕現しているので十分です。ありがとうございます」


 お父様は自分のことより私のことを優先させるんだよね、いつも…。


「それで、先ほどのローザの一人暮らしのことですが、ローザはどう思っているんだ?」


「私は、ネオ様にジュエリー作成習いたいと思ってる」


「そうか」


「エイド卿、どうでしょうか?もちろん、私もローザ嬢が困っていたら助けるつもりです」


 お父様は少し考えているようだった。


お読みいただきありがとうございました。

たくさんのPV、いつも本当にありがとうございます!

もし作品を楽しんでいただけましたら、お気に入り登録や評価などいただけると大変励みになります。

是非是非よろしくお願い致します!!m(_ _)m


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