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よろしくお願いいたします。
私はお父様とお父様の見つけたシーフードピザのお店にきていた。
お店は宿から少し離れていて、大通りに面したところにあった。
さすが大通りに面したところにあるだけあって、お店はとても混んでいて、沢山の人が並んでいた。
外まで並んでいたから、すぐに案内してもらえるような感じではなかった。
「お父様、お店混んでいるね。待ってないで、テイクアウトにしようか?」
「そうだな、わしはどっちでもいいから、ローザがそれでいいならそうしようか」
お父様は私によく合わせてくれる。いつも思うけど、お父様は本当に優しい。
こんなに優しい貴族で騙されたりしないかちょっと心配になるけど、今のところ騙されたりするほど大きな事業は手がけてなかったな…。
明後日伺う、シルクリア商会との商談が大きな事業になるか。明後日はどんな話になるのかすごく楽しみだな。
「じゃあ、お店の人にテイクアウトで頼もう!」
私たち沢山の人が並んでいるところではなく、テイクアウト専用の店先に行った。
「すみません、持ち帰りのピザをお願いしたいです。どんな種類がありますか?」
「いらっしゃいませ。このメニュー表をご覧ください。お決まりになりましたら再度お声掛けください」
店員が私にメニューを渡してきた。メニューを決めている間は店頭からちょっと避ける。後ろにも人が並んでいるもんね。決まったら並びなおそう。
色々な種類があるけど、どれがおすすめなのかよくわからない。お父様はどれにしたいのか聞こうと思ったけど…
「ローザ、ちょっとトイレを借りてくる。ローザの選んだのでいいからね」
お父様に相談しようとしたらトイレに行ってしまった。私が選んでいいって言ってたから、先に選ぶ。でも20種類もあって私は迷ってしまった。
『どれがいいかな。迷うな〜、ヤラ、どれがいいと思う?』
選びきれずにヤラに話しかけた。
(僕は食べないけど、このトマトとエビとベーコンのが見た目がいいね)
ヤラは食べないけど、美的センスで選んでいた。ヤラの選んだトマトとエビとベーコンには、あとコーンとバジルがのっていて、とてもカラフルだった。
『カラフルで綺麗だもんね。美味しそうだし。私はそれにしようかな。あとはお父様の分だけど、どうしよう?』
心の中でヤラと話してピザを決めていると、声をかけられた。
「ねぇ、きみ、とてもかわいいね。一人でいるの?一人だったら僕と一緒にお店で食べない?」
自分に自信がとてもありそうな雰囲気の金髪の若い男性に声をかけられた。
歳は私より少し上に見えるけど、あの感じは多分貴族だと思う。お忍びで食べにきているのかな。
「ごめんなさい、人を待っているので」
お父様を待っていたのだけど、誰を待っているとは言わずに断った。
「えー、いいじゃん。どうせ断る口実だよね?僕はヒューレイ伯爵の息子なんだ。だからお店には並ばずに入れるし、行こうよ」
げっ!やっぱり貴族…しかも伯爵令息だった。どうしよう。
「いや、私、人を待っているんで」
「そんなの口実でしょ?いいじゃん、いいじゃん」
そう言って伯爵子息は私の腕を引っ張って店の中に連れて行こうとした。
『ヤラ、助けて!』
(ローザ、わかったよ!)
あっという間にヤラが実体化した。
「おい!その手を離せ。ローザは僕を待ってたんだ」
伯爵令息は声の方を向き、驚いていた。
「お前、どこから現れたんだ!さっきまでいなかったぞ」
「僕は魔法が使えるんだよ。ローザの手を離せ」
いきなり現れたヤラに伯爵令息は驚いていたけど、ヤラは自分が守護精霊と言わず、魔法が使えることにしたようだ。
魔法が使えると聞いて、伯爵令息はちょっとビビってしまったようだ。私の手を離しヤラの方を見た。
「本当に連れがいたんだな。じゃあいいよ」
そう言って店の中に入って行ってしまった。
良かった、どうやら諦めたみたい。
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