27 王太子視点
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ローザは工房から宿に戻った。ローザが俺の工房へ来てくれて、話はできたが、結局イングとローザの守護精霊のヤラが対面することはできなかった。
イングはとても落ち込んでいた。
「どうして実体化をしてくれなくて、私と会ってくれなかったんだろう」
「イング… 」
実体化しなかったのは多分、ローザのことを思ってだ。ローザは番の意味をわかっていない。ヤラがイングと実体化で対面したら俺とローザは一緒にいることを強制される。
なぜならば守護精霊が番と離されるのを嫌がるからだ。俺の父上と母上は番と判明した途端、すぐさま母上は王城に住み始めた。
それが可能だったのは母上が王族との接点も多く、マナーもしっかりしている上位貴族だったからだ。ローザは子爵令嬢。上位貴族ではない。
しかも困窮のため平民のような生活を送っており、貴族令嬢のマナーを学ぶような生活状態ではなかった。
そのようなローザが王太子の俺と一緒にいることを強制されて耐えられるだろうか。そしてローザ自身の気持ちも…。
俺はすでに自分がローザを意識していることは認めている。しかし、ローザと共にした時間が少ないため、ローザの方はどうだろうか?
「ネオ、ローザはまだ王都にいるからヤラと会えるチャンスはまだあるよね?」
「イング…そのことだけど、多分、今回ローザが王都にいる間は会えないと思う」
「えっ!どうして?こんなに近くにいて、会えるチャンスがあるのに?」
「ローザの準備ができていないんだと思う」
「えー!!ローザのせいなの?いい子だと思ってたのに。ネオはそれでいいの?」
「俺は…もうローザのことを意識してしまっているから、もっとローザのことが知りたいし、一緒にいたい。でも、ローザのペースに合わせていくしかないと思ってる」
「じゃあ、どうするの?」
「これからもローザと会えるように接点を作っていく」
「具体的には?」
「きっとローザのことだから王都から離れる前に、もう一度くらいここにくると思う。まずはその時にローザのところへ今度いくと伝えてみる」
「長期戦じゃん。全然番に会えない」
「しょうがないよ、いきなり王家から婚約の打診をするわけにもいかないし。それにローザと約束した運命の魔術師としての仕事もあるから」
「……わかったよ。でもネオも頑張って早くローザを振り向かせてよ」
「最善を尽せるように頑張るよ」
今まで女性にアプローチなんてしたことがない俺は、そう言いながらも何をしたらいいのかさっぱりわからなかった。
「あ、そういえば、ネオ、まだ魔力全快じゃないね。まだ瞑想した方がいいよ」
イングが俺の魔力の状態をスキャンした。工房に戻って来た時に、魔石を使って瞑想して魔力を回復させていたが、ローザが来たため途中だった。
「まだ、半分くらいか」
自分でも魔力を感じてみる。工房についた時より随分マシになったが、イングの言う通り全快にはなっていない。
「うん」
あと半分の魔力を回復させるために、俺は瞑想を再開した。
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