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よろしくお願いいたします。
「それで、ネオ様の話ってなんでしたか?さっきの話じゃないですよね?」
私はネオ様が私に話そうとしていたことを聞いた。さっきのは、私が言ったから
気がついて、言ってくれた話であって、ネオ様が本当に話したかったことは別のことだと思う。
「ああ。…ローザ嬢に守護精霊がいるように、俺にも守護精霊がいる」
「運命の魔術師のネオ様にもいるんですね」
「そうだ、その守護精霊を今からローザ嬢に紹介したい。イング、出てこれるか?」
「はーい!ネオ、呼んだ?」
声と同時に金髪でグリーンの眼の童顔の可愛らしい女性が姿を現した。
ネオ様の守護精霊が実体化した。
「ローザ嬢、紹介するよ。俺の守護精霊のイングだ」
「こんにちは、イングだよ。よろしくね、ローザ」
イング様は私に向かってにっこり微笑んだ。とても可愛らしい。
「こんにちは、イング様。初めまして、ローザです」
本当に可愛らしい守護精霊様だ。ネオ様はどうして私にイング様を紹介したのだろう?私もヤラを呼んだ方がいいのかな?
「ネオ様、私も守護精霊を呼んで実体化してもらった方がいいですか?」
「ローザ!ぜひお願い!!私、ローザの守護精霊に会いたいの」
ネオ様が答える前にイング様が答えた。
「イング、ローザ嬢に会えて嬉しいのはわかるが、先走るな。すまない、ローザ嬢。守護精霊に実体化してもらえないか?」
ネオ様がイング様の言葉を諌めた。
「ネオ様、大丈夫ですよ。イング様、ヤラを呼びますね。ちょっとお待ちください」
私はそう言って、ヤラを呼んだ。
「ヤラ、ちょっと実体化して出てきてくれる?」
返事がない… どうしたんだろう?
「ヤラ?返事して。どうしたの?」
「ローザ嬢、守護精霊が呼びかけに答えないのか?」
「はい。どうしたんだろう?いつもならすぐに返事してくれるのに」
「俺と交換したネックレスはちゃんと身に着けているか?身に身に着けていないと守護精霊とはコンタクトできないんだ」
「はい、ヤラにもコンタクトする時は、ネックレスがいるって言われているのでちゃんと身につけています」
私はネオ様に首に着けているネックレスを見せた。
「それなら守護精霊自身の問題だろう。よほどイングに会いたくないんだろうな」
「えー!!ここまできてそれはないよ!!ひどい!!」
イング様はよほどヤラに会いたかったみたい。もう一回、今度は心の中で話しかけてみる。
『ヤラ、聞こえてる?聞こえていたら返事して?』
(ローザ、ごめん…本当は聞こえてる…)
『ヤラ?良かった。聞こえていたんだね』
(うん。ごめん…)
『どうして出てきてくれないの?さっき言っていた危ない時じゃないから?』
(そうじゃない。危険な時じゃなくても実体化できるよ。でもそうじゃなくて、僕は実体化して、あのイングっていうやつに会いたくないんだ)
『イング様に会いたくないの?どうして?』
(ローザはさっきからどうしてばかりだね。僕だって嫌なことはあるよ。とにかく今は実体化したくないんだ。理由はローザと二人っきりの時に伝えるよ)
『わかった。イング様とネオ様に伝えるね。ごめんね、ヤラの気持ちを考えずにどうして、どうしてばかり言って。あとで教えてね』
(わかってくれたならいいよ。うん)
私がヤラと心の中で話しているのはネオ様とイング様にもわかったようだ。
「ローザ嬢、コンタクト取れたみたいだね」
「はい、イング様、ごめんなさい。私の守護精霊、ヤラっていうんですけど、実体化したくないみたいで…」
「えー!!どうして?私はすごく会いたいのに〜」
「ごめんなさい、理由も聞いてみたんですけど、ちょっと教えてくれなくて」
「ローザの守護精霊はヤラって言うのね。ヤラに会えないなら私もう実体化やめるね。実体化ってすごく魔法使って疲れるし。いいよね、ネオ?」
「ああ。イング、残念だけど、今回は諦めよう。俺もローザ嬢の守護精霊と俺の守護精霊を会わせたかったんだが」
そうだったんだ。ネオ様もイング様と同じように思っていた。ここまでくるとなんでヤラは頑なに嫌がるのか知りたい。あとでちゃんと聞こう。
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