20 王太子視点
遅くなりましたが本日もよろしくお願いいたします。
俺はイングからローザが王都にいると言われ王都に戻ってきた。イングは広い範囲での居場所はわかるが、詳細な居場所までは番からのコンタクトがないため、掴めない。
(ネオ〜!聞いてよ!)
イングが怒りながら俺に愚痴を言ってきた。
『どうしたんだ?』
(私の番、本当は気づいているのに無視するんだよ!!)
イングは思ったことをすぐに言ってしまうまっすぐな性格でいつも俺に自分の気持ちを素直に伝えてくる。
(私が番のエネルギーに合わせると一瞬感じるんだけど、その後ピタッと感じなくなるの。遮断してるみたい)
『そんなことしてくるのか?番なのに』
(そうなんだよ!ひどいよね!)
『どうしてそんなことをするんだ?イングと出会いたくないのか?』
(私と出会いたくないなんて!!番なのにありえないよ〜!!)
王都は広くないが、それでも簡単に見つかるものではない。
俺もイングにばかり任せていないで魔力を使いながらローザの守護精霊のエネルギーを探して王都の中を歩いた。
こんなことになるならローザが父親のエイド子爵と王都にきた理由を聞いておけばよかった。
『イングの言う通りだ……見つけたと思ったらすぐさまエネルギーが感じられなくなる。見つけられないように逃げているみたいだ』
今までイングしかローザの守護精霊の居場所を探してしていなかったが、俺からも魔力を使い、ローザの守護精霊に働きかけてみた。俺からはあくまで運命の魔術師としての働きかけだ。
そうしないと番の影響で同等のエネルギーとみなされイングと同じ結果になってしまう。
しかし……イングと同じように俺も同じように繋がりそうになると遮断されてしまった。守護精霊から意思が感じられる。
仕方ないから俺は歩き回りながら何度も何度も魔力を使い働きかけをしていた。何度も繰り返していたので俺はだいぶ魔力を消耗してきていた。
普段こんなに魔力を消耗するのはジュエリー製作の時くらいだったため、消耗した魔力補給のための魔石はジュエリー工房に置いてある。
そろそろ魔力が危なくなり、一瞬繋がり遮断されることが繰り返されるうちにやっと守護精霊のエネルギーを強く感じられるようになった。これはローザが近くにいる証拠でもあった。
(ネオ?大丈夫?魔力すごい消耗してる…)
あまりの魔力消耗にイングが心配してきた。
『そろそろ危ない。でもそのおかげで、ローザに近づいてきているよ』
(そうだね、私もそれには気づいたよ。やっぱり二人がかりで探していると向こうも観念してきてるね)
番であるイングからだけではなく、運命の魔術師としての俺からもローザの守護精霊に働きかけている為、守護精霊は自分の意志を貫き続けることは難しくなっていた。
(ネオ!わかった!王都の繁華街近くにある露店街だよ!すぐ近くだね)
番に近づいたのでイングははっきりと居場所を特定することができたようだ。
ローザの居場所は王都の露店街のようだった。露店街とまでわかれば露店街は大きくないためあとは魔力を使わなくても見つけられる。
俺は露店街に向かい、ローザを探したのだった。
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