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コルネ様はお父さんが名乗ったのを聞いても貴族の私達が露店を出していることを気にしていない様子だった。
シルクリア商会のバイヤーともなると貴族の守護精霊のこと知ってるのかな?それとも慣れているのかな?守護精霊が顕現していない貴族に会うこと。
前にあったんだよね、名乗ったら貴族ってすぐわかるから貴族なのに露店で稼ぎに来てるって馬鹿にされたこと。その人は平民だったみたいで、貴族じゃないと守護精霊のことって知らないから、どうして貴族なのにって思われるんだよね。
下位貴族でも貴族は貴族。平民と違って領地があるからかみんなお金持ってるって思うみたい。そんな貴族ばっかりじゃないのにな。
「さすがローザ、良かったな」
お父様は私のことを褒めながら喜んでくれた。私はお父様の褒めながら共感してくれるところがとても好きだ。
「ありがとう、お父様。うん、ヤラの言った通りだった」
(だから言っただろ?全部売り切れるって)
さすが守護精霊。本当に言った通りだった。ヤラのアドバイス通りにやってみたらその通りになった。
でも次は私、ヤラに聞かずに自分が思う通りにしてみようと思う。ヤラには見守っていてもらう。守護精霊が作る人生じゃなくてあくまで私が作る人生だしね。
『ヤラ、ありがとう。でも今度はヤラに聞かずに自分が思う通りにしてみようと思っているよ』
(ローザ、偉いじゃん。ローザが自分の思う通りにしたことが知らずに茨の道を選んでいたとしても、僕はローザが自分の意思で前向きに選択をしているなら応援していくよ)
ヤラは茨の道を修正するんじゃなくて、私の選択を尊重して応援してくれるんだ。
嬉しいけど、応援されるだけでうまく進むのだろうか?私はふと心配になった。そういえば、私は今まで自分の思う通りにしてみてもうまくいったためしがなかった。以前の辛い記憶が思い出される。
(おーいローザ、大丈夫?何か変なこと考えてない?)
私が以前の辛い記憶に浸っていることにヤラは気づいたみたいだ。
そうだ、私は守護精霊が顕現した。今までの私とは違うんだ。
(ローザ、こう考えたらどうかな?あくまでローザが主体の人生だけど僕との共同作業でもあるんだって)
『共同作業…。なんかヤラと結婚したみたい』
(ローザと結婚したみたいか。いいね!もう結婚したことにしようか?)
『もーヤラ、何言ってるの?私はヤラのことは好きだけどそういう好きじゃないし、大体人間じゃないヤラとは結婚できないよ』
(ローザ、もー冗談だよ〜ローザってば冗談通じないんだから。一応僕には番もいるし)
『そうだったね。ヤラの番も探さないとね』
ヤラと言い合っていたら以前の辛い記憶に浸っていた自分から浮上できた。
ヤラに感謝だ。
(探さなくても、もうわかってるんだけどね)
たまにヤラはとても小さい声で話すことがあって聞き取れない時がある。
今なんて言ったんだろう。
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