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困窮令嬢は幸せを諦めない~守護精霊同士がつがいだったので、王太子からプロポーズされました   作者: 緋月 らむね


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本日もよろしくお願い致します。

(ローザ、ちょっと待って!)


 不意に頭の中に声が聞こえてきた。ヤラだ。


「どうしたの?」


「ローザ嬢?何がどうしたんだ?」


 私がいきなりどうしたの?なんていうからネオ様が不思議そうに聞いてきた。


「ごめんなさい、違うんです」


 声に出すのはよくなかったみたい。喋らないで他の手段でヤラに答えないと…


(そいつに僕のこと話すのはちょっと待って)


 ヤラがそう言っているし、ネオ様がいる前で普通に喋るわけにもいかず私も心の中でヤラに答えてみることにした。


『えっ、でもきっとネオ様知ってると思うよ』


(そうかもしれないけど、でも今はやめてほしい)


「ローザ嬢?」


「あっ、ごめんなさい。せっかく話をするための場所まで探していただいたんですが、やっぱり私は今はいいです。本当にごめんなさい。でも本当に話したいことがあったんです。だけど今じゃなくて…」


 私のいきなりの変わり具合にネオ様は何か気がついたようだ。


「そうか…じゃあ俺の聞きたいこともその時がいいかな。俺は普段大体夕方ごろに王都のジュエリー工房でジュエリーを作っていることが多いから、近いうちに訪ねてきて。その時に話をしよう」


「ジュエリー工房?ネオ様の工房があるんですね!すごい!!私、今日から1週間王都にいる予定なのでまた伺いますね!」


「これ、その場所の地図」


「ありがとうございます」


「当たり前だけど、閉まっていたらいないからね」


「そうですよね。その時は出直しますね。ちなみに今日は工房に行かれるんですか?」


「今日?…今から行く予定だよ。夜までいる」


 なんだろう?ネオ様の返事に一瞬間があった気がする。


「そうなんですね、作成頑張ってください」


「ありがとう、じゃあまた」


「はい、また」




 ネオ様は工房に向かわれた。結局ヤラに止められてネオ様にヤラのことを話すことはできなかった。


 話したいことは本当はヤラのことだけじゃないんだけど。ネオ様はいなくなったけど、今は露店にいるから引き続きヤラには頭の中で声をかける。


『ヤラ、ネオ様に話すのは一旦やめたよ。これでいい?』


(うん、いいよ。ローザありがとう)


『どうしてネオ様に教えたらダメなの?』


(今は番に会う気分じゃない)


 今は番に会う気分じゃない?どういうことだろう?なぜネオ様に教えたらヤラは番に会うのか?ヤラの言っていることが私にはよくわからなかった。


『そっか。じゃあとりあえずお父さんと一緒に売り子するね』


 ヤラの言ったことは深く考えないで、私はお父さんのところへ戻って一緒に露店の売り子をすることにした。


「お父様、ありがとう」


「ローザ?いいのか?ネオ様との話は?」


「うん、ネオ様とはまた別の機会に話をすることにしたよ」


「そうか」


 私はお父様に声をかけて露店の売り子を再開した。



お読みいただきありがとうございました。

いつもたくさんのPV、本当にありがとうございます!

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