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私が目が覚めて横のベッドを見るともうお父様はいなかった。お父様いつも早起きだ。
自分が起きた時に私を起こすことはしない。私はいつも目が覚める時間が一緒なのをお父様はよくわかっている。お父様は多分、もう宿の食堂に行っているのだろう。
この宿は夕食は出さないけど、朝食は簡単なものを出してくれるらしい。
私も身支度をして宿の食堂に行こうと思う。
「おはよう、ローザ」
思った通りお父様は食堂にいて、すでに朝食を食べ終わっていて、食後のコーヒーを飲んでいた。
私たちは宿に泊まる時はいつも朝食は宿で食べている。私はお父様より起きるのが遅いからいつも後から食堂に行く。
「お父様、おはようございます。朝食はどんなものが出てくるの?」
私はお父様と向かい合わせの席に座った。食堂は結構人が多く、宿泊客はみんな同じ時間に朝食を食べているようだった。
「クロワッサンとハムエッグとグリーンサラダだったよ。美味しかった。ローザもいただきなさい」
「うん。すみません、お願いします〜」
私も食堂の人を呼んで給仕してもらう。
「ローザ、昨日はよく眠れたかい?」
「うん、ぐっすりだったよ」
ヤラの夢を見たけどぐっすり眠れたのは間違いない。
「それは良かった」
「お待たせしました〜」
私の朝食が届いた。お父様の言った通りの朝ごはんでハムエッグの卵は半熟でとても美味しかった。
クロワッサンもパリパリで美味しい朝食の宿は久しぶりだった。
最近は大体美味しくないことが多かったので、私はとても満足した。
朝食を食べて私達は部屋に戻ってきていた。私は昨日見た守護精霊のヤラの顕現の夢の内容をお父様に話そうと思っていた。
でもその前にネオ様と私の作った粘土細工のペンダントとネオ様のジュエリーのネックレスを交換したことをお父様に話さないといけないと思った。
「お父様、話があるんだけど」
「ん?なんだい?」
「実は私、守護精霊が顕現したの」
しまった。いきなりなんの前触れもなく守護精霊が顕現したことを話してしまった。
もう少し前置きとか話す順序があったかな。でも話してしまったのはしょうがない。
「えっ!なんだって!!ローザ、守護精霊が顕現しただって?それは本当なのか?」
「うん、お父様には話していなかったけど、実は昨日レストランで出会ったネオ様と私が作った粘土細工のペンダントとネオ様の作ったジュエリーのネックレスを交換してもらったんだ。その交換してもらったネックレスをたまたまつけたまま寝たら昨日の夜に夢を見て、その夢で守護精霊に出会ったの」
私はお父様に身につけていたネックレスを見せた。
「これがそのネックレス。これを媒体にして守護精霊と話すことができるの」
「これを使って…守護精霊とコンタクトを取る…」
お父様はまだ半信半疑だった。そりゃそうだよね。とても高級な感じはあるけどどう見てもただのジュエリーのネックレスにしか見えないし。
あっ、お父さんがネックレスに触りそう!
「お父様!!ネックレスには触らないで!!約束なの。他の人には触れさせないって」
「おお、すまんすまん。触ったらダメなんだな」
「うん、私しか触らないでって言われてるの。ごめんね。お父様、これからヤラに助けてもらってうちの領を繁栄させていこうね」
「ああ、ヤラ様というのか?ローザの守護精霊様は」
「うん、そうだよ」
「ヤラ様これからローザ共々よろしくお願いします」
「ヤラ、聞こえてる?」
(ローザおはよう。聞こえてるよ。君のお父さんからの挨拶)
昨日ヤラが教えてくれた通り、ネックレスをつけているとヤラの声が頭に響いて聞こえてきており、ヤラの姿は見えなかった。
「お父様、ヤラから返事きたよ。聞こえてるって」
「おぉ、当たり前かもしれないけど守護精霊様の声はローザにしか聞こえないんだな」
「そうみたい」
お父様とヤラが挨拶をした。私も昨日ヤラに聞いた方法でヤラとコンタクトがちゃんと取れることがわかった。これからヤラに色々助けてもらうわけだけど…
「ヤラがいることでこれからうちの領もソルビット伯爵領のようにどんどん良くなっていくね。ヤラよろしくね。色々教えてね」
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