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困窮令嬢は幸せを諦めない~守護精霊同士がつがいだったので、王太子からプロポーズされました   作者: 緋月 らむね


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沢山の方に読んでいただけてとても嬉しいです。ありがとうございます。

今日はちょっと長めです。よろしくお願い致します。

 私はとても久しぶりに夢を見た。普段は全然夢なんて見ないけど、今日はびっくりするようなことがあったせいか夢を見ていた。


 夢の中に知らない男性がいた。その男性は金髪で人懐っこい雰囲気の中性的な可愛らしい感じで、年齢は私と同じくらいにみえた。ちなみに私は18歳。


 初めて見る男性で会ったことはないはずだけど、なぜかとても初対面な感じがしなくて懐かしい感じがしていた。その男性は私を見つけると満面の笑みを浮かべ話しかけてきた。


「初めまして!僕はヤラ、君の守護精霊さ」


「守護精霊!!!!」


 なんと!! 私は何故かいきなり夢の中でどうしても出会いたくてたまらなかった自分の守護精霊に出会うことができたのだ。


「守護精霊様、どうして私に姿を現してくれたんですか?何か姿を現すきっかけになるようなことがありましたか?」


 思わず聞いてしまった。だっていきなりだったし。


「嫌だなぁ〜そんな呼び方。ヤラって呼んでよ。君の名前は?

その言葉使いもやめてもっと普通に話して」


「軽い…」


 私の守護精霊、軽くて友達みたいな喋りで大丈夫なのか心配になった。


「えっ?何か言った?」


「ううん、わかったよ。私はローザ。ヤラ、どうして私の前に姿を現してくれたの?私は何をきっかけであなたが私の前に現れることができたのかわからないからびっくりしてる」


「そのネックレス」


 ヤラは私の首にかかっていたネックレスを指差した。


「えっ?これ?」


「そう。それ。それが僕とローザを繋いだ媒体」


「ネオ様にもらったネックレス…。ネオ様が運命の魔術師だったんだ…」


 ネオ様が私達が出会いたくてたまらなかった運命の魔術師だったなんて。

 

 でもどうしてお父さんじゃなくて私なんだろう…?


「ローザにネックレスをくれた君たちが呼んでいる運命の魔術師ってやつが君のお父さんじゃなくてローザの前に現れたのは僕が番をもつ守護精霊だから。つまりローザは番がいる守護精霊を持つ者だったからってこと」


 私がそんなことを思っているとヤラは私の思っていることがわかるのか答えてくれた。


「番を持つ守護精霊?そんなの初めて聞いた」


「ローザは守護精霊の番のことは知らないんだね」


「うん、私は貴族だけど下位貴族だしね」


「下位貴族?」


「そう、下位貴族で子爵だから」


 ヤラは番のことは知っているのに人間の守護精霊への決まりみたいなものは知らないみたい。まぁ人間が勝手に言っているだけだろうしね。


「下位貴族だとどうして知らないの?」


「高位貴族しか関係しないこともあるから。関係しない下位貴族が知っててもねっていう感じかな」


「ふうん。よくわからないけど、人間社会ではそういうものなんだね」


「うん。それで番がいるってどういうこと?」


「そのままだよ。僕には番となる守護精霊がいるってこと」


「そうなんだ…」


 ヤラが私の前に姿を現してくれた大きな理由は私が番をもつ守護精霊の持ち主だったからみたいだけど、どうしてなんだろう? 


「ヤラみたいな守護精霊が顕現する理由に番がいようがいまいが関係ない気がするけど、何かあるの?」


(ローザは本当に何も知らないんだね…)


「どういうこと?」


(まぁいいや。僕はローザのこと気に入っているからこのままでもいいかな)


「ありがとう?でいいのかな?」


「うん、いいよ」


 ヤラの言うことがよくわからなかったけど、とりあえず私の事を気に入ってるみたいだからお礼を言った。


「番の守護精霊をもつ人が誰かまだヤラも知らないんだよね?だったらこれから私と同じように守護精霊が番を持つ人を探す必要があるんだよね?」


「うん。でもそれよりも先にすることがある」


「えっ、番を探すのが最優先なんじゃないの?」


「まぁそうだけど、それよりもローザのこと」


「私のこと?」


「うん。僕がローザとコンタクトが取れるようになったのはついさっきだけど、ずっとそばにいて君の様子を見ていたんだ。すごくすごく頑張っていたよね、みんなのために。だから僕はそんな頑張り屋のローザを気に入っているんだ」


「ヤラは顕現する前から私のこと、ずっと見ててくれてたんだ…」


「本当は番を探すのが1番最初って言われているけど、僕は番を探すより先にローザのために力を使いたい」


 なんて優しい。守護精霊ってこんなに優しいんだ。めちゃくちゃ嬉しい。

ぜひ私の力になってほしい。


「ありがとう。それはとても嬉しい」


 その時は番探しを後回しにして私のために動くと言ったヤラの申し出を私はそのまま素直に受けとっていた。でも何故かその時助けてもらっていたのと同時進行で番探しをしてしまっていたと後から気づいたのだけど。


「あ、今は夢の中だけど、普段ヤラとコンタクト取る時はどうしたらいいの?夢でしか取れないの?」


「言い忘れてた。これからはそのネックレスをつけていれば僕とコンタクトが取れるよ。心の中で僕に話しかけてみて。僕の声が聞こえると思うから」


「ありがとう。それと… 明日お父様にヤラのこと話してもいいのかな?」


「いいよ。でも番のことは黙っておいてくれるかな?それと、このネックレスには触らせないで」


「わかった。番のいる守護精霊ってことはお父様には言わないし、ネックレスは触らせない」


「そうしてくれると嬉しい。それからネックレスに触らせないのだけは絶対だよ。じゃあこれからよろしくね、ローザ」


 ヤラがそう言って消えたのと同時に夢が終わって私は目が覚めた。




お読みいただきありがとうございました。

たくさんのPV、本当にありがとうございます!

もし作品を楽しんでいただけましたら、お気に入り登録や評価などいただけると大変励みになります。

よろしくお願い致します。


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